<--証拠写真!
それは忘れもしない天竜への遠征初日の出来事でした。初めてクルーを組んだ私とまどかは全国選抜大会の補欠で、静岡につれていってもらったんです。会場に着いて、練習の準備をしてから出艇しました。私、初めての遠征でウキウキしちゃって...(^^)。最初の「事件」はここで起こったのです。艇を桟橋に運んで、まどかと2人で張り切って「蹴り出そう、1,2,3!」と岸を蹴ったところまではカンペキ!だったはずなのに〜。艇の上に居たのはまどかだけだったんです! え?私はどうしたのかって...聞かないでくださいよぉ(^^;。どうもウキウキしすぎてクラッチのピン、締めてなかったみたいデス。おかげで水も滴るイイオンナになっちゃいました。ブルブル。ちなみに冷たかったのは水じゃなくてまどかの視線でした。すでにクルー崩壊の危機? どーしよー??
でもって、こんなことでめげてはダメだと自分に言い聞かせたまりりんは、気を取り直して再チャレンジしたのでありました。いきなり沈した後ということもあって、最初はぎこちなかったんだけど、だんだん気持ちよく漕げるようになって...油断しちゃったんですね。突然の横風に2人の体が傾きました。整調のまどかが必死に耐えているのはわかったんですが、私ったら...あっさりとオールを手から離しちゃったんです。「沈したくなかったら、死んでもオールを離すな」っていう天野先生の忠告も忘れて...気がついたら2人とも水の中でした。救命具ですか?もちろん積んでましたよ。でもよく見ると黄色の浮き輪は遠くでプカプカ浮いているじゃないですか(この役立たずぅ〜!)。
出発前にコーチから「雪解け水は冷たいから、3分で死ぬぞ!」って脅されてたので「どうしよう??」って....でもそのうちに
まどか:「ねえ麻里、そろそろ3分たったかなぁ?」
まりりん:「うん、まだ生きてるねー。でも冷たいよー(ブルブル)。誰かああああ...」
結局10分くらい浮かんでいた気がします。幸い岸で見ていた人が見つけてくれて、モーターボートを出してくれたので助かりました。天野センセイには心配かけちゃったナ。ゴメンナサイ...。
ひっくり返った艇を引き上げてみると、船体に見事な大穴が空いているじゃないですか! おかげで私たちは天竜にいる間ずっと乗艇できなくて、毎日ランニングとエルゴになっちゃったんです。
みんなに心配をかけたことを深〜く反省した私たちは、再び気を取り直して(立ち直りは早いんです)、今度は先輩達の出艇のお手伝いをすることにしたんです。私はK倉センパイのスカルを運ぶことにしました。艇を出すだけなら大丈夫...なはずだったのにぃ。後ろを向いてスカルを運んでいた私の足下に桟橋はありませんでした。大自然(Newton)の偉大なる法則に従って、私はそのまま水の中へドボーン! ざばっと顔を出して上を見上げると、K倉センパイが唖然とした顔で....もー、とっても恥ずかしかったデス。
三たび気を取り直して(何回気を取り直せばよいのだろう?)、着替えようとしたんですが、もう着替えがない!ことに気づいたのです。(だってこんなに落ちるなんて夢にも思っていなかったんだもーん) しょうがないので、すぐ近くに転がっていたTセンパイのジャージを無断借用しちゃいました。ちゃんちゃん。
それにしても3回も落ちるなんて...でも3回落ちたのは私だけなんです。かなしいかなしい初体験でした(;;)
さあ次回は舞台を諏訪湖に移します。そろそろネタ切れ?...そんな心配はいりませんよ。乞うご期待デス
...といいつつ、更新が滞っております。作者の気が向く日までしばしお待ちを...(98/02/16)
当時の様子を下鳥まどかさん(18)に語っていただきました。
[おことわり:下の写真ははめこみ画像です。]
麻里とダブルを組んで、最初のレースが(諏訪湖)ロングレースだったんですよ。で、大会前日に天野先生から「出漕クルーはそれぞれゼッケンを準備するように」って言われたんですが、私たちは初めてなのでゼッケンなんか持っているわけがない...「私、ゼッケンに使えそうな布持ってないし...」って思ってたら、麻里が「じゃ私が作ってくるぅ〜!」って妙に張り切っているので任せることにしたんです。それから麻里は先輩達に「ゼッケンってどんなふうに作るんですかぁ?」と聞いて回っていたんですが...その時からイヤな予感してたんですよ、実は(笑)。
U松先輩は「サイズはこのくらい..で、学校名と県名をここに書くの...云々」と丁寧に教えてくれるんですが(さすがぶちょー)、K倉センパイなんか調子に乗っちゃって「そうそう、で、クルー名の下には何を書いてもいいことになっている..」とか、K西センパイも「例えばさ、レースへの抱負とか、イラストとか何でもいいんだヨ...」ていう具合で... いくら麻里でもそれが冗談だって分かるだろう...そう思っていた私がバカだったんですね。
翌朝、早速麻里が飛んできて「ねえねえ、まどか!作ってきたよ」といって見せてくれた「それ」は...
先輩達は「オイオイ、ホントにイラスト入りだぞ」「まじー? がんばるぞうだって、へへへ」とか、ヒドいんです。もう。麻里は「えぇ? ホントは絵はいらないんですかぁ?せっかくうまくできたのにー。」とションボリ。それでも気を取り直して天野先生に見せたら、先生唖然として...目を白黒させてました。(編者注:「いやぁ、オレには宮坂の思考回路がわからん」と後で呟いておられました)
で、肝心のレースなんですけど、波が高くて中止。おかげで私たちの華々しいデビュー計画はご破算。しかもその年から公式レースのゼッケンがいらなくなって、このあとゼッケン使う機会がなくなっちゃったんです(;;)。
結局、このゼッケンがデビューしたのは翌年のロングレースでした。周囲の目はも・ち・ろ・ん、私たちに釘付けでしたよ。