第13回 中部高校選抜競漕大会

〜清陵男子ダブルスカル,0.17秒差で全国逃す〜

長野県勢の全国切符はゼロ...


 中部高等学校選抜競漕大会が、10/9,10に開催されました.今年度から長良川コースで開催されることになった全日本新人選手権との併催で,最大9ハイの見応えあるレースが繰り広げられました.今回,諏訪清陵からは,男子シングルスカル2クルー,男子ダブルスカル,女子シングルスカル各1クルーの計5名が出場しましたが,男子ダブルスカルのみ決勝進出し,シングルスカルは厳しい結果となりました. 男子ダブルスカルは,予選は八尾との競り合いを制し,トップ通過.決勝で富山県勢を抑えての来春の全国選抜出場権を狙いましたが,ゴール直前で八尾高に逆転され総合5位(北信越3位)となり全国選抜出場権を逃してしまいました.(詳細後報)

|| 全レース記録(長野県ボート協会サイトに掲載) ||

清陵クルーのレース経過など

男子ダブルスカル(S:増山岳人[2年] B:宮坂一生[2年]):

<予選>他県勢の実力が全く未知数のため,とにかく自分たちの漕ぎに集中する事を確認.いざスタートしてみると,予想外の好位置をキープ.2人のリズムのズレは気になるものの,それでもトップ争いをしているので,「んー??」という感じ.中盤過ぎも安定したコンスタントが表現できているためか,八尾を突き放し単独トップ.終盤追い込まれたものの逃げ切って1位でゴール.諏訪湖では辛うじて50秒切れるかどうかというタイムだっただけに,選手もコーチも半信半疑?のレース展開だった.
 もともとスカルもスイープも漕げる器用さは持っていたが,超軽量(平均体重58kg.これじゃ女子でも軽量級だ)の軽快なスタートと,1週間前から乗り換えたフィリッピ艇がしっくりきているようで,微順風・微順流のスピードレースでそのメリットが発揮されたのかもしれない.とにかく平均身長で15cm,体重で16kgも違うクルーに競り勝てたという自信が何よりの収穫であった.

<決勝>目標の全国切符は2枚.これをどうやら富山県勢と争う展開となりそうだ.(今回は福井2xがそれほど早くないのが幸いした?)競り合いになったところで気持ちで負けないこと,をポイントとした.スタートは上々.しかしさすがに圧倒的なリードがもらえるほど甘くはない.それでも予選で3'10"台を出している東海勢(新居,宮川)に食らいつき,前半は狙い通りの展開である.
 北信越勢は400m過ぎまで八尾が半艇身ほどリードして3位であったが,ここでやはり中盤ダレるのか清陵と大沢野が抜いて3位争いとなる.ミドル過ぎで大沢野がさらに加速.宮川を追って北信越の3つ巴から一歩リード.八尾は相変わらず600m以降は元気がない.清陵はとにかく必死に八尾から逃げるのみ.800mを過ぎて八尾が動き始めた.清陵は中盤を良い感じで踏ん張ったが,その分疲れている.徐々に八尾との差は詰まる.ラスト50mでその差はわずかに数10cm.ストローク毎にトップボールが前後する.ゴールはほぼ同時で,勝負の行方は結果発表までお預けとなった.
 私の目にはゴール直前まで清陵が僅かにリードしているように見えたが,選手は差されたのではないかと言う.ほどなくアナウンスされた結果は,僅差の5位.その差0.17秒.八尾に差されて全国切符を逃した.
 悔しい負け方とはいえ,当初は予想もしなかった善戦と好タイムは大きな収穫であった.僅かなところで全国を逃した悔しさも,来シーズンへの発憤材料として捉えれば決して無意味ではないだろう.来年は,夏にこの借りをキッチリお返ししてあげやうね.>がく&いっせーくん

男子シングルスカル(小泉浩平[2年],三井久士[1年]):

M1X:小泉 少数精鋭(??)を誇る今の清陵端艇部において,おそらく最も力のある小泉.その彼がシングルスカルでチャレンジする相手は,北信越では小浜水産・平野,八尾・岡本,また東海は旭丘の森島・中江コンビなど,先輩の下鳥選手とも戦ってきた経験豊富な選手達である.レースでは,その「経験の差」をまざまざと見せつけられる結果となってしまった.レースに向けたコンディショニング.相手との駆け引きなど,シングルスカル独特の「経験」が小泉にはまだまだ足りない.タイム的に見ても,他の県勢が諏訪湖での新人戦に比べて15〜20秒近くタイムを縮めているのに対し,3分48秒は(諏訪湖のタイムを10秒縮めたに過ぎず)納得いかない出来.長良川の流れとレース時の微順風を考えれば40秒前半は出そうであったし,そうでなければライバルと勝負にならないことも明らかであった.しかしこれから来年にかけての小泉の成長はまだまだ期待できるはず.自信を持って冬を乗り切って欲しい.

 三井は,中学時代はコックスの経験者.「自分で漕ぎたい」という意志を持って清陵端艇部に入ってきたキレモノの1年生である.パワーもテクニックもまだまだ発展途上だが,県内ではライバルを抑えて見事この大会への出場権を獲得した.全国のレベルを肌で感じたことで,これをステップアップの材料として欲しい.いろいろ研究してね.

女子シングルスカル(中山理沙[1年]):

中山も,夏までは女子フォアのコックスであったが,やはり「漕ぎたい」という気持ちを持って新人戦に向けてシングルスカルに取り組んできた.体格的にはリーチが短いもののパワーはある.まだ力を水にしっかり伝える感じに乏しく,レースは屈辱的なものであったに違いないが,それをやる気に変えて頑張って欲しい.


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