2000年とやま国体

ここでは長野県選手団の情報をまとめております。一部コメントが長野びいき(?)の表現になっておりますが、チームのサポーターとしてのコメントですのでご理解いただきますようお願いいたします。
なお全記録は日本ボート協会もしくはとやま国体公式サイトにあります
9月7日(木):現地入り・配艇練習
今年の国体は、富山県での開催。個人的には北信越総体や94年のインターハイなどの会場として何度も訪れていて、勝手知ったるコースという印象であった。ただ、これまでの経験では、「風が吹いても水面は穏やかだが、ダムが放流されると、レーンによる有利不利が生じる」という印象があったのも事実。

それはさておき開催県がおとなりということもあり、現地へは各クルー毎、車での移動となった。スケジュールもクルー毎に任されたため、現地での最終調整を重視する成年男子フォアは6日から、その他のクルーが7日の富山入りとなった。

実は、諏訪から神通川の漕艇場までの最短ルートは、安房峠越えである。高速を使うと上越まわりで300kmというとんでもない遠回りになるので、下道の方が早いのだ。成年M1Xのカントク(雑用係)を仰せつかった私は、練習配艇時間が早いため、他クルーより一足早く安房峠ルートで会場に向かった。ちなみに下道嫌いのふぢもりさん率いるお調子者成年W4+クルーは上越まわりでの富山入り。[絶対安房峠越えの方が早いのに・・・]

会場には予定通り到着。変更をお願いした練習時間の受付も問題なく、リギングに取りかかることができた。 それにしても大会本部の配艇練習スケジューリングにはもう少し配慮が欲しかったなぁ・・。近隣県を早い時間帯に、遠いところを遅い時間帯に割り振っているのだが、これでは不都合が多い。遠来のチームは、おそらく前泊で現地入りするスケジュールの方が楽だろうし、近隣は、早朝に出発して午後富山入りするケースがほとんどだろう。そう考えると、遠来は午前、近隣は午後という時間割にした方が、効率的ではないのか? 長野県ボの強化部では、その辺も考慮してあらかじめ練習時間の希望を伝えていたのだが、実際にはまったく反映されず、直接交渉の末、なんとか初日の練習時間を変更していただくことができた。さまざまな業務に追われ多忙なのは理解できるが、こういう配慮のない機械的な対応はいかがなものかと思う。スムースな運営と快適な大会だったというイメージアップのためにもこういう配慮は大事にしていただきたいものデス>大会本部関係者の方々

話が逸れたが、今日のリギングは、これまで練習で使用していたサイクス艇との差違調整。基本的にはハイトの確認のみ。リギング開始前にゴーケンくんに「ストレッチャー下がりませんよー」と言われていたものの、普段から浅めの杉村選手には特に問題なさそうだった。(でもDepth深くできないのは問題だナ>国産規格艇)

15分でリギングしてとりあえず出艇。しかし高さに違和感があるらしく、一度桟橋に戻して再度調整を行った。実は最後の片付けをしている時に気が付いたのだが、時間を気にしすぎていて、スパンの確認を忘れていたらしい。なんてオバカさん(^^)
ま、その辺は明日の確認事項ということで・・・

さっさと配艇練習を終えた我々は昼食へ。大沢野町のGustoで滋賀選抜W4+と遭遇。(気が付いてましたかね?>haruちゃん)

さて、昼食後は問題の宿舎へ。今年は昨年のような大規模温泉街は望むべくもなく、自家用車で富山入りしている選手団は、すべて富山市内への配宿とのこと。で、長野県・石川県の宿「ホテルのぼるや」はバリバリのビジネスホテル。前日から泊まっている成年男子フォアから「期待しちゃダメですよー」とは言われていたけど、実物を見て「うーーーむ」という感じ。話を聞く限りでは、宿舎施設も県ごとに相当のレベル差があるようだ。主催者側もそれが頭の痛いところなんだろうけど・・・

とりあえず夜には全クルーが集合となり無事に第1日目が終わりました。



9月8日(金)
現地入り2日目。練習配艇時間が少ないというのが、レース前日のお約束なので、リギングは手早く!といきたいところだったが、昨日の教訓を胸に今日は落ち着いて作業に取りかかった。スパンを合わせて、ハイトは昨日の最初の値(サイクスと同じ)に。これがバッチリで、どうやら昨日の違和感は、やはりスパンが原因だったらしい・・・
リギング時間も、「ゆっくり丁寧」にやっても20分と判明。なーんだ、余裕ぢゃん(笑)もー任せてよ、規格艇のリ・ギ・ン・グってカンジ??


成年女子舵手付フォア

成年男子舵手付フォア

成年男子ダブルスカル

成年男子シングルスカル

少年男子舵手付フォア

物好き3人組@代表者会議
(みっちゃん&きょん2&まりりん)
今日の「ランチ」は、前から気になっていた全日空ホテルのバイキングへ!
いやぁ、みなさんよくお食べになること・・・大ちゃんとか、すごかったゾウ(@@)



9月9日(土):競技第1日目<予選>

いよいよレース初日。朝方はなんとか保っていた天候も開始式前から降りが激しくなり、会場を急遽屋内に移しての開催となった。当然全選手は入れないため、監督と役員のみを残して選手は宿に引き返すことに。新村町長の激励も、残った岩波さんが代表して受ける形に。せっかくいらしていただいたのにスミマセンでした・・・

少年M4+
混戦惜しくも逃す

インターハイ3位の宇和島東が軸になる展開が想定されたが、前半で長野以外は混戦模様。強い順方向の風も手伝っての高速レース。大きく遅れた長野は、後半猛追して最下位から浮上。予選突破には届かなかったものの、上位との差は僅かという手応えを得た。全体を見ても入賞ラインに多くのクルーがひしめいている印象。競り合ったときの集中力がカギとなりそうな予感。


lane 都道府県 クルー名 500m 1000m 順位 備考
2
9/9
10:08
予   選
B組
1 愛媛県 宇和島東高校 1’32”11 3’07”17 1 ⇒準決勝へ
2 福岡県 八幡工業高校 1’33”95 3’18”99 5  
3 千葉県 千葉選抜 1’35”38 3’08”67 2 ⇒準決勝へ
4 長野県 長野選抜 1’38”57 3’12”25 3  
5 福島県 湖南高校 1’32”53 3’13”62 4  

成年M4+
リズム今ひとつ噛み合わず・・

学生との混成クルーの中では、ポテンシャルNo.1だという自負はあるものの、諏訪湖の練習ではクルーとしてのイメージ作りに苦労していた成年男子フォア。その戸惑いがやや重いリズムに・・・京都に先行を許し500mを通過。ラストは力ずくで追い込んだが、届かず2位。順位はともかくスタートから良いリズムを作ることが最大の課題と感じた。予選タイムは8位。おそらく実力的には実業団の下位クルーとは互角以上と思われるだけに、予選は納得いかない出来だったと思われる。急造クルーである分、レースをこなすことでユニフォミティを高めていける点はプラス材料だが、はたして実業団との直接対決前に、そのきっかけを掴めるか?明日の2次予選がポイントだ。


lane 都道府県 クルー名 500m 1000m 順位 備考
28
9/9
13:36
一次予選
E組
1 福島県 高郷村役場B.C 1’43”53 3’29”49 4  
2 佐賀県 佐賀選抜 1’49”06 3’40”81 5  
3 京都府 京都選抜 1’38”17 3’18”20 1 ⇒二次予選へ
4 茨城県 住友金属鉄っ子 1’41”45 3’23”89 3  
5 長野県 長野選抜 1’40”59 3’18”74 2 ⇒二次予選へ

M2X予選 宮城(手前)と接戦 成年M2X
これまた接戦を逃す

東海ブロックを制した静岡は速いと予想。宮城を抑えるイメージは良かったが、ラストの競り合いで敗れてしまった。800m過ぎまで確実に頭を抑えていただけに、0.2秒差での予選落ちは悔やまれる。東北学院のダブルがこれほど粘ってくるとは予想外でもあった。気持ちを切り換えて、準決を目指したいところだ。


lane 都道府県 クルー名 500m 1000m 順位 備考
32
9/9
14:08
予   選
C組
1 大分県 大分選抜 1’50”32 3’40”17 4  
2 宮城県 宮城選抜 1’43”93 3’26”13 2 ⇒準決勝へ
3 静岡県 静岡県選抜 1’40”87 3’23”30 1 ⇒準決勝へ
4 長野県 長野選抜 1’43”46 3’26”37 3  

M1X監視所にて 成年M1X
追い込み届かず

組み合わせ的には、ずば抜けた強豪がおらず、「レースしやすい相手」との認識で一致。諏訪湖ではスタートから前半のスピードはかなり良い感じだったので、出遅れることはないだろう・・・と思っていたら、いきなり遅れる展開。見ている方はハラハラしたが、当初のイメージよりも600m過ぎのコンスタントが良く伸びて、ラストでトップに迫る追い込みを見せてくれた。結果はトップと0.6秒差。でも写真判定の末4位。予選通過まであと0.16秒のなだれ込みゴールだった。杉村選手自身はそれほど出遅れを気にしていなかったようで、むしろそういう状況下で自分を見失わず後半をきちんと漕げたことで、準決への確実な手応えを掴んだようでもあった。


lane 都道府県 クルー名 500m 1000m 順位 備考
37
9/9
14:48
予   選
B組
1 滋賀県 吉田 賢司 1’55”48 3’50”32 1 ⇒準決勝へ
2 沖縄県 赤松 隆行 2’04”80 4’10”42 5  
3 宮城県 三塚 和彦 1’55”19 3’50”61 2 ⇒準決勝へ
4 長野県 杉村 篤 1’57”45 3’50”98 4  
5 愛知県 渡辺 摂 1’54”99 3’50”82 3 ⇒準決勝へ

成年W4+
強豪ぞろい

正直言って「キビシ〜!!」という組み合わせ。なんか嫌がらせされてるんじゃないの?と卑屈にならずに一つでも上位を、という意気込みで臨んだ予選でしたが、他艇に遅れ良いリズムを出すどころではなかった感じ。京都が明生に勝ったのはちょっと意外。でも明生も思ったほどは・・・。タイム的には、他の組で予選上がったクルーの一部よりも速かったけれど、それは結果論。インカレ後の練習量が物足りない状況でのレースということもあって、クルーのまとまりを出すことは難しかったのかも。男子フォアもそうですが、混成の難しさを痛感させられた初日でした。

W4+リギング風景  W4+いざ出艇


lane 都道府県 クルー名 500m 1000m 順位 備考
39
9/9
15:04
予   選
B組
1 北海道 ダイカ 1’55”15 3’53”29 4  
2 長野県 長野選抜 1’58”46 3’57”39 5  
3 京都府 京都選抜 1’51”43 3’44”59 2 ⇒準決勝へ
4 愛知県 中部電力 1’49”70 3’39”48 1 ⇒準決勝へ
5 東京都 明治生命 1’52”28 3’46”85 3 ⇒準決勝へ

というわけで初日のレースは終了。それにしてもよく降る雨だなぁ・・・。今日はあまり放流してなかったみたいだけど、明日以降はそうもいかないのでは?・・・とちょっと心配。

結果はイマイチの初日でしたが、これから勢いを盛り返すゾウ!ということで、宿の夕食をキャンセルして、女子フォアの皆様と寿司ツアーに出かけました。いやぁ、それにしても良く食ったっす。満腹


9月10日(日):競技第2日目<敗者復活・2次予選>

昨日予選を上がった成年男子フォアも含めて全クルーがレースありという2日目。今日も朝から雨。は〜ぁ・・・

少年M4+
僅差、僅差、僅差・・

予選結果からして、競り合いになるのは必至。実際も500mまでダンゴ状態。島根は抜け出した後の敗復通過枠の猛烈な争いで目の離せない展開となった。結果、長野は4位。しかもこれまたコンマ差の敗北。実力を出し切れなかった、というより、こういう場面で競り負けてしまうというのが今の実力だと謙虚に受けとめなくてはならないだろう。そしてそれはたぶん他の長野県勢にも・・・


lane 都道府県 クルー名 500m 1000m 順位 備考
63
9/10
10:40
敗者復活戦
A組
1 島根県 島根選抜 1’42”72 3’26”49 1 ⇒準決勝へ
2 高知県 高知選抜 1’44”10 3’32”01 5  
3 長野県 長野選抜 1’43”26 3’29”13 4  
4 大分県 大分選抜 1’43”46 3’28”95 3  
5 宮城県 石巻工業高校 1’43”59 3’28”76 2 ⇒準決勝へ

M4+出艇 成年M4+
調子はようやく上向きに

組み合わせ的には、準決勝進出は問題なしと予想。応援団の方は昨日、北海道関係者から「茨戸RCは北大の対校メンバー主体で速いですよ」という情報を吹き込まれたらしく不安顔(確かに北大クルーは昨年ちゃっかり決勝行ってるしね・・)。ただ、学生対決ならば長野のメンバーの方が格段に上との読みは間違ってはいなかった。スタートから中電との一騎打ちの様相を呈し、500mは1艇身強の遅れ。後半粘ったものの、相手を見ている余裕につけ込むことができずそのままゴール。レース毎にイイ感じは出てきているが、実業団相手ではまだまだ勝ちをもぎ取るところまで届いていない。前半からの積極性も準決への課題となった。

しかし・・・準決の組み合わせを見てびっくり。なんと中電&東レとの対決が確定。他の組を見ると、・・・さらにムカつく気持ちを鎮めるのに苦労した。実力で決まった組み合わせとはいえ、ことごとく運がないなーとさすがに思ってしまったよ・・・

とにかくいずれは対戦する相手、と割り切って一泡吹かせるしかないですね。がんばっ手!


lane 都道府県 クルー名 500m 1000m 順位 備考
84
9/10
15:50
二次予選
H組
1 北海道 茨戸RC 1’41”91 3’25”65 3  
2 愛知県 中部電力 1’37”28 3’18”01 1 ⇒準決勝へ
3 長野県 長野選抜 1’39”92 3’20”67 2 ⇒準決勝へ
4 愛媛県 愛媛選抜 1’43”27 3’28”22 4  

成年M2X
準決勝進出もタイム伸びず

フォアと同様、敗復通過は順当と思われたため、内容の問われるレースとなった。が、トップを奪えず僅差の2位。タイム的にも伸びなかった。レートは上がっているのだが、有効レンジが短く、スカスカしているように見える。もう少し落ち着いたレートでも同じ艇速は出ると思うのだが・・・コンスタントで余裕が持てないと、予選の競り負けを繰り返すことになりそうだ。


lane 都道府県 クルー名 500m 1000m 順位 備考
70
9/10
11:50
敗者復活戦
B組
1 北海道 札幌RC 1’53”28 3’48”24 3  
2 長野県 長野選抜 1’50”85 3’42”82 2 ⇒準決勝へ
3 福岡県 新日鐵八幡 1’51”21 3’42”61 1 ⇒準決勝へ
4 山梨県 北陵RC 1’52”59 3’48”83 4  

成年M1X
準決勝進出で1歩前進

実力的に互角と思われる地元の水本をマーク。持ちタイムでは敗復落ちはないだろうと自信を持っていたが、そこは本国体、福岡の藤本が捨て身の前半スパートで食らいついてきた。予選の経験から後半自信を持った杉村選手は、今日もイイ感じでスパート。前半の2秒差を0.2秒まで詰めたものの差し切れず2位ゴール。自身のシングルスカル出場では初となる準決勝進出を決めた。自分の実力をこれまでの国体の時よりもうまくレースで出すことができたのは大きな進歩。


lane 都道府県 クルー名 500m 1000m 順位 備考
79
9/10
14:30
敗者復活戦
A組
1 沖縄県 赤松 隆行 2’01”57 4’16”90 4  
2 長野県 杉村 篤 1’57”64 3’56”53 2 ⇒準決勝へ
3 富山県 水本 孝志 1’55”63 3’56”30 1 ⇒準決勝へ
4 福岡県 藤本 康人 1’55”40 4’00”62 3  

成年W4+
屈辱の・・・

予選の持ちタイムが中途半端で、組み合わせ的には油断のできない顔合わせとなった。予選で負けているダイカがいることを考えると、館林に勝つことが絶対条件。学生の混成という点で、同じ条件のハズ。選手個々の力は長野の方が上、と信じるものの、選手の一部が相手に対して不安を口にしているのが気になった。
レースは、予選に比べると全体のまとまりもあって良くなっているようには見えた。ダイカとの差も予選よりずっと詰まったが、館林のまとまりの方が上で、結局届かず3位。まさか?の敗復落ち


lane 都道府県 クルー名 500m 1000m 順位 備考
77
9/10
14:10
敗者復活戦
A組
1 福岡県 福岡選抜 2’05”11 4’13”59 4  
2 北海道 ダイカ 1’55”61 3’53”35 2 ⇒準決勝へ
3 群馬県 館林RC 1’56”87 3’53”05 1 ⇒準決勝へ
4 長野県 長野選抜 1’57”64 3’55”18 3  

それにしてもフォアが2つも終わってしまふとわ・・・天野先生はさっさと荷物をまとめて帰ってしまうかなーと思ったら、今夜は泊まるみたい。

9月11日(月):競技第3日目<準決勝>

最終日を懸けた正念場。今日も雨。ダムも放流しているようだ。

成年M1X
ベストは尽くしたけれど

相手はすべて大学生。しかもトップレベルの。せめて柳橋には食らいつきたいという思いだったが、やはり厳しいレースとなった。トップとは前半も後半もコンスタントの艇速が全く違うことを痛感させられただけ。格の違いに後半の追い上げ云々の議論はまったく意味をなさず、4位でゴール。おつかれさま

それにしても、予選で僅差だったトヨタの渡辺選手がなんと決勝へ。うーむ、スゴイとは思うけれど、納得しかねるものがあるなぁ・・・(たぶんそう思っているヤツは他にもいるだろうね)。
「勝負の世界は時として意味不明である」


lane 都道府県 クルー名 500m 1000m 順位 備考
107
9/11
13:00
準 決 勝
A組
1 埼玉県 柳橋 孝志 1’45”13 3’36”42 3  
2 長野県 杉村 篤 1’49”41 3’47”15 4  
3 山口県 西村 好道 1’43”62 3’31”59 2 ⇒順位決定へ
4 愛媛県 矢野 彰男 1’41”53 3’30”17 1 ⇒決勝へ

成年M2X
入賞のカベ

地元国体で気合い入りまくりの富山と、ここ数年入賞に常に絡んでいる愛媛、そして予選僅差の宮城。厳しい組み合わせだ。愛媛までは射程内と思いたいところであったが、どうしてもリードを奪えない。宮城も踏ん張って結局届かず長野は4位。この種目4年連続の準決勝敗退となった。岩波さん、おつかれさまでした。また頑張りましょね


lane 都道府県 クルー名 500m 1000m 順位 備考
109
9/11
13:20
準 決 勝
A組
1 宮城県 宮城選抜 1’38”26 3’20”86 3  
2 富山県 富山選抜 1’37”26 3’18”43 1 ⇒決勝へ
3 愛媛県 愛媛選抜 1’39”12 3’18”73 2 ⇒順位決定へ
4 長野県 長野選抜 1’39”58 3’21”81 4  

成年M4+
この組み合わせ・・なんとかならない?

組み合わせに文句を言っても仕方ないので、一発大逆転の勝負を賭ける!

スタートから中電が頭一つリード。長野は東レを抑え、前半を2位通過。さすがにもう後がない土壇場でクルーの集中力も高まっているようだ。水中の迫力は実業団以上だ。ラスト200m、東レの激しい追い上げ。レート42。一方の長野はレートが上がらず38のまま。それでも艇速は互角。トップボールを前後させながら、中電に迫る。ゴールは3艇ほぼ同時という熾烈なレースであった。

結果は、1位中電、2位東レ。長野は東レと0.4秒。トップとは0.7秒。悔しい。他の言葉が出てこない・・・

それにしても、他の組のタイムを見て愕然としてしまった。(4組とも同じ時間帯のレースだから、コンディションもほぼ同一) 総合タイム順は、中電、東レ、明生、長野の順なのだ。この組の争いがいかに熾烈だったかを物語っていると言えよう。結果は結果だから、それをどうこういっても始まらんのは百も承知なのだが・・・・


lane 都道府県 クルー名 500m 1000m 順位 備考
114
9/11
14:10
準 決 勝
B組
1 静岡県 静岡県選抜 1’37”92 3’26”90 4  
2 愛知県 中部電力 1’34”79 3’13”05 1 ⇒決勝へ
3 長野県 長野選抜 1’36”05 3’13”74 3  
4 滋賀県 東レ滋賀 1’36”76 3’13”31 2 ⇒順位決定へ

というわけでなーんと!長野県勢は最終日を待たずして全レース終了。最終日に残れないって・・・うーん、少なくとも僕の記憶にはないゾウ?! と思って岩波さんに「国体で長野が最終日に残れなかった年ってありましたっけ?」と聞いたら、「うーん、オレの覚えてる限りではないような気がするなぁ。オレがブロック予選で沈して沖縄行けなかったコトはあるけど」とのこと。これはひょっとして久々の快挙(^^;? ・・・ というか、何年ぶりとかいう話よりも、これだけの選手を擁しながら1つも残れなかったショックの方が大きいなぁ

というわけで夜の打ち上げはタイヘンなことになっていた模様です・・・


9月12日(火):競技第4日目

前代未聞の!!!

それは朝6時前だったでしょうか・・・宿のオヤジさんは、なぜか大会本部からの電話を僕の部屋に回してくれる。まあ、それはいいんですが、半分眠りながら電話を受けたものだから、最初は事態が飲み込めず「ん?ナニナニ?全レース中止?そうですか。むにゃむにゃ〜」といった具合。よくよく聞くとタダゴトではないらしい。慌てて青木さんの部屋に連絡。状況がまだよく分からないため、とりあえず代表者会議には青木さんが出向くことになった。

代表者会議で発表された内容は、おおよそ以下の通り。
「本日予定されていた、決勝・順位決定の全レースは、コースの増水によるダム放流量が、安全基準を超えたために中止を余儀なくされた。

大会初日から降り続いた雨は、皆様もご存じのとおり昨晩は東海地方を中心に甚大な被害をもたらした。富山県地方も、雨による神通川水系の流量増加が認められ、昨晩より1300t/sの放流を行っていたが、水位の増加は12日朝も続いている状態とのこと。施設の安全面からはレースの運営が可能な放流量は600t/sとのことであったが、今朝の段階で700t/sとなっている上、コースのブイなどの施設も流失しており、レースの開催は不可と判断されたとのこと。

なお、この判断に伴い、成績は決勝進出クルーはすべて1位扱い。また順位決定戦進出クルーはすべて5位扱いということで種別および総合の得点を算出するとのこと。」

こんな話は前代未聞。台風による日程繰り上げや渇水による開催時期延期という経験はあるが、決勝中止は大会史上初だろう。正直言って、最終日に残れなかったことが、こんな形で締めくくりになるとは全く予想外の展開。最終日に残ったクルーもこれではやりきれない思いだろうなぁ、とは思うものの、なんともやり場のない戸惑いだけが残る結末であった。

ニュースでは東海地方の水害が大々的に報じられており、帰路の41号線も山間部は危険と判断。長野県選手団は、会場の荷物を回収してすみやかに上越経由で帰ることになった。

会場に着いてビックリ。コースは濁流。ブイは跡形もなく、レースの開催は一目見てムリと分かる状態。「こりゃダメだね」ということで土砂降りの中、荷物を積み込んだ。それでもちゃっかりお土産販売の各ブースはオープンしていて、売れ残りのグッズの販売に必死の様子。そりゃそうだよな、売れなきゃもう売る機会ないもんね(特に国体ローインググッズはね)。

帰路は、会場でお土産を買いたいという女子フォアメンバーを便乗させて富山ICから高速に乗った。親不知付近はものすごい雨で視界不良。マイッタ・・・
上信越道に入ってだいぶ落ち着いたかに見えたが、犀川は溢れんばかりの様子で、無事に戻って来れてヨカッタ〜。

それにしても高速道路の上越経由は、遠回りの一言に尽きるね。距離で比べれば安房峠経由の倍だもんねぇ・・・・いくら運転が楽だっていったって時間も金もかかるんじゃ全然割に合わないっすよ、と改めて実感した次第でありました(どうしてこんなコースで行こうと思うだろう?>ふぢもりさーん)

ということで今年もなんとか終わりました、国体。
チームの雰囲気は悪くなかったのに、結果と波乱の結末が残念ではあったけど、そういう経験も貴重なのかなーとあくまでもポジティブに捉えるよう努力、努力。

きっとこれからいいコトありますように!いやあるはず!みなさま、お疲れさまデ・シ・タ。


ホテル「のぼるや」玄関にて
成年男女フォアの面々+杉村選手+ひらばやし@雑用係
夏季国体総評

競泳辛うじて入賞3
〜県勢低迷 4年連続得点減〜

 第五十五回国体夏季大会「2000年とやま国体」夏季大会(9−12日・富山県)の県勢は、男女総合(天皇杯)で46位と低迷した。一昨年が10、昨年は6つあった入賞数はわずか3。シドニー五輪でトップ選手が不在にも関わらず参加得点を除いて県勢が獲得した点数は過去最低水準の7点で、これで4年連続の減少となった。
...<中略>...

 ボートは,入賞を重ねて種別得点を目標にした成年男子を含め、1艇も入賞できない惨敗に終わった。社会人と大学生の混成で臨んだ成年男子かじ付きフォアは、実業団クルーと互角に戦う健闘だった。だが、普段から一緒に練習している実業団に対し、合同練習が十分にできないのは致命的だ。成年女子、少年男子かじ付きフォアが力を出し切れぬまま敗退したのも悔やまれる。・・・<以下略>

[2000/9/14付 信濃毎日新聞 より]

国体を終えて
信毎の講評を酷評する? 〜がんばるゾウの国体いんぷれっしょんず〜

「惨敗」といわれればそのとおり。返す言葉もない。ただ、そうなった背景をもっとしっかりと掘り下げて、選手層の拡大につながるような前向きな書き方ができないものか? いたずらに入賞数や天皇・皇后杯得点に一喜一憂するような内容の薄い記事や総評は, 読んでも「ああ確かにそのとおりだなぁ。これからはもっとがんばらねば」という気持ちにはならないよ・・・
以下、これを読んで強く感じたことについて2点ほど述べたい。

まず国体に偏った思想(国体偏重主義?)が、記事の端々から読みとれるということ。「オリンピック選手不在で入賞増が期待できたはず」という発想も正直言って情けない。「鬼の居ぬ間の・・」的なやり方で得点を稼いで何の意味があるのか? そして、大事な点に触れてないのでは? オリンピックよりも国体で点を稼げというなら、長野には確実に得点できる選手がいることを。しかしもちろん、その選手が国体「ごとき」のために五輪を捨てるなどと言うことは天地がひっくり返ってもないだろうと言うことは、誰もが容易に想像できるはず。ナゼって?聞く方が野暮じゃないのかなぁ(笑)・・それを棚に上げての総評のコメントは納得しかねるものがある。自分たちの至らぬ点を棚に上げたような書き方で恐縮だが、こういうスタイルや考え方(国体偏重)からはいい加減に卒業すべきではないだろうか? 選手も、マスコミも、そして体協もね・・・

もう一つは「混成クルーは実業団に比べて練習時間が確保できないのが致命的」という点。
もしこれがホントであれば、メンバーの所属がバラバラのクルーが国体決勝に進出することは、もはや不可能なはず。しかし実際の答えはノーだ。実業団よりもはるかにクルーとしての練習時間確保が難しいはずのクルーが、ここ数年毎年決勝に進出しているからだ。もっとも女子フォアでの話だが・・・しかし実業団と互角以上に渡り合っているという点では男子以上に厳しい環境でもこういうクルーがいるということを、しっかりと心に留めておくべきだろう。

繰り返しになるが、今年の成年男子フォアは、今の長野県で考え得る最高のメンバーを揃えることができた。それが入賞という結果に結びつかなかったのは確かに残念であったし、関係者にとっては予想外の結果でもあった。しかしその敗因は単純に練習時間だけでは議論できない。

この問題は、同時に長野県におけるボート競技の位置づけとも深く関係している。そもそも実業団や大学チームなど、日本のボート界においてもっとも中心を支えているレベルの団体が長野県には存在しない。そのような環境では、必然的にボートの競技力向上というと、すぐに国体と結びつけられてしまうのである。しかし国体(のボート)は、確かにレベルは高くなっているものの、世界を視野に入れた本当の意味での強化には必ずしも必要ではないと考える。このようなレースを年間の最重要レースと位置づけて取り組まねばならない今の状況(たぶん似通った状況の県は他にもあるはずだ)は、競技人口の減少と相まって、見直すべき点が多々あるように思われる。最たる例は、選手の強化も、ハード・ソフトの拡充も、すべてが国体での得点獲得を前提に県体協からの補助で賄われている、という点だろう。

県の貴重な予算を割いていただいている立場でありながら、こういうことを書くのは失礼だと言われても、あえて書きたい。「そんなに国体で点を稼ぎたければ、選手はもちろんのこと、指導者も県ボも、そして県体協も、もっと視野を広げるべきだ」と。

・今回の長野県勢の印象
県チーム全体として

今回のレースを見ていて一番気になったこと。それは競り合いのレースが非常に多かったということ。そしてその競り合いをことごとく落としてしまったということである。たぶんそれは今の長野の実力を象徴しているという見方もできるのでは? 成年・少年、また男女を問わず競り合いの駆け引き、集中力という点で、何が足りなかったのか、よく考える必要があるだろう。競り合うというのは、トータルとしての艇速にはほとんど差がないということ。その中で勝負を自分たちのモノにするという意識・感覚を磨く努力は十分だっただろうか? 「最後に追い込んだけれど惜しくも・・」で満足している部分はないだろうか? そんな気持ちでは勝てなくても仕方ない、いやむしろ勝てなくて当然という気がする。

厳しい書き方をしたが、ボートに対してひたむきな若い選手からベテランまで、素晴らしい才能を秘めた選手が長野県には揃っている。それをみんなでお互いに盛り上げ、国体というちっぽけな枠ではなく、広く大きな世界でローイングに取り組み、携わり、そして活躍できるよう努力したいものである。

以下、今回の長野県選手団、そして出場各クルーに対する個人的なインプレッションです。かなり勝手なことを書いてますが・・・あくまでも外から見たクルーの印象ということでご理解を。コメントに対するご意見は受け付けます。

成年M4+

個々の実力は、98年のクルーと互角以上のメンバーが揃った。強豪中央大の主力+新鋭にナショナルチーム経験もある明治大の金子。今や地元で実力トップの牛山という顔触れは、豪華の一言。しかし日常の練習がほとんどできない学生+社会人の混成クルーは、本番のレースの中でクルーとしてのまとまりを築いていかざるをえない。今回も予選では、なかなか思ったようなイメージが表現できず、正直言って準決勝の実業団との対決が決まって尻に火がついたような印象もある。この集中力が、もう少しでも早く発揮されていれば・・・というのは後の祭りだが、準決のタイム順位は、このクルーの真の実力に限りなく近かったはずだ。

今回はクルーの編成にあたり、比較的早い時期から戸田での乗艇を行うなど、それなりの対応をとってきた。ただし、インカレまでは学生が国体に(気持ち的に)集中できないのも事実で、その分、社会人の牛山との意識のギャップがあったように思われる。(どちらの考え方が良いとか悪いとかいうことでなく、同じクルーとして合わせようとするベクトルが、必ずしも最大限の効果を生み出す方向を向いていなかった、というように僕の目には映った)

インカレ後も、なかなかシートが確定せず、結局今井の整調を交代せざるを得なかった判断は、ある意味で焦りがあったという見方をされても仕方ないのかもしれない。

県内に実業団を持たず、地元で漕ぐ社会人選手がなかなか増えない現状を考えれば、ここしばらくは今年と同じような編成でフォアに臨むことになるだろう。今回も活躍した中央大の柿沢、今井はともに来年も出場が期待できるし、明治の1年生・両角だいちゃんもインカレフォアで準優勝など将来性豊かだ。この他にも長野出身で大学でも漕ぎ続けている選手が多数おり、そうした選手と総合的に連携を取って雰囲気を盛り上げる取り組みも有効だと思う。その時に学生と社会人がスムースにクルーを組めるようなシステム作りは今後の長野県ボートのあり方を決める重要な要素となるはずだ。

成年W4+

技術的には今シーズン、みんなスカルを漕いでいたこともあり、スイープとしてのレベルもそれほどヒドイものではなかった。(むしろスカルが漕げたことでサイドのバランスも大きな問題とはならなかった)ただ最終的には、漕歴の短い1年生がもう少し水を押せれば・・とレースを見ての正直な印象でもある。小山はパワーもあり、スカルでの水の押しは非常に良いものを持っている。これがスイープで十分表現できるところまで漕ぎ込むには時間が少なすぎた。松崎はむしろスイープ慣れした選手で、体格的にも恵まれているが、パワー面とストロークのボディコンビネーションが他の3人と明らかに差があり、クルーとして「同じ水を押す感覚」の表現が難しかったと思われる。

個々の意識レベルは決して低くない、いや、むしろかなり高かったと思う。10数年ぶりというブロック予選通過は、その意識がなければ果たせなかっただろう。しかしその気持ちをクルー全体のものとして、一つにまとめてレースに臨めるだけの練習量が確保できなかったところに「ハイフク落ち」に終わってしまった要因の一つがあるのではないだろうか。
実際に大会前から数々の不安要素はあった。選手のケガで練習が思うようにできなかったこと、経験のない選手を起用せざるを得なかった状況など、「なんとかなるさ」だけでは克服できない部分にあえて目をつぶったのだから当然の結果という厳しい見方もできる。そういう意味で今回の結果は成年女子フォアというチームとして、まだまだ足りない部分があったということだ。しかし甘い認識を捨てるいいチャンスとも言えよう。悔しい思いをすることは大事なことだ。次へステップアップはそこから始まるのだから。

各メンバーはそれぞれ非常に魅力のあるオアズパーソンだと思う。それだけに今回の「悔しさ」という経験を、これからの糧にして欲しい。

最後に、町民レガッタから突然の抜擢でコックスを務めた小口選手であるが、周囲の無理な要求にも良く応えてくれた。厳しい駆け引き・勝負の世界に放り込まれたプレッシャーは大きかったと思うが、「もうこんな思いはゴメンだ」と思わずに、ボートを楽しむという原点を忘れずに頑張ってほしい。

成年2X

ここ数年、メンバーにほとんど変動のない諏訪湖の成年勢。牛山選手が学生とのフォアで出場ということで、スカルは残った地元勢でということで比較的スムースなクルー編成ができた。この年になっても現役一線で活躍を続ける岩波選手については、多くを語る必要はないだろう。このような「元気なベテラン」が全国でもあちこちに増えてきていることは、素晴らしいことだ。ペアを組んだ北澤選手もベテランの域に入ってきたが、経験に裏付けられたここ2,3年は安定感が出てきたように思われる。

とはいうものの、入賞を確保するには、厳しい競り合いに負けない「タフ」さが今一歩だったか・・・ 

成年M1x

地元の成年勢として地道に練習を積み重ねている杉村であるが、シングルで久々の本戦出場となった。今年は他のメンバーとフォアなどで各地のレースに積極的に参加し、多くのレース経験を積もうという姿勢には非常に好感が持てた。というよりも実際のレースでも以前は見られなかったタフな面を発揮し、これまで突破できなかった準決勝への壁を乗り越えることができた。

しかしシングルスカルの全国レベルは高く、体力だけでなくスカリング技術・メンタル面でも非常に高いものが要求されるようになっているのもまた事実であり、それらに比べてまだまだ足りないものも多い。かつては長谷、小日向などの強豪の指定席だった北信越ブロックも、最近は他県のレベルはそれほど高くないため、本国体切符はそれほど難しくなくなった。そのレベルに甘んじずに、いかに高いレベルを意識できるか? 来年のチャレンジに大いに期待したい。

少年M4+

部員減少で各校ともクルーの編成にさえ苦労する中で、健闘し今年も本国体の出場権を獲得した少年男子フォア。春先から着実に力をつけて、最後の国体では全国の強豪にも決して見劣りしないクルーに育った。天野先生の地道な指導の賜物といえるだろう。もともと長野の高校生は、ずば抜けた実力のスター選手ではなく、クルーとしてのまとまりで勝負してきた。(岩波さんや岩本のようなケースの方が稀だと思う) そういう意味でジュニアの取り組みはシングルスカルよりもダブルスカル、好ましくは付クオドを主力としていくべきだと考える。(決して小艇をないがしろにするという意味ではないので誤解なく・・)来年からの全種目スカル化で、種目間のコンバートも容易になる。このメリットをうまく活かし、少数でも最大限の効果を生み出せる選抜システムを検討できないものか?

以上,がんばるぞう@とやまは大雨 がお届けいたしました
(この特集おわり)


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