オランダナショナルエイト来日記念コーチセミナー 1997/10/17,18 三菱養和会戸田艇庫 講師:Kris Korzeniowski氏 ハンガリー出身で、ボート界では超メジャーなコーチ。 イタリア→カナダ→USA→中国を経て、現在オランダナショナルチーム担当 実績は超一流。日本にも何度も来ている。 0)はじめに <大前提> コーチングに「特効薬」はない すなわちこのセミナーを聞いたからといって誰でも勝てるようになるわけではない。 セミナーは次の3つ話題で構成 1)コーチとしてのフィロソフィー 2)ローイングテクニックとその指導・矯正 3)練習プログラムを作成するときの留意点 ----------------------------------------------------------------- 1)コーチとしてのフィロソフィー  〜プリンシプルとコスメティクス〜 「よいコーチ」とは? a:誠実であること  「自分の名誉のため」ではなく「選手のために」コーチするという気持ち b:学ぶ(learn)、研究(study)、観察(obserb)、分析(analysis)   =すなわち「考える(think)」ことが大事   全体を見わたせる広い視野   「釘1本の打ち方」ではなく「ビル全体の建て方」を学ぶように努力    →細かな悪い点があっても、それをトータルでカバーできていれば勝て るクルーができる    →概して日本のコーチは細かなこと、外見的なことにこだわりすぎ。 (Catch,Uniformity etc.) 他のコーチやクルーとのディスカッションを積極的に行う 学んだことはメモに残しておくと後々役に立つ 選手を自分の試みの実験台にしない(エリートクラスでは話が別) コーチングに携わる立場・姿勢の違い   USの場合:プロコーチ=自分の生活が懸かっているので非常に真剣              勝たなければ飯が食えない!という意識がある   オランダ:ボランティアコーチ=USのような必死さは少ない c:よきコミュニケータであること(Good communicator)   自分の知識・イメージを選手に正確に伝えることができるか?   (説明のしかた、実演の方法などの表現力)   →余計なことをいろいろ言わない。(NOT too much talking!!) 話の長いコーチほど自己満足に浸っている傾向あり 要点を的確に。 例:ハリー・パーカーは1モーション中、2,3wordsでポイントを指摘  アメリカのコーチは生活が懸かっているので、教え方も必然的に効率 良くなる そのため、短期間で選手をトップレベルまで育てることができる d:よきモチベータであること(Good motivator + Leader) 選手の前での振る舞いに気をつけること   選手に常に「やる気」を与えられる存在であること。   positive, fun(with smile), agressive であること。   全体の「ユニフォミティ」を強調しすぎるあまり、選手がそのパワーを 100%発揮できなくなることがある。大事なのは漕手が全力で(Hardに) 漕げていることである。 以上を通じて選手に信頼される存在となること。 選手の「やってやるぞ」という気持ちをうまく引き出せばそれが良い結果につ ながる。 ----------------------------------------------------------------- 2)ローイングテクニックとその指導・矯正 基本的テクニック   バイブルは"Notes on Rowing" by Stieve Fairbarn (1920) 古典とも言える著書だが、基本的な考え方は現在も変わっていない。 <ドライブ全般> ・自分の体重を利用して、サスペンションを維持するナチュラルロウイングが よい [サスペンションとは・・尻がシートから浮いて、体重がストレッチャーボー ドとオールハンドルに乗った状態] ・これが表現できていれば多少の欠陥漕ぎといわれる動きも問題にはならない チャンピオンは必ずしも華麗に(寸分違わぬくらい全く同じ体の使い方で)漕い でいるわけではない。しかしチャンピオンはいずれも"suspend"して「強く」 漕いでいるし、個々の漕手の力は同じタイミングで発揮されている。 ・「体重を使う」ことがわかれば、自然にハンドルとストレッチャーに必要か つ有効なプレッシャーが加わりサスペンション状態になる。 ・サスペンションが維持できれば、自然に効率の良いボディーワークが表現で きる。(ストロークもフォワードも) ・キャッチ時のすね角は垂直の一歩手前が良い  垂直だとレッグドライブ初期に上体が起きあがりやすくなる  このようにドライブの最初から上体が開くと、サスペンションできない!  (→古城漕法はやっぱりだめなのでは? by yukiya) <フォワード> ・Good Body Preparation (いわゆる膝の上の鼻"Nose on the Toe"につながる) すなわちファイナルから腕→上体前傾の順序を徹底し、ハーフスライドまでに プレパレーションを完了すること ・プリパレーションができていないと、キャッチ直前の「上体の突っ込み」に なる。 ・これはブレード舞い上がり、けり戻し→不要な艇の減速につながる上、「弱 い」姿勢になるので、キャッチ直後から強いストロークを引けない=サスペン ションできない、など、悪いことばかりである。=最も致命的な欠陥漕ぎとい ってよい <キャッチ> ・キャッチはリカバリーの最後であってドライブの始まりではない。[重要!] "Blade is in the water together with end of slide" キャッチで一枚入った後でどのように力を伝えるか、どのように加速するか、 という点でもエントリー直後にストレッチャーにプレッシュアーをかけ、サス ペンションを感じる、「ボートを感じる(Feel the Boat!)」ことが大切。 この感覚をもとにして自分が、あるいは選手が"Good rower or Anchore??"で あるかを見極める。 上記のキャッチタイミングを習得するためのドリル 1:placement 2:with stop#1 + no power(Leg drive) 3:with stop#1 + power (Leg drive) ※stop#1は3stop rowのフィニッシュ姿勢 <フィニッシュ〜リリース> ・サスペンションのリリース後は、艇の加速(run)を最大限に生かすため、一 瞬止まるくらいのリラックスしたハンザウエイが良い。 ・去年のオランダエイト整調(ニコ)の、タップダウン直後に一瞬止まるような 柔らかいハンドルワークについてクリス氏のコメント。 「とりわけ、ファイナルでサスペンションを解放(リリース)したあとの、リ ラックスした柔らかいハンドルさばきを見てほしい(アトランタ8+整調ペ ア)。フィニッシュ後のRUNを作るうまさ。加速をじゃましないリラクゼー ションがよくできている」と絶賛。・ファイナルをどこまで引くかは自然に決 まる。すなわちクラッチとストレッチャーとハンドルの3点でボディーウエイ トをサスペンドした状態をファイナルのぎりぎりまで維持して、維持できなく なったところがブレードを抜くところ、つまりプレッシュアーを解放(リリー ス)するところ、とのこと。 ・フィニッシュまわりの上体の角度、腕引き開始のタイミングも上記の感覚が わかれば自然に決まってくる。このときファイナルの部分だけ腕を速く引くこ とは実際不可能だし、意味がない。(すべての動きは艇速に関係している) "Quiet&lazy finish"が良いがこれを実現するには"Just suspend and not vi- sible power, but timing"だそうだ。 ・感覚としては「ファイナルでは水を押すのではなく、ボートを水から遠くへ と押し出し前へと運ぶのだ」と繰り返していた。  "Pushing BOAT away from the water! Don't throw the water." "Support your finish", "Keep pressure until blade comes out" <その他ノウハウ> ・8+や4Xのような速い艇は、ファイナルまで1拍(one shot)のリズムで 水中を漕ぐので、sit tallするべきであり、被さるようにオーバーリーチする のは厳禁。この点が小艇との技術的な差となっている。 ドリル:ストレートアームが有効 ・キャッチの基本はどの艇種でも同じだが、艇速に応じてキャッチしてからの パワーの伝え方が変わる。 ・速い艇には速いキャッチ、というのは間違った考え。 ・キャッチはドライブの一部ではないので、キャッチで速く水に力を加えよう とするのは間違いである。 ・キャッチで力を加えようとするから、たたき込んだり、戻ったりすることに なる。 ・キャッチ自体では力は加わらない、キャッチ後の(ドライブを開始してから の)power applicationが速いか(エイト)じっくりか(小艇)というのが艇種への 対応の差である。 [この部分は、昨年のカプちゃんの講義内容や、ドイツの『0%のキャッチ』 とも完全に一致する考え方(感じ方)だと思う。個人的には、このクリスの説 明は、Spraklenのいう Find the post in the water.や、言い古された『加 速』の本質もついている、いい説明だと思っている。(by 松井氏)]  これに関する例:    小艇のメダリストがエイトで勝てるわけではない。(実例多数あり)    これは、ドライブにおけるパワーの伝え方が艇種によって異なるため  従って、エイトの選抜はエイトでやるのが理想。  クリス氏曰く、「大学のエイトで勝ちたければエイトだけで練習しなさい」 速いpower applicationを習得するためのドリル: ハーフスライド、1/4スライドを延々と(延々2kmとか言っていた)   タイミングが大事 <コーチングの手順> 新人のコーチでは単純だが以下の原則が大切 組織的に教えること 1:disciption 3min.(要点を端的にわかりやすく) 2:demonstration (is key to everything) 3:practice 4:(a lot of) positive feedback  技術の矯正方法 1:observe and evaluate the technique of your rowers 重要度は以下の通り     1) run of the boat 2) blade work 3) body motion(cordination; how related to the boat speed) 4) recovery 2:identify the errors and their causes 3:prioritize     まず一つだけ直すところを選び、次、次と考える 4:determine what the rowers have to do design workouts/drills effective eoungh to correct the mistakes 5:make surethe rowers understand you always be a good communicator; be short, precise when giving advice ドリルの原則: NO miracle drill すべてに効く「万能」ドリルは存在しない create condition easy->difficult(易しいことから難しいことへ) slow->fast(低レートの技術を高レートでも表現できるように) practice under good balance  バランスが確保できない状態でのドリルは無意味 分漕(ペア、フォア、シックスワークなど)によってきちんとバランスのとれ た状態で行うのが良い。  従ってラフコン時はドリルなども避けるべき エリートのドリルをただマネしてもダメ。やるならまずはその意味を理解すべ き ----------------------------------------------------------------- 3)練習プログラムを作成するときの留意点 現在の3大潮流 a)DDR(旧東独)型 ・運動生理学に基づき、SS(Steady State:定常漕)が90%以上を占める。 ・大学での勝ちを目指すなら、このやり方ではだめ。目標とするレースまでの 時間が足りない。   2motion/day 20km/motion b)イタリア、Nilsen型 ・運動生理学の知見を生かすが、よりバラエティに富むプログラム。 ・オランダもふくめ今現在の世界のトップチームがこの型に基づいている。 ・SSは50%,ATが35%、残り(Long/Short Interval)が15%の割合 HR、乳酸値を目安とする。   6motion/week(US学生の場合) c)SpracklenやLamuraに代表される、力学的な漕ぎのメカニズムを重視する型 ・HR、乳酸値も含め、運動生理学そのものに懐疑的。 ・ほとんどのワークアウトがレースでの負荷に近い。(competitive)) ・オーバーワーク、オーバートレーニングになりやすく、技術的にすぐ低下し てしまう。(*クリス自身、90年代前半はこれで失敗しているはず) 3motion/day include 2competitive training ただしカナダ女子はこれをアレンジして成功させた。 (competitive2回→1回/day)   menu例・8x(1500m[SR24]+1500m[SR28]) ・10x3km[SR22] start {[補足] by Mr.Takashi Matsui これはハードトレーニングを売りにしているオーストラリアやアメリカ、最近 の英国などで浸透している Mike Spracklen らの考えを説明しようとしたもの です。Rowing Specific Movementに焦点を当てるが故に、低レートなどでの練 習や技術練習などの効果の転移(Transfer of Training Effects)に対して懐疑 的であることが知られています。彼の根底には、世界のトップクラスの漕手に は、生理学的フィットネスの差は限定要因足り得ないという前提があります。 故に、ワンストロークでいかに艇を効果的に勧めるのかという、効率のよい power application ,力学的なメカニズム、艇を動かす理屈、をとことん追求す る方向にトレーニングが進んでいきます。トレーニングの大部分をcompetitive なレベルで行うのも、、レースでの艇速の70%で艇を進められたからといって、 その漕ぎ方が必ずしもレーススピードで最適の漕ぎ方である保証はないという 考えに立っています。(これは私が理解している限りで、の話です)。 (詳しくは、今年に入ってからのスティーヴン・シーラーのHPで "Rowing Technique --- Painting a Clear Picture "という小論がアップされているの でそちらをご覧ください。)  このような生理学的フィットネスより、ひたすら高いレベルでより効率よく 漕ぐことによってのみ、レースでの艇速はより速くなるのだという考え方は Brent S.Rushall博士によって、しつこいくらい強調されているようです。} いずれのトレーニング法にしても理解が不十分で単純にコピーすると悲劇を生 む。自分がよくわからないものをただ単に「エリートがやっているから」とい うだけで採用しないこと。またあれこれ欲張ってそれぞれの良いところを取り 入れようとしても失敗する。自分のチームがおかれている状況をよく分析する こと。 レベルアップのリミットファクター 新人、2年目の漕手では、技術がレースの結果に大きく影響する。一方、強化 レベルの漕手(代表をねらうレベル)では技術は成否を分ける要因とはならな い。体力、レース技術の他に、メンタルタフネスも非常に重要な要因となる。 1st yr. 2nd yr. Olympic level Technique 80% 35% not limit factor Fitness 10% 35% Feel the BOAT -- 5% 15% Racing skill 10% 25% 50% Mentaltoughness 0% important ※上記の数字は違っているかも。 大事なのは技術的要素がレース結果に及ぼす影響がキャリアを重ねる につれて減っていくということ。(逆に言えば初心者のうちは技術の 差が艇速の差に顕れやすいということ) ハードトレーニングの重要性 特に冬場にはergo;tank;run; weightsで十分な強度を与える必要がある。spec ificationの観点からはトレーニングには、direct feedbackの得られるエルゴ を活用する。(ただしダイレクトに負荷がかかるのでHRや乳酸の測定値は実 際の水上でのロウイングよりも高くなるので気をつけること)。 トレーニングでは、たとえ1年中漕いでいても、強度が十分でなければ効果は 低い。 例:冬期に漕げる西海岸より東海岸の方が強い   日本でも同じようなことがいえるかも。(冬期に乗艇できない地方が結構 強いとか)   なお、1年中漕げる環境でも強いのがオーストラリア。   これは北半球とシーズンが逆になっているのが一因らしい。 ローイングエルゴメータによるトレーニングと評価  エルゴの効果:客観的数値が出る=ハードなトレーニングができる          #だから「エルゴ嫌い」が多いのだが...         適正な強度管理が可能         水上では各選手の力を測ることはできない   ちなみに2000mのスコアとしては、    国際レベルの軽量級 6'12"-25"  6'40"ではダメ    重量級ナショナルエイトの平均値 豪 6'03"                    米 5'56-57"                    蘭 5'54-55"   エルゴによるテスト Denish H2-のスコア 1min. ローイング動作におけるパワー 800W 2000m レースに特化した漕力(最重要) 5'57" 6000m いわゆる持久力 19'20" 60min. テストとしてはやらない ---- これらは2000mのパフォーマンスを伸ばすために、何をトレーニングすればよ いのかを見極める指標になる。 例:1minで850-900Wをマークする選手だが2000mは6'15"で、ナショナルクルー の選手に及ばない。この選手の6000mは21'00"であり、明らかに持久力が足り ないことがわかる。 上記の測定は2−3日かけて行う。2000mは1日で。1min.と6000mは同一日で もよい。  Princeton Univ.でのトレーニングメニュー例(冬期) 月 ergo 7x 1'/2'(SR20/16) rowing specific maximum power x 1'/1'(20-24) x40"/1"(20-28) 火 weights 60分 水 ergo AT workout 8x 2km or 1x 10km など環境に合わせて、できればノンストップで、きついレベルで漕ぐこと 木 ergoまたはtank 60分 SS(連続;すぐに艇を返すこと) 金 火に同じ 土 水に同じ ちなみにこのメニュー、オランダクルーは一週間で音をあげて「乗艇の方がい い」といったそうな。 レースでの艇速を伸ばそうと思ったら、低レート、中間レートでその割合に見 合った艇速を達成しなければだめ。したがって、いろんなSRで技術とスピー ドを試さなければならない(そのため、Spracklenのやり方は今はもうやって いないし、DDRのようにひたすらSSもやっていない)。ただし、オフシー ズン、インシーズン、レース期という段階性は考えて徐々に強度を上げていく (オフに、explosive powerのためのトレーニングはやらないが、シーズンの 開始とともに、やや低いレートではあってもcompetitiveなトレーニングを開 始しなければならない。なぜなら、我々はレーススピードで実際のレースをす るのだから、とクリス)。 ・・・省略 competitive なトレーニングをするときにも重要なのは 1)理にかなった正しい技術 2)a) uniform power application b) good feeling for the boat c) high fitness level d) mental toughness(killer instinct) 3)find out limiting factors(上達を阻害している要因を見つける) ということである。 ------------------------------------------------------------- 質疑応答のコーナー [一部本文とだぶっていますが] Q:男女の違いは?(東北大 榊原氏) 基本的にはない。メンタル面の違いは皆さんの方がよくご存じでしょう、と いって笑いを誘っていた。 ATレベルの維持(東北大 崎山氏) Q:アグレッシブな選手の中にはHRを上げすぎてしまう者がいる。 A:正しいHRレベルを維持するよう指導すべき。だいたいそんなレベルでATの メニューはこなせないはず。セットの大部分で適正なHRが保たれていれば、最 後の最後に少し高めになるのはかまわない。 乳酸値の測定(明治生命 岩畔氏) Q:乳酸値の測定は頻繁に行うべきか?[最近は簡単に測れるらしいが..] A:乳酸値レベルはHRと対応しているので、普段はHRを指標にする。厳密なト レーニング管理をするというなら話は別だが、乳酸値とHRの対応を3ヶ月に1 度測定すれば十分。 ビッグブレード Q:マコンとの違いはあるか? A:何も変わらない。技術が未熟でもキャッチで水をつかみやすいということ はあるが、それに頼りすぎると結局上手くならない。正しい技術を理解して身 につける努力が大事 両手でフェザー Q:スイープで両手を使ってフェザーする選手がいる。 A:両手でフェザーすると最後までサスペンションを維持できないはず。アウ トハンドの指先で、「ちょん!」とタップダウンすればハンドルは下がるし、 フェザーもインハンドの親指で20度くらい回せばあとはクラッチとのデザイ ン・構造の関係で自然と回るから、「ぐるん」と手首を大きく動かす必要はな い。 バランスのドリル Q:バランスを取るための練習は? A:バランスをとるためのドリルはない。 クリス氏曰く「基本的な漕ぎがしっかりしてくればバランスを崩す要因もなく なる」 キャッチ前の上体前傾 Q:上体の前傾の取り方は? A:エイトなど速い艇は上体を立ててすぐサスペンドできる状態にする   小艇は前傾を多めにとってもよい  ただし上体をつぶして背中を丸めて前に伸びるとレンジはかえって短くなる  世界の流れとしては "Sitting Taller"の方向に向かっている。  日本のクルーは上体かぶせすぎ。(KrisのAssistant coach曰く) "They all dives before catch" さらには「15年前の東独みたい」と言った とか? Q:キャッチから腕を曲げる選手がいるが... A:腕を曲げることによってプレッシャーを加えようとすると、体重は利用で きないはず。(確かにトップクラスの選手でも腕を曲げているケースがあるけ れど) ※ちなみに腕の「絞り」と「腕引きが早い」というのは別の事柄だと思う。 (by yukiya) Q:ファイナルしたあとハンドルを止めるのは良くないのではないか? A:リリース後にハンドルをゆったり動かすのは、艇の走りを最大限に活かす ため。艇速はフォワードの途中でピークになるが、急いでハンザウェイすると 、このピークが低くなる。"Give time to run boat!" Q:ハンザウェイが遅いと、シートが忙しくなるのではないか? A:ストロークを速くするのが第一。(ハンザウェイで時間を稼ぐのは邪道だ ということか?) -------------------------------------------------------------- [Takashi Matsui氏のコメント] ・去年のカプちゃんのセミナーに最近の「背を高く」漕ぐ流れを足したってい うかんじ。 ・「艇を感じる;艇速と体の動きの一体感」という点ではカプちゃんやO林さ んと同じ。(JCOMのちゃっとから無断引用しました) [Yukiya Hirabayashi氏のコメント] ・多少なりともボートをマジメにかじったことがあれば、「そんなこと知って るよ」という内容がほとんど。しかし同じことをこういう人が言うだけで別の 重みがあるように感じてしまう。さすがと言うべきか、ただのミーハーだった りして(笑) ・今回のキーワードは、テクニック的な点に関しては「サスペンション」、 コーチングに関しては"GOOD COMMUNICATOR"と"GOOD MOTIVATOR"なのかな。