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ボート女子ダブルスカル
下諏訪向陽(植松、高砂)6位入賞

 全国高校総体(インターハイ)第16日は12日、佐賀県で4競技が行われた。ボート最終日は男女6種目の準決勝、決勝などがあり、女子ダブルスカルの下諏訪向陽(植松、高砂)が県勢最高の6位に入り、同校初の入賞を果たした。  男子シングルスカルの金原俊明(諏訪清陵)、女子かじ付きクオドルプルの諏訪清陵(藤森、仁科、山崎、後藤、田畑)は準決勝で敗退した。<以下略>
勝負の夏 思い実る
スタートの不利 懸命にばん回

 風速6メートルを超える強風が吹き荒れる中で行われた女子ダブルスカル準決勝。スタートの合図で勢い良く漕(こ)ぎ出した下諏訪向陽が、直後に高波にオールをとられた。艇は止まり、完全に取り残された。それでも勝負をあきらめずに懸命に前を追う。夏に懸けてきた2人の思いが表れたレースだった。

 各組4艇で争い、1位が決勝へ、2位が順位決定戦に進む。「絶対に2位以内でゴールする」。2人一緒に漕ぐ最後の夏、1回でも多くレースをしたい−。その思いをオールに乗せ、息を合わせて加速する。500メートルの中間点で3位に浮上、その後、2番手の猿投農林が波を受けて減速したところをかわし、ゴールに飛び込んだ。

 整調で3年の植松、バウで2年の高砂は同じ下諏訪中でボートを経験。昨秋のクルー結成当初から、学年は違っても違和感なく漕ぎが同調し、春の全国選抜出場も果たした。今季は諏訪湖で4分を切るタイムを入賞ラインと設定。だが、「なかなか4分を突破できなくて、何度も弱音をはきそうになった」と植松。出発2日前、意地で出したのが3分52秒の好タイム。自信をつかんで臨んだ全国舞台だった。

 順位決定戦は横一線の息詰まる争いとなり、わずか1秒の間に3艇が立て続けにゴールした。場内アナウンスで6位を知ると、植松は「つらい練習をやってきて本当に良かった」。高砂も「入賞できて最高にうれしい」と感極まって涙を見せた。

 1980年の創部以来、インターハイで男女合わせて初の入賞を果たした。芦田監督は「ひたむきに厳しい練習に取り組んできた2人が、これまでで一番のレースをしてくれた」と、勝負の夏に力を発揮したクルーを誇らしげに見つめた。(宮坂麻里)

【写真】女子ダブルスカルで6位に入った下諏訪向陽(手前から植松、高砂)=12日、唐津市・松浦川ボートコース

<2007/08/14付 長野日報より>
女子かじ付きクオド・諏訪清陵
波で乱れたチームワーク
 かじ付きクオドルプルの諏訪清陵は、昨夏のインターハイを経験する3年生3人を中心に、力のある2年生2人を加えたクルー。少しでも上位を目指そうとチームワークを磨いて臨んだ大舞台だったが、昨年と同様に準決勝を突破することはできなかった。

 波で4人のオールさばきが乱れた。序盤から荒れた水面を所々でたたいたり、水から抜けなくなるなど度重なるミス。連係を欠き、スピードに乗り切れなかった。4位でゴールすると、選手たちの目から悔し涙がこぼれた。

 それでも、終始冷静な掛け声でクルーを引っ張ったコックス藤森が「高校最後のインターハイをみんなと全力で楽しめた。ありがとう」と話すと、クルーキャプテンの仁科も「ついてきてくれた2年生に感謝したい」、もう1人の3年山崎も「結果は悔しいけど、やってきたことに悔いはない」ときっばり。

 インターハイで引退となる3人の言葉に、再び涙に暮れた2年の後藤、田畑は「来年は私たちが引っ張って今年以上の成績を残したい」と誓った。(宮坂麻里)

【写真】女子かじ付きクオドルプル準決勝で敗れ、引き揚げる諏訪清陵=12日、唐津市・松浦川ボートコース

<2007/08/14付 長野日報より>
男子シングルスカル・金原(諏訪清陵)
「普段の漕ぎができなかった」
 上位を目指した男子シングルスカルの金原だったが、無念の準決勝敗退。優勝候補と目されたクルーや選手が波に苦しんで次々と姿を消したこの日、金原も経験したことのない高い波の影響で普段通りの力を発揮できなかった。

 スタート時の風速はこの日最高の8メートル近くまで強まり、白波が立つほど。高い技術を要するシングルスカルでは、そんな悪条件に対応できず、レース中に転覆する選手も出た。

 金原もスタート直後に高波をかぶり、艇には大量の水が入り込んで一時は沈みかけた。そんな中でも「勝つことしか考えていなかった」と短いレンジに切り替えて力漕。中盤まで1、2番手にいたが、後半に波にオールをとられて減速、3位に後退した。

 昨夏、2年生ながら抜てきされたかじ付きクオドルプルで準決勝敗退に終わった悔しさを、シングルスカルでぶつけるつもりだった。「条件はみんな同じ。それを言い訳にはしたくないけど、一番懸けていた舞台で普段の漕ぎができなかったことが悔しい」と残念がった。(宮坂麻里)

【写真】男子シングルスカル準決勝で組3着に終わり、ゴ−ル後に桟橋へ向かう金原俊明(諏訪清陵)=12日、唐津市・松浦川ボートコース

<2007/08/14付 長野日報より>

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