県内で初 豊南短大にボート部 県協会 成年女子普及に期待 |
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信州豊南短大(辰野町)に今春、県内の大学では初めてのボート部が誕生した。成年女子の競技人口拡大を目指す県ボート協会の全面的な協力を受け、諏訪湖を拠点に練習に励んでいる。(宮坂麻里)
県協会は昨年からクラブ発足を大学に働きかけてきた。大学側は「協会と連携し、学生が地元ならではのスポーツに親しむ環境を整えたい」(森本健一学長代行)と申し入れを受け入れ、部設立を決めた。 部員は現在、選手8人、マネジャー1人の計9人。全員が初心者の2年生で、当面は土日曜日を中心に下諏訪町漕艇場で4人漕(こ)ぎの木艇ナックルフォアに乗艇。県協会が派遣した指導スタッフのアドバイスを受けて練習し、大会出場を目指す。 スタッフは監督がモスクワ五輪代表の岩波健児さん(50)=岡谷市赤羽=、コーチは元世界選手権代表の池田竜雄さん(30)=諏訪市中洲=、インターハイ出場経験のある中山友乃さん(20)=下諏訪町高浜=。山田沙織主将は「素晴らしい監督コーチに教えてもらえる。なかなかできない経験ができてうれしい」。茅野市玉川出身の山田里花さんも「湖の上に出るのは楽しい。早くうまく漕げるようになりたい」と話す。 県協会は昨年から、高校を卒業した県内の成年女子を公募し、国体出場を目指して育成するなど、課題だった競技環境を見直している。同大ボート部の発足が普及につながることを期待。岩波監督は「まずは選手に楽しさを知ってもらいたい」と話し、「徐々に高いレベルに挑戦し、ゆくゆくは国体やインカレ、全日本レベルで活躍するボート部に成長させたい」と将来像を描いている。 【写真】コーチの指導を受けながら諏訪湖で練習する選手たち。県協会は、ボート部発足が成年女子の競技人口拡大につながることを期待する <2007/04/17付 長野日報より>
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「ボートの楽しさ伝えたい」
誕生した信州豊南短大ボート部監督を務める |
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「ボートの楽しさを伝えたい」。選手と接する姿に、日の丸を背負って世界に出た20代から変わらないボートへの情熱があふれる。将来は世界で活躍する選手が長野から出てほしい−と夢を抱き、競技を始めて間もない選手たちを支えている。 岡谷南高でボートと出会い、3年時はナックルフォアでインターハイ、国体とも2位。中大では3年までエイトを漕(こ)ぎ、腰を痛めて転向したシングルスカルで、4年時に全日本選手権で初優勝した。下諏訪町役場に就職した1979年から日本代表としてダブルスカルで計3度、世界選手権に出場。80年モスクワ五輪代表に選ばれたが、日本のボイコットで幻となった。
諏訪湖で長年力強くオールを握り続け、実業団チームのない県ボート界をリードしてきた。50代になった今もボートは生活の一部。“生涯現役“と毎日昼休みにエルゴメーターで30分の練習を欠かさない一方で、経験を生かして競技の発展や後進の指導に関わりたいと考えている。岡谷市赤羽、50歳。 <2007/04/17付 長野日報より>
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