男女ダブルスカルの岡谷東は全員が初めての全国舞台。「まだまだ発展途上で、これからが楽しみな選手たち。初めての全国でどこまでいけるか試したい」と天野監督。最大目標に掲げる夏のインターハイ出場へのステップと位置付け、積極的なレースで挑戦する。

　男子は2人だけの2年生がクルーを結成して約半年。諏訪中でボート部に所属した小沢は技術があり、冷静な大西がスパートのタイミングなどを指示する。小沢が身長173センチ、大西が167センチ、平均体重は61キロと全国では小柄なクルー。天野監督は「パワーはないが、艇を進める能力は高い」という。

　昨年10月の中部選抜大会の決勝は、強風の中でも落ち着いてオールを操作。終盤に1艇をかわして北信越3位に食い込み、念願の全国切符をつかんだ。「これまでで一番いいレースができた」と小沢。喜びの一方で、トップに7秒差をつけられた結果に力不足も痛感。多い時で一日15−16キロの距離をこぎ、冬場は諏訪湖1周のランニングなどで体力アップを図った。大西は「力を出し切って夏につながるレースをしたい」と意気込む。

　昨夏の県総体直後にペアを組んだ女子は、男子と同じ練習量をこなして培ったパワーが持ち味。クルーを引っ張る2年生の山内は、先輩とのペアで全国大会出場に届かなかった昨季の悔しさから、今季にかける思いは強い。1年生の小口は身長166センチの恵まれた体格。「先輩に追い付きたい」と自主練習にも励んで体力をつけた。

　2人はシングルスカルの練習も取り入れ、互いに競り合いながら成長した。経験のある山内に、伸び盛りの小口が食らい付き「競争心を燃やして追い込んだ練習ができた」と山内。諏訪湖が凍って乗艇練習ができなくなった2月以降はエルゴメーターで漕法を確認しながらこぎのイメージを合わせてきた。2人は「まずは全力で予選突破を目指す」と力を込める。（宮坂麻里）

岡谷東メンバー

　男子ダブルスカル
整調　小沢　治弥　�A　諏訪
バウ　大西　将平　�A　塩尻

　女子ダブルスカル
整調　山内ふう子　�A　鉢盛
バウ　小口　桜子　�@　岡谷北部
　【監督】天野　修一

　かじ付きクオドルプルにアベック出場する諏訪清陵は、男女とも冬場のし烈な部内競争で力を伸ばした。ここ数年は大量入部が続き、現在部員は44人（男子28人、女子16人）。活気にあふれる練習で養った力を生かし、上位入賞を目指す。

　男子は選考の末、昨秋の中部選抜大会と同じメンバーに決まった。5人全員が2年生。大黒柱の宮坂は昨夏のインターハイに藤沢とダブルスカルで出場、国体には金沢とともにかじ付きクオドルプルの県選抜メンバーとして臨み、準決勝に進んだ。全国経験を持つこの3人を中心にチームワークは良く、「目標は優勝」　と元気いっぱいだ。宮坂は「今季最初のレースで勢いをつけたい」と活躍を誓う。

　決勝進出を狙う女子のこぎ手は昨秋から2人が入れ替わった。安定感のある2年生3人と伸び盛りの1年生で編成。ただ、控え選手との力は接近しており、本番までに変更する可能性もある。秋もチームの軸だった後藤はパワーがある。田畑とともに昨季はインターハイを同種目で経験している。こぎのリズムをつくる整調の田畑は「冬場の成果を出せるよう、みんなでいいレースをしたい」と闘志を見せる。

　男女とも冬季はランニングやサーキットトレーニングを組み合わせた練習などで個々の基礎体力向上を図った。エルゴメーターで全国選抜大会と同じ距離の二千メートルや、持久力が試される20分間のトライアルを例年より多く取り入れた。橋本監督は「一人ひとりの力がつき、秋よりも確実にチーム力は上がった」と話す。

　諏訪湖が凍った2月には、東大ボート部の練習に招待される機会に恵まれ、埼玉県の戸田ボートコースで2日間に40−50キロをこいだ。「乗艇ができない期間に、いい環境で水上練習ができたのは大きかった」と橋本監督。大会1週間前から始まった諏訪湖での乗艇練習で感覚を確認し、本番に挑む。　　　（宮坂麻里）

諏訪清陵メンバー

男子かじ付きクオドルプル
コックス　中村　賢二　�A　永明
整　　調　平林　正裕　�A　諏訪南
３　　番　宮坂　竜馬　�A　岡谷南部
２　　番　藤沢　　忠　�A　永明
バ　　ウ　金沢　拓則　�A　諏訪南
　　　　　小口　陽平　�A　上諏訪
　　　　　藤森　夏幸　�A　諏訪
　【監督】橋本　　智

女子かじ付きクオドルプル
コックス　市田まゆみ　�@　岡谷東部
整　　調　田畑　由佳　�A　岡谷南部
３　　番　後藤愛也香　�A　　原
２　　番　藤森　有奏　�@　諏訪
バ　　ウ　平　　真衣　�A　下諏訪
　　　　　平岡　優佳　�A　下諏訪
　　　　　佐藤　佑実　�@　　原
【監督】浜　勝彦