1999 全日本大学選手権競漕大会

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女子舵手なしペアで 山田 恭子 さん('96卒[99回生]:東北大)見事優勝!

埼玉県・戸田漕艇場において開催された第26回全日本大学選手権競漕大会は夏の戸田を舞台に熱戦が繰り広げられました。
大会結果は,昨年と同様に静岡県ボート協会サイトにおいて全レース記録が公開されておりますので,ぜひご覧下さい

6月の全日本選手権に引き続き,端艇部卒業生や長野県出身選手の華々しい活躍が見られた大会でした.ここではその模様をお伝えします。


[女子舵手なしペア]
99インカレW2-決勝:東北大,歓喜のゴール 6月の全日本女子舵手なしペアで準優勝した東北大学の山田恭子選手('96卒[99回生])が、全日本で完敗した日体大に見事"リベンジ"を果たし、優勝しました。今シーズンは東北大に入学して3年目。シーズン前から目標として掲げていた「なしペアでインカレ制覇」を実現したことになります。

決勝レースは圧巻でした。スタートは、圧倒的なリードを奪って相手を諦めさせようという日体大の先行策が見事にきまり、東北大は500mで完全に水をあけられる展開。しかし、後半追い上げのイメージを最初から狙う東北大はあわてずに第2、第3クオーターで着実に差を詰めていきました。1500m過ぎでついに日体を捉え一気に並びかけると、そのままスパート。前半飛ばした日体はそこで失速してしまい、最後は東北大が逆に日体に水をあける素晴らしい漕ぎでフィニッシュ!

今回の優勝は、東北大関係者にとっても大きな喜びだったようですが、それ以上に国公立大学のボート部にとっても非常に価値ある勝利だったと言えるのではないでしょうか。

99インカレW2-決勝:1900mトップは東北大 それはこの優勝が「国公立・非セレクション大学で唯一」の優勝だったからです。 現在の大学ボート界は、有力チームの偏在、地域レベル差が広がる状況にあります。 とりわけ戸田を拠点とする大学と地方大学、あるいは高校時代に世界ジュニアやインターハイ・国体で活躍した有力選手をかき集める私立を中心とする大学と、そういったシステムの存在しない国公立を中心とする大学との間のレベル差は顕著になってきています。 今回の結果を見ても、地方国立大学(セレクションのある一部体育大学を除く)がメダルを取るということがいかに困難かがお分かりかと思います。

厳しい状況でも諦めることなく,地道なトレーニングを積んで今回の素晴らしい結果を残された山田さんと福原さん(2人とも信毎諏訪湖レガッタへの出場経験あり.だから応援しちゃうのさ?)に祝福の言葉を贈りたいと思います.おめでとうございました.

今回のなしペアでの優勝に満足することなく,よりレベルの高いスカル種目での挑戦という抱負も語っておられたのもすごいですねー.ぜひ頑張って欲しいものです.

[謝辞:この記事の掲載写真は,前東北大学漕艇部監督である榊原章浩氏よりご提供いただきました.どうもありがとうございました.]

【番外編】

きょんきょんのインカレ金メダル Episode I
〜2つの「リベンジ」〜

 山田選手の高校時代最後の大会となった福島国体は,今でも忘れられないレースです.前月のインターハイで決勝に進出し,以来絶好調を維持してきた清陵女子フォアは国体準決勝でまさかの敗退.その悔しさが,彼女に再びオールを握らせるきっかけの一つだったのかもしれません.

 この悪夢の準決勝で1位となって決勝に進出したのは秋田の由利高でした.実は,今回のインカレで破った日体大クルーの1人は,この時の由利高クルーのメンバーだったのです.そう考えるとこの対決にはつくづく因縁めいたものを感じます.
しかも日体大は,6月の全日本で東北大が完敗した相手.今回のインカレは山田選手にとって2つの「リベンジ」を果たした大会でもあったのです.

きょんきょんのインカレ金メダル Episode II
〜勝利の女神??〜

 思い起こせば山田選手と東北大との出会いは,95年のことでした.高校3年の夏,インカレ観戦の戸田で見た東北大エイトは,創部100周年に花を添えるかのような劇的なレースで学生日本一の座を手にしたのです.その印象と感動が彼女の進路にどれほどの影響を及ぼしたのかは定かでありません.しかし,1年のブランクを経た97年4月,彼女は再び東北大漕艇部の扉を叩くことになりました.そしてその年,東北大は男子クオドルプルが常勝日体大を破り,再びインカレで金メダルを獲得しました.さらに翌98年.東北大は男子無しペアで全日本の頂点を極めたのです.そして99年...山田選手は自らの手で大学日本一という偉業を成し遂げたのでした.

そう,ここ数年の東北大金メダルを,彼女はすべて目の当たりにしてきたと同時に自身でもそれを手中に収めたのです.彼女と金メダルとは不思議な縁で結びついているのかもしれません...もしかして勝利の女神??

 さてさて来年はどうなるでしょうか? 今からワクワクしちゃいますねー(^^)


[男子エイト] 関連記事がこちらにあります:日刊スポーツサイトの大学スポーツ新聞特集コーナーより
準決勝に残れるクルーが8クルーという厳しい争いの中で,入賞の常連ともいえる早稲田・慶応の両クルーが敗者復活で敗退という波乱含みの展開となった男子エイト.今回は東北大,東大,鹿児島大など国立大の健闘が光りました.しかしその中にあっても,やはり優勝争いは,私立の2強,中央・日大でした.

6月の全日本で諏訪清陵出身の中村 仁選手[101回生]がコックスを務めた中央大は,今回のインカレではコーチの岡西正明さん[98回生]が現役復帰(?!)し,ホンキで王者死守に懸けてきました.
準決勝までは,日大の仕上がりが良さそうに見えたものの,さすがに経験豊富な中央は,決勝で見事なダッシュで先行.そのまま他クルーを引き離して2年連続の優勝を飾りました.これで岡西選手はインカレ3連覇.全日本とあわせて4つ目の全日本金メダルとなります. 今回は,5年目でのインカレ出場となった岡西選手ですが,2年目の中村選手がこれを超えることができるかどうか....は,まああと2年後のお楽しみ???? (うーむかなり心配です:笑)

その他の入賞選手(長野県関係)
[男子舵手付フォア] 優勝
:山田泰広さん('96岡谷東卒:中央大),柿沢義紀さん('97岡谷東卒:中央大)

え?ひょっとしてこれだけかい? 寂しいなぁ....


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