くまもと未来国体

ここでは長野県選手団の情報をお伝えします。
なお全記録は静岡県ボート協会にあります
9月9日(木):配艇練習
熊本入り初日.早朝,諏訪を発って名古屋から空路熊本入り. 昼過ぎに熊本空港に到着して昼食後,宿舎経由でレース会場に移動した.

レース会場は,昨年('98社会人選手権)とほとんど変わらない様子だったが,配艇場に並べられた黄色いフネの数の割にはスペースが狭いのか,どのクルーも窮屈そうにリギングする姿が目に付いた. もう一点,気がついたのは,500m地点に架かる橋からゴールに向かってレーンの上空を動く物体である.よく見ると橋とゴール対岸の間にケーブルが張ってあり,その「物体」は,ケーブルを伝って遠隔操作されているようだ.「これはもしかしてレース中継用のリモートカメラ?」という予測は見事正解.(後で聞いた話では,長野五輪のスキー競技でも使われた「リニアカム」という実況中継用リモートカメラとのこと.そういえば以前,NHKが五輪特番で紹介していた気がする.) 少年男子フォア

長野クルーもなんとか練習配艇に間に合い,トラックから荷物を下ろしてリギング開始.シングルの高林は,諏訪湖で使っていたサイクスからの乗り換えで,ハイトの調整に苦しんだが,なんとか規格艇の設定値を見いだすことができた.しかし2回も艇を上げてリギングしたため,十分な乗艇時間がとれなかったのが痛かった.この他,ダブルもセンターフィンが曲がっていたのか,艇が直進せず,満足な出来ではなかったようだ.(もともとストローク中に曲がる傾向がある上にフォワードでも艇が曲がっていくとのこと)

調子イマイチの成年勢を後目に少年男子フォアは,なかなか良い感じ.遠目にはストロークも力強く滑りもまずまず.若干タイミングがずれて崩れる時もあるようだが,とにかくクルーの雰囲気が明るいのが良い.自信を持っていきたいものですナ.


9月10日(金)
2回目の公式練習.午後は監督主将会議があるため配艇時間は1時間のみ.リギング設定値の確認のみに留める.シングル高林は12分でリギング完了し,「これで昨日の分を取り戻せるぞ」と思って出艇した矢先に,シャフトピンの緩みに気付いて桟橋に戻る事態になってしまった... その場でボルトを締め直したもの,一度狂ってしまった角度が修正できるわけもなく,残り時間がなくなってやむなく上げることにした.(確認を怠ったのはワタシのミス.ゴメンね...).スタート練習できなかったのが痛い.
ダブルは,昨日のような艇の曲がりはなくなったものの,まだ安定しない様子.少年フォアは元気一杯!(ということで良しとしておこう)

午後は,文化会館にて監督主将会議.毎年のように退屈きわまりない(?)会議なので,2/3以上は記憶が定かでない...(^^;

今日のオコトバ 〜お宿は最高!菊池観光ホテル〜
今回の配宿はすべて菊池温泉地区で賄っているとのことで,その収容力の高さにも驚いたが,我々の宿舎・菊池観光ホテルは,私(がんばるぞう)が経験した中でもAAA(とりぷるえー!)クラスに属する素晴らしい宿であった.
7階建て本館の横には別館である東館がそびえ立ち,本館と東館の大欲場が露天風呂を介して繋がっているという超豪華ホテル.一説によると,役員宿舎のグ**ドホテルよりもランクは上らしい.ただ可哀想なのは,各県の宿舎にはかなりレベル差があるようで(まあ,これはこれで仕方ないことなのだけど),今年の我々はラッキーだったということであろう.(そういえば今日の監督主将会議で「行動パターンの違うクルーを同じ部屋に詰め込むなんて配慮が全然足りない!」と激怒しておられた方もいた...)
ちなみに同宿の他県勢は,滋賀,福井,京都,茨城,青森,香川である.


9月11日(土):競技第1日目<予選>

少年M4+

長野の秘密兵器,ついにベールを脱ぐ?!

各都道府県フルエントリーということもあり,強豪と思われるクルーは各組に万遍なく散らばった感じの1次予選.ん?でも予選D組には強いとこいないゾ? と一瞬疑問を感じた私に,彼らは「いやぁ,それってオレ達が強いってことなんですよ〜」と余裕綽々.うーむ,そうなんだろうか?,いや,そうに違いない!とりあえずはその言葉を信じることにした.
組み合わせを見ると,名前こそは選抜を名乗るものの,相手はすべてインターハイでは準々決勝に進めなかったクルー(別名「敗復落ち」ともいう)である.「これで上がれなければ明日は荷物をまとめて帰れー」という周囲の暖かい?応援を受けつつも,クルーの雰囲気は相変わらず絶好調!

さて,このお調子者「長野選抜」,実はクルーとしては初めての公式レースという不安材料があった.し・か・し,フタを開けてみればそんなコトまったく関係ナシ.スタートからダッシュが見事に決まり,相手の背中を見ながら余裕のレース展開で1位ゴール.タイムも総合で6位と上々のスタートを切ったのであった.後半,600m過ぎはバタついてタイムが伸びなかったものの,「諏訪湖の練習では,400m過ぎで,もうバタバタだった」(天野先生談)ことを考えれば「大きな進歩だよ,これは.前よりも100mも長く安定して漕げるようになったじゃないか」と,先生は着実な進歩?を評価していた.
それにしても,コイツら,すっっっっっっっっごく,ノってるぜー,ベイベー...って感じ(笑).これで長野県勢全体が勢いづいて欲しいところだ.

今年の長野県高校勢は,シーズン前半こそ全国選抜M1X8位,北信越総体M1Xワン・ツー独占勝など全国でも活躍できそうな兆しが見えていたものの,インターハイ,国体ブロックはボロボロで,「もう今年は全国大会決勝進出はないのか?」という声があったのも事実.しかし,ここにきて最後の秘密兵器が炸裂し,その存在をアピールできるかなという感じ.ちょっと安心するとともに,どうせなら頂点まで登りつめて欲しいと思うがんばるゾウなのでありました.


レース No.27  9月 11日(土)  発艇時刻:13:28  
種目: 少年男子舵手付フォア 
区分: 1次予選 D 組 
通過: 上位 2 クルー
レーンクルー 順位 ゴールタイム 500mラップタイム
1 長野   長野選抜 1 3'23"99 1'39"24
2 東京   本郷高校 2 3'31"23 1'44"31
3 香川   香川選抜 5 3'42"14 1'48"62
4 北海道 網走南ヶ丘高校 4 3'34"57 1'46"91
5 鳥取   鳥取県選抜 3 3'31"79 1'45"14
天候: 雨   風向:   風速: 0.0 m/s

成年M2X

手堅く中電に食いついて予選突破を目指したいところであったが,スタートからノーマークの新日鐵八幡が飛び出し,リードを奪われ厳しい展開.当然ながら「リードされるだろう」という気持ちで臨んだ中電にも先行され,後半も差を詰めることができずにゴール.3位で敗者復活戦へ.
宿舎に戻って,同じ種目に出場している香川RCからレースのビデオを見せてもらうことができた.長野は他の予選通過クルーに比べると,明らかにレートが低い.レートが低くても水中が速ければ問題ないのだが,2人の微妙な水の押しが異なるのかストロークも重いという最悪パターンにハマっているようだ.選手自身もその辺は感じているようで,明日の敗復でレートを維持できる方向に持っていくことにした.
予選を終わってみると,予想外に速いクルーがいてびっくり.長野と当たった新日鐵のほか,茨城選抜(日体OB&法政コンビ)が好タイムで香川RC(東北3年&中京OB)も急造クルーながらいい滑りをしていた.予選通過クルーのタイムから準決勝の組み合わせを予測すると,長野にとって,最終日を狙えるとすれば,茨城・香川の組に入りたいところ.しかしそれをタイムで狙うのも難しいことが分かっているので,とにかく確実に漕いで良い感じを掴むことの方が先決である.

謝辞:予選レースの貴重なビデオを提供していただきました香川RCの皆様に深くお礼申し上げます.


レース No.32  9月 11日(土)  発艇時刻:14:08  
種目: 成年男子ダブルスカル
区分: 予選 C 組 
通過: 上位 2 クルー
レーンクルー 順位 ゴールタイム 500mラップタイム
1 広島   太田川BC 4 3'32"80 1'42"85
2 愛知   中部電力 2 3'21"82 1'39"19
3 長野   長野選抜 3 3'24"55 1'41"08
4 福岡   新日鐵八幡 1 3'20"55 1'38"96
天候: 雨   風向: NNE 風速: 0.1 m/s

成年M1X(高林)
成年男子シングル(高林) 予選D組の顔ぶれ(武田,西村,今泉,澤田,小泉)を考えると,これは明らかに「オイシイ」組み合わせ...のハズであったが,現地入りしてからの練習がイマイチで不安を残す高林には厳しいレースとなった.楠本(長崎・鹿屋体大),遠藤(宮城・東北学院大)の2人は,先日のインカレにも出場していた大学生.インカレ予選では楠本との直接対決で勝っていることもあり,「確実に大学生を抑えて予選突破」の作戦であったが,スタートから1,2レーンに飛び出され,苦しい展開になってしまった.漕ぎもフォワード途中で崩れる感じが外から見ていてもはっきり分かるほどで,前半踏ん張ったものの,後半引き離されてしまった.無念.
とりあえず,Sサイドの前傾を若干減らすことと,フォワードの乗り込みでバウサイドへ傾く点を次への課題とした.

レース No.46  9月 11日(土)  発艇時刻:16:24  
種目: 成年男子シングルスカル 
区分: 予選 C 組 
通過: 上位 3 クルー
レーンクルー 順位 ゴールタイム 500mラップタイム
1 兵庫   堀 正輝 3 3'43"55 1'48"96
2 長崎   楠本恭介 2 3'39"53 1'49"18
3 長野   高林智洋 4 3'48"46 1'49"57
4 宮城   遠藤一史 5 3'51"56 1'49"97
5 東京   児玉剛始 1 3'37"66 1'46"78
天候: 晴   風向: 無   風速: 0.0 m/s

今日のオコトバ 〜効果絶大!リニアカム〜

今日からレース開始と言うことで,熊本入り初日に発見した「リニアカム」の素晴らしさを実感することとなった.500m過ぎから3レーンと4レーンの間に設置されたカメラが捉える映像は,今までのボートレスでは見られない斬新かつ画期的なものだった.後でレースの漕ぎを見直すのにも結構使えるのでは,と思ったのだが,実際の中継映像はトップのクルーがメインになってしまうため,それ以外のクルーはどうしても満足できる映像量とはならない.またカメラワークについても,もう少しボートレースに適した撮り方ができるのではないかと思う部分もあった.ただこのシステム自体の有効性は絶大だと思うので,戸田コースへの常設など検討してはどうだろうか?(と実情を知らないからこそ好きなことが言える??)


9月12日(日):競技第2日目<敗者復活・2次予選>

成年M2X

成年M2Xリギング 組み合わせ的には,準決勝進出は問題なし.500mのリードを守って1位ゴール.ただしタイムは思ったように伸びず敗復勝ち上がりの6クルー中なんと5位...おかげで狙っていた茨城・香川の組に入ったものの,不安を残す結果となった.
昨日の反省を元に,レートを上げるようにリギング他を調整したものの,もともとハイレートに慣れていない分,空回りしてしまったようだ.

レース No.71  9月 12日(日)  発艇時刻:12:00  
種目: 成年男子ダブルスカル
区分: 敗復 C 組 
通過: 上位 2 クルー
レーンクルー 順位 ゴールタイム 500mラップタイム
1 広島   太田川BC 4 3'30"04 1'40"41
2 埼玉   ツムラ・日本生命 3 3'25"23 1'41"13
3 長野   長野選抜 1 3'22"79 1'38"36
4 長崎   玖城会 2 3'24"60 1'40"87
天候: 雨   風向: 無 風速: 0.0 m/s

成年M1X(高林)
レースは昨日に続いて雨模様の中で行われた.午後になって雨は上がってほっと安心したところでリギングを行う.そのまま出艇したまでは良かったのだが,その直後に山からガスが下りてきて,コース一面真っ白な霧状態.さすがに大会本部もレースを中断した...のは妥当な判断だったのだが,桟橋から出たクルーは,すべて危険防止のためその場で待機という事態になってしまった.ウォームアップもできず,再開の見通しもない状態で出艇してしまったのは厳しかったなぁとは思うものの,他のクルーも同じ条件であるからここで諦めるわけにはいかない...

霧で視界5m? 結局40分ほど待つと霧はやや晴れて,レース再開となった.
予選タイムでは,京都・小泉に次いで2番目だが,岡山が手強そう,との予感が当たってしまう.というよりも,本来の力を出せるだけのコンディショニングがまったくできない状況になってしまったことが残念であった.スタートから水をあけられてしまい,なすすべなくゴール.2日目にして敗退という結果ではあったが,彼にとっては最後のレース,本当にお疲れさまでした.

「今日で終わったよ.うん...予定通り」と電話する彼であったが,そうはいってもホントは悔しかったんだろうなぁ.なんにもしてやれないカントクでごめんね.


レース No.79  9月 12日(日)  発艇時刻:15:16 (本来の予定時刻は14:30) 
種目: 成年男子シングルスカル
区分: 敗復 A 組
通過: 上位 2 クルー
レーンクルー 順位 ゴールタイム 500mラップタイム
1 宮崎   池淵雄一郎 4 4'05"01 2'02"41
2 長野   高林智洋 3 3'59"47 1'57"95
3 京都   小泉誠史 1 3'49"15 1'51"61
4 岡山   池上克重 2 3'54"37 1'53"89
天候: 霧   風向: WSW  風速: 1.5 m/s

少年M4+
不振の成年を後目に本日もノリノリの彼ら.組み合わせも自信をつけるにはちょうど良い(というと相手には失礼デスが)相手である.2ハイ上がりなので,欲を言えば後半まで競り合いになるような相手がいて欲しかったのだが,まだ自分たちの実力さえ把握できていない状態なので,そういう生意気な発言は慎んでおくべき...かな?(笑).

スタートは上々.「コンスタントに落とす」という概念の存在しない長野選抜は,200mで早くも独走態勢になった.昨日課題となった後半も無難にこなして余裕の1位ゴール.後半追い上げた福井にわずかに詰められたものの,完全に水をあける会心のレース.まだまだ発展途上の長野選抜にとっては内容的にも自信になるものだったようだ.明日の準決勝も,十分に決勝の狙える組み合わせ.これも彼らのノリノリの雰囲気がもたらしたものかもしれないなぁ...(だいたい楽な組み合わせ狙おうとして悪巧みするとロクなことがない,というのは誰でも経験していますよね?)

なお,他の組では,インターハイ優勝の由利工に,同じく決勝進出の宇和島東,宮川が激突し,由利工が3位で落選してしまった... 国体というのは厳しい大会ですな. でも,由利工はちょっと精彩欠いてたなぁ.宮川も宇和島に離され過ぎ.逆に宇和島はIHの時より明らかに良い感じ.決勝に行けば間違いなく優勝争いだろう.(少なくとも今の長野選抜よりは完成度高いゾ)


レース No.82  9月 12日(日)  発艇時刻:15:41  
種目: 少年男子舵手付フォア 
区分: 2次予選 F 組
通過: 上位 2 クルー
レーンクルー 順位 ゴールタイム 500mラップタイム
1 山梨   富士河口湖高校 3 3'29"94 1'43"85
2 山形  酒田東高校 4 3'31"83 1'42"00
3 長野   長野選抜 1 3'21"22 1'38"41
4 福井   福井選抜 2 3'25"06 1'43"62
天候: 雨   風向:   風速: 0.0 m/s

それにしても,配艇場のリギングスペースは,ここ2日の雨(しかも熊本市内は至る所で冠水し大騒ぎになっていた例のすごい雨)でグチャグチャのドロドロ状態.芝生がまだしっかり根付いていないこともあるようだが,これはヒドイって感じ,でした.

9月13日(月):競技第3日目<準決勝>

少年M4+

クルー結成後,3度目のレース.これが彼らにとって一番の正念場である. 決勝進出を懸けたレース.相手は滋賀,京都の近畿勢と,昨日対戦した福井である.(まったく関係ないけど,このクルーすべて同じ「菊池観光ホテル」に宿泊している.)タイム的には滋賀選抜が安定しているようで,要マークか.コンスタントで引き離せれば,自信にして良いだろう.
他の組は,宇和島,静岡,岐阜,宮城あたりの強豪がいて,経験不足の長野としては,決勝まで当たりたくない相手だっただけに,「これはついてるんじゃない?」と思ってしまう組み合わせであった.(別に滋賀,京都の皆さんを見くびっているわけではありません.その辺誤解のないように)

少年M4+準決勝 750m過ぎ いよいよスタート.1次・2次の予選ではスタートからいきなりリードを奪ってしまったため,「あっけなく」という印象があったが,さすがは準決勝.150mまでは隣の滋賀選抜との競り合いで相手が並んでいる展開.しかし競り合いもここまで.昨日と同様コンスタントの1本1本が力強い.500mで2位の滋賀に1挺身.さすがに今までのような余裕はなかったものの,確実に最後までリズムをキープして見事1位でゴール.目標としていた決勝進出にクルーは喜びを爆発させた.

少年M4+ゴール後 それにしてもこのクルー.コンスタントの力強さが素晴らしい.スタートダッシュのまとまりや,微妙な駆け引きなしでも,決勝に進出してしまうだけの艇速が出ていたこと自体が驚きである.明日は目標としていた決勝レース.彼らの力がどこまで通用するのか..非常に楽しみになってきたゾウ.わくわく


少年M4+ゴール後桟橋にて   少年M4+ゴール後勝利のポーズ?

レース No.79  9月 13日(月)  発艇時刻:10:00  
種目: 少年男子舵手付フォア 
区分: 準決勝 B 組
通過: 1位:決勝 2位:順位決定
レーンクルー 順位 ゴールタイム 500mラップタイム
1 福井   福井選抜 3 3'27"09 1'43"38
2 京都   京都選抜 4 3'29"68 1'43"04
3 長野   長野選抜 1 3'22"28 1'38"48
4 滋賀  滋賀選抜 2 3'24"10 1'40"81
天候: 晴   風向: E   風速: 0.1 m/s

成年M2X
成年M2X出艇 とりあえず狙い通り茨城・香川の組には入ったものの,相手はともにスタートダッシュで先行するタイプ.最初に離され過ぎると挽回が難しいことは想像に難くない.なんとか食らいついて...との願いも虚しくスタートから予想以上の大差がついてしまった.
レース前半は,香川が先行.さすがに「スタートは自信ありますよー」と豪語していただけのことはある.これを追って茨城が併漕.中盤でトップを奪った茨城を香川,長野が追う展開.500mで1挺身強の香川との差をゴールでは0.8秒(1/3挺身)まで詰めるが,もはやここまで.今年もこの種目は入賞に届かなかった.
1000mレースでスタートから圧倒的リードを奪われてしまうのは,どう考えても不利だなぁ,というのが実感.エルゴで勝ってても水の上で勝てなければ結局ダメなんだよなぁ...それがボートの面白さでもあるんだけど.
なにはともあれ,牛山選手,佐藤選手,おつかれさまでした.

レース No.110 9月 13日(月)  発艇時刻:13:30  
種目: 成年男子ダブルスカル
区分: 準決勝 B 組
通過: 1位:決勝 2位:順位決定
レーンクルー 順位 ゴールタイム 500mラップタイム
1 長野   長野選抜 3 3'31"84 1'45"98
2 茨城   茨城選抜 1 3'29"55 1'42"86
3 香川   香川RC 2 3'31"00 1'43"31
4 秋田   秋田ゼロックス秋艇会 4 3'39"37 1'46"26
天候: 晴   風向: S 風速: 1.0 m/s

9月14日(火):競技第4日目<決勝>

少年M4+

決勝前のミーティングさて,国体もいよいよ最終日.周囲の予想を覆しなんと決勝まで進出しちゃった少年男子フォアであるが,さすがに朝からいつもの「脳天気」な表情が影を潜めているようだ.まあ,全国大会の決勝なんて考えるからイケナイんだよなー,と経験豊富な(というほど実績ないですが..)がんばるゾウは思うのだったが,彼らにとっては初めての経験.思う存分暴れてきて欲しいものである.
コンディションは順風.好タイムが期待できそうだ.レースを前にウォームアップを開始する選手達.気合いは十分.表情は硬いがいやなムードではない.リギングも順調で出艇前のミーティング.天野先生からのアドバイスは次の2点であった.

・ラストまで頭の中を真っ白にしないで,自分たちの漕ぎに集中すること.
・オアズパーソンにとって最高の舞台である「決勝レース」の雰囲気を肌で感じ,楽しんでくること.

決勝の相手は自信ありげな静岡が手強そう.埼玉,宮城も接戦を制しての決勝進出で簡単には勝たせてくれないだろう.スタートは上々の出来.圧倒的なリードが奪えるほど甘くはない,と最初から割り切っているので,長野クルーに焦りはない.前半はリズム良く,静岡を追って,宮城,埼玉を僅差で抑えて2位をキープする展開.ここまでは思い通りのレースができている.問題は後半だ.700m過ぎで埼玉,宮城が動き出した!これに冷静さをもって対応できるだけの経験がクルーに足りなかったのは否めない.追い上げを感じたクルーの微妙な焦りがリズムを狂わせる.水中を上げようとするのだが艇速は伸びない.宮城・埼玉はぐんぐん迫る.その瞬間,崩れたリズムがオールのコントロールを奪った...(要は大ちゃんが腹切ったってことなんですが ^^;) 競り合いの中でのミスストロークは致命的だ.アッという間に最下位に転落.ゴールまではまだ距離がある.しかし必死の追い上げもスパートに入った相手を捕らえることはできなかった.無念の4位ゴール.しかし,クルーの一体感と明るいムードでここまで勝ち上がってきた彼らの表情にはむしろ充実感と爽やかさが光っていた.


決勝レース750m過ぎで2位  表彰式
決勝後の荒井選手(2番)のコメント:
荒井:最初で最後の全国大会だったんですが,決勝に残れて良かったと思います.レースは,スタートはまあまあ普通の出来で,500mまでは静岡に次いで2位だったんですが,700m以降で,宮城と埼玉がじりじり詰めてきたところで焦ってしまい,漕ぎがバラバラになってしまいました.ラストもあげようと努力したんですが,上がらずに4位でした.
大学でも続けてボートをやっていきたいと思っています.(あー,かっこいいぢゃん,オレ.って自分で言うなヨ)

レース No.142  9月 14日(火)  発艇時刻:11:30  
種目: 少年男子舵手付フォア 
区分: 決勝
レーンクルー 順位 ゴールタイム 500mラップタイム
1 静岡   静岡選抜 1 3'09"00 1'33"91
2 埼玉   埼玉選抜 3 3'12"77 1'36"55
3 長野   長野選抜 4 3'14"41 1'35"33
4 宮城  宮城選抜 2 3'12"10 1'36"31
天候: 晴   風向:NE   風速: 2.0 m/s
夏季国体総評

〜入賞「6」苦戦の県勢〜

 第五十四回国体夏季大会(11−14日・熊本県)で県勢は苦戦した.入賞数が前回の10から今回は6に減ったうえ,最高成績は4位どまり.参加得点を除き,獲得した男女総合得点も昨年の31.5点から20.5点に減り,これで三年連続の減少.夏季大会での競技水準は依然として低い.
...<中略>...

 前回入賞が3つあったボートは,決勝で5位だった少年男子かじ付きフォアが唯一の入賞.高校生の競技人口が大幅に減り,大学で活躍している選手が地元に戻って競技を続けていく環境がそろわないなど,強化の条件は厳しくなっている.

 ただ来年から成年男子のかじ付きフォアに限って,北信越予選がなくなるのは追い風.これまで同予選とインカレの日程が近いため,学生の選抜クルー編成が難しかったが,予選がなければ,本番に合わせて選抜が組みやすくなる.各大学の事情もあるが,これをうまく生かしたい.
...<中略>...

 今年は北信越予選を突破した種別・種目も減っている.同じ北信越ブロックで,富山が地元で開催する来年の国体に向けて強化していることもあるが,まず予選を突破しなければ先がない.

[1999/9/16付 信濃毎日新聞 より]
(おわり)
以上,がんばるぞう@くまもと がお届けいたしました
(この特集はおわり)


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