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信毎諏訪湖レガッタ

少年男子 県勢では7年ぶりX

 ボートの第27回信毎諏訪湖レガッタと第5回全国ナックルフォア大会最終日は16日、下諏訪町漕艇場(千メートル)で21種目を行い、シングルスカルの少年男子は高木慎也(諏訪清陵高)、少年女子は中山友乃(岡谷東高)がともに初優勝した。少年(高校)県勢の優勝は7年ぶり。

 レースは雨が降りしきる中で行われた。成年男子は3種目とも県勢が制覇。シングルスカルは牛山英俊(全諏訪A)が初優勝し、ダブルスカルは全諏訪が4連覇、舵手付きフォアは全諏訪Aが勝った。少年男子舵手付きクオドルプルは諏訪清陵高が3位、少年女子ダブ ルスカルは岡谷南高が5位に入った。

 大会最優秀クルーに贈られる小口太郎賞は、少年男子シングルスカルを制した高木が獲得した。


高木(シングルスカル)圧倒的な後半

 少年(高校)県勢としては7年ぶりに優勝した男子シングルスカルの高木は、フィニッシュで雄たけびを上げて喜びを表した。3月の全国高校選抜大会で2位になった実力を地元で証明。大会最優秀クルーの小口太郎賞にも選ばれた。

 予選、準決勝ともトップタイムで通過。決勝は「満足いく漕ぎができて、その上で優勝できればいい」と気負いはなかった。中間点は6人中5番手にとどまったものの、後半は圧倒的な強さを発揮。2位以下に1艇身差をつけ、「最後までいい感触で漕げた。本当にうれしい」。

 身長168センチと小柄だが、パワーがある。舵手付きクオドルプルに乗った昨年の国体では、レース後に意識がもうろうとして立ち上がれなくなったほど自分自身を追い込める。今大会は3レースとも力を抜くことなく3分40秒台をマークした。

 世界ジュニア選手権の代表を狙っている。選考会の全日本ジュニア選手権(二千メートルレース)は6月10日に開幕。「課題のスタートでスピードが乗るようになった。もっと楽に最初のスピードをつけ、後半につなげていきたい」。今回得た感触を、さらに確かなものにして挑む。

【写真】少年男子シングルスカルを制し、小口太郎賞にも選ばれた高木慎也(諏訪清陵高


舵手付きクオドルプル
 諏訪清陵高は0秒45差 3位

 ○…少年男子舵手付きクオドルプルの諏訪清陵高は、安定したペース配分から後半に追い上げたが、2位の恵那高に0秒45届かず3位。コックスの今井は「今ある力は出せたと思うが、まだまだ力不足」と振り返った。

 漕手4人のうち、3人が昨年のインターハイを経験している。3月の全国高校選抜大会は入賞を狙っていたが、準決勝で敗退。「きん差で勝てるようになるのが、今後の課題」と話すクルーは、「夢は全国制覇」と元気いっぱいだ。


充実成年男子3種目を制覇

 諏訪湖で練習する社会人に活気が出てきた。選手層が薄くて舵手付きフォアのメンバー集めに苦労する時期もあったが、今回は同種目に2艇がエントリー。大学や高校を卒業した選手が地元でボートを続けるようになり、層が厚くなっている。その結果が、成年男子の3種目制覇につながった。

 昨年の全日本選手権で4位になったシングルスカルの牛山は初優勝。今年は春先に脇腹を痛めて出遅れていたが、危なげないレースだった。「後半はイメージした漕ぎに近かった」と上向いてきた。舵手付きフォアでは優勝した全諏訪Aをけん引した。

 牛山は前回大会で3種目にエントリー。無謀とも言えたが、ほかの選手を刺激したことは確か。今年は各選手が2種目に出場する積極さにつながった。さらに、今年の全日本選手権(6月)には牛山だけでなく、北沢と杉村が組むダブルスカルも出場する。トップレベルを目指そうとする意識が高まっている。

 大学卒業以来、9年ぶりに全日本選手権に出場する杉村は「企業チームと競争しながらもっと上を狙っていく」。最年長の北沢は「(県勢が)仲良しチームになるのではなく、競争意識を高めていきたい」と理想を掲げた。

<写真>成年男子舵手付きフォア 2位以下に大差をつけて優勝した全諏訪A(右から牛山、北沢、両角、伊藤)


少年女子シングルスカル 中山逃げ切る

 ○…少年男子の高木に続き、少年女子シングルスカルは中山が優勝。好スタートでリードを奪い、終盤に追い上げられながらも逃げ切った。

 ひざに不安を抱えているが、「初めから全力で漕ぐ」と気合を入れて臨んだ。課題はやはり終盤。「体力がなくなり、リズムがバラバラになった。自分の力不足です」と受け止めた。

 下諏訪中でボートを始め、中学時代は舵手付きクオドルプルで全国大会3位になった。ひざ痛で満足に練習できないもどかしさはあるが、高校最後の年はインターハイと国体で入賞を目指す。


◇信毎諏訪湖レガッタ
 【成年男子】
▽舵手付きフォア@全諏訪A(内田、牛山、北沢、両角、伊藤)3分36秒40 AKRC(岐阜)3分45秒60 B全取訪B(藤牧、花岡、清水、高木、横沢)3分55秒79
▽ダブルスカル@全諏訪(北沢、杉村)3分26秒07 A岐阜経済大(岐阜)3分28秒84 Bホンダ(三重)3分34秒94
▽シングルスカル@牛山英俊(全諏訪A)3分47秒49 A西本(富山.富山国際大C)3分51秒02 B今井(岐阜・KRC)3分55秒11 C伊藤(全諏訪B)3分56秒85 D両角(全諏訪D)4分1秒29
 【成年女子】
▽舵手付きクオドルプル@ソニー美濃加茂(岐阜)3分46秒25 A北陵RC(山梨4分10秒29 B小見川RC(千葉)4分11秒47
▽ダブルスカル@富山国際大(富山)3分56秒80 Aソニー美濃加茂(岐阜)4分3秒08 B旭丘漕友会(愛知)4分14秒01 C全敗訪(宮坂、山田)4分25秒32
▽シングルスカル@三輪(岐阜・ソニー兼濃加茂)4分9秒62 A青山(愛知・旭丘漕友会B)4分14秒35 B役川(ソニー美濃加茂)4分16秒71
 【少年男子】
▽舵手付きクオドルプル@大沢野工高(富山)3分20秒67 A恵那高(岐阜)3分22秒48 B諏訪清陵高(今井、丸山、岩垂、高、河西) 3分22秒93
▽ダブルスカル@加茂高(岐阜)3分31秒02 A大沢野工高(富山)3分34秒25 B富士河口湖高A(山梨)3分37秒94
▽シングルスカル@高木慎也(諏訪清陵高) 3分49秒90 A寺島(神奈川・津久井高)3分54秒22 B小林(富山・大沢野工高)3分56秒40
 【少年女子】
▽舵手付きクオドルプル@八百津高A(岐阜)3分46秒94 A加茂高A(岐阜)3分48秒17 B猿投農林高(愛知)3分49秒21
▽ダブルスカル@加茂高A(岐阜)3分54秒67 A恵那高A(岐阜)3分56秒53 B八百津高(岐阜)4分5秒81 D岡谷南高(久世、羽場)4分13秒66
▽シングルスカル@中山友乃(岡谷東高)4分17秒87 A五十嵐(神奈川・津久井高)4分18秒89 B溝口(愛知・猿投農林高)4分19秒78
 【中学男子】
▽シングルスカル@磯野(富山・JINZU Sports Club)4分34秒11 A小林(下諏訪中A)4分46秒21 B生須(富山・JINZU Sports Club)4分46秒76 C徳永貴(下諏訪中B)5分6秒09 D徳永博(下諏訪中B)5分14秒05
 【中学女子】
▽舵手付きクオドルプル@下諏訪中A(小野、植松、長崎、小松、戸田)4分19秒24 A下諏訪中B(柳沢、浜、高砂、小山、熊谷)4分21秒43=出場2艇
▽ダブルスカル@下諏訪中B(久世、薩摩)4分31秒37 AJINZU Sports Club(富山)4分31秒63 B下取訪中A(渡辺、長岡)4分33秒19

◇全国ナックルフォア大会
▽成年男子@束芝京浜(神奈川)4分13秒04 A日本生命(東京)4分19秒35 B中部電力火力(愛知)4分28秒90
▽成年女子@いきまっしょい(神奈川)5分30秒49 Aやりまっしょい(神奈川)5分33秒29=出場2艇
▽五百メートル男子A@JINZU Sports Club A(富山)1分47秒08 AJINZU Sports Club B(富山)1分58秒28B東京医科歯科大(東京)2分0秒00
▽五百メートル男子B@京都SS(京都)2分13秒71 A京都洛陽(京都)2分16秒95 Bトー夕スおじさん(愛知)2分19秒39
▽五百メートル女子@神峡ローイングクラブ(富山)2分53秒23 A東京医科歯科大A(東京)3分4秒02 B東京医科歯科大B(東京)3分8秒73
▽五百メートルミックス@ルンルン倶楽部(小口、田中、平林、宮坂政、宮坂俊)2分12秒65 A高崎経済大(群馬)2分13秒72 B東京医科歯科大(東京)2分14秒44




<2004/5/17付 信濃毎日新聞より>

呼吸ぴったり 71歳クルー

清陵高のOB 8人 7月はテムズ川へ

 諏訪清陵高校端艇部の七十一歳のOB八人が十六日、諏訪郡下諏訪町で開いた信毎諏訪湖レガッタに出場し、力強いオールさばきを見せた。七月に英国・ロンドンのテムズ川でボートをこぐ計画で、今回は腕ならしだ。

 清陵高の一九五一年卒業生でつくる「諏訪中漕陵会」は、六年前に発足。四人でこぐ「ナックルフォア」で下諏訪レガッタなどに出場してきた。三年前から「ボートが盛んなテムズ川でこいでみたい」と構想を温め、全員の都合がついてボートの手配も整ったため、今春から遠征に向けて練習を重ねている。

 メンバーの一人大堀京一さん=諏訪市=は「テムズ川の『ヘンリー・ロイヤル・レガッタ』は非常に格式の高い大会。出場は無理でも同じ舞台でこいでみたい」と話す。

 諏訪湖レガッタには、テムズ川で計画しているのと同じ八人でこぐ「エイト」でオープン参加。五百メートルのコースを往復した。オールを握る八人の呼吸はぴったり。約十分間こいでボートが岸に戻ると、家族らが温かい拍手で迎えた。

 後輩に当たる同校端艇部三年の山田ゆりさんは八人の雄姿を見て「すごいですね。ボートは生涯続けられるスポーツなんだなと思った」と話していた。

【写真】信毎諏訪湖レガッタに出場した「諏訪中漕陵会」の8人



<2004/5/17付 信濃毎日新聞より>


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