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諏訪中漕陵会イギリス遠征
ボート発祥地で仲間と夢実現
【ロンドン=宮坂麻里記者】 旧制諏訪中学(現諏訪清陵高校)端艇部OBでつくる「諏訪中漕陵会」(山崎壮一代表)が、イギリス遠征でボート発祥の地、テムズ川を訪ねた。三、四日に、世界最古の歴史を持つヘンリー・ロイヤル・レガッタを観戦。五日には最大目標だった八人乗りのエイトをテムズ川沿いのコースで漕(こ)ぎ、伝統の地で昔からの仲間とオールを握る夢を実現させた。

 ロンドン郊外のテムズ川で毎年七月上旬に開かれる同レガッタ。競馬、テニスと並んで語られる、歴史と権威あるイギリス王室の大会だ。今年も河畔にテントが並び、子供からお年寄りまで多くの人たちがドレスアップして観戦を楽しんだ。「まさに国を挙げての一大イベント。こんなに多くの人がボートに親しむ光景に驚いた。百五十年の歴史だね」と山崎代表。メンバーは、充実した運営や設備などにも目を見張った。

 二日間の観戦を終えると、レガッタ会場から十六キロほど下流にあるボートコースへ向かった。テムズ川沿いに設置され、二〇〇六年の世界選手権開催に向けて準備の進むコースでエイトを借り、乗艇。力を合わせて二千メートルを往復した。

 八人は、諏訪湖で一校しか端艇部がなかった同中学時代、県外遠征をして他県のレース環境を学んだり、新しい漕法技術を取り入れるなど、信州ボートの地歩を固めた。七十歳を超えた今も、中学時代からの絆(きずな)を一層強め、生涯スポーツのボートを楽しんでいる。

 歴史を感じながら一漕ぎ一漕ぎ、息を合わせて艇を滑らせたメンバーたち。大堀京一さんは「涙が出るほどうれしい」と興奮ぎみ。小松良樹さんも「オールを握る八人の気持ちが一つになった。最高の気分」と喜びをかみしめていた。

【写真】イギリス、テムズ川沿いのボートコースでエイトに乗る諏訪中漕陵会のメンバー(現地時間5日午前10時30分)


<2004/07/07付 長野日報より>

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