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岡谷南部中 再燃、ボート熱

授業に導入、先生も資格取得へ 大会出場も視野に

 市がボートを授業に取り入れたもののほぼ休止状態になっている岡谷市の岡谷南部中学校(吉池英勝校長)で、復活の動きが出ている。

 同校では一九八一(昭和五十六)年から、選択体育の授業でボート競技を取り入れるようになり、翌年にボート部が発足。その年の全国中学選手権大会(石川県・津幡)では男子ナックルフォア種目が初出場四位。八六年に諏訪湖で開かれた同大会では、男子ナックルフォアが優勝している。その後も同大会では九〇年から三年連続で女子クルーが二位になるなど、活躍した。

 しかし、顧問の転任などでボート部員が減少、次第に自然消滅の形になった。同校前の湖岸には現在、競技が盛んだった時に使われていた桟橋が設置されたまま。校舎北側には艇庫があり、購入したナックルフォア二艇と舵手付きクオドルプル二艇、オールなどが使用可能の状態で収納されている。

 二年前から総合的な学習の時間で再びボートを取り上げ、今年は教諭が授業に必要なモーターボートの資格取得を目指すなど、本格的な復活へ取り組みを強めている。関係者は将来的に大会出場も視野に入れ、意欲的に生徒への投げかけを進めている。

 同校関係者の間には復活を望む声が多いことから、吉池校長も「この環境を生かし、目の前に広がる湖で漕ぐ経験を生徒たちにさせてあげたい。湖のような広い心をもてる子供に育ってくれたら」とボートの再活用を検討。今年度は取り組みを強めることになった。

 現在、中曽根茂智教頭と体育科の徳竹秀彦教諭が、生徒の乗艇時のサポートに必要なモータボート資格取得の準備を進めている。一方、今年度は総合的な学習の時間のボート講座を「熱血ボート塾」(担当・徳竹教諭)とした。講師は岡谷南高時代にインターハイ優勝経験があり、八九年から約六年間、同校ボート部の指導をした小口弘晃さん(四一)=同市湊。一〜三年生二十二人が、ボートの基礎知識を学び、諏訪湖での乗艇練習を目指す。

 十日の講座で生徒はボートのビデオを見て、小口さんに競技の魅力などを聴き、艇庫で艇やオールに触れた。岩井翔君(一年)は「結構スピードが出そう。早く乗ってみたい」と目を輝かせ、渡辺慶君(三年)は「去年のボート講座に参加して、もっとやりたくなった」と湖上に出るのを楽しみにしていた。

 吉池校長は「指導者の確保に向け、県ボート協会への依頼も考えている。いずれ部活動に発展してくれれば」と話している。

<2003/6/11付 長野日報3面より>

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