晴れの国おかやま国体


|出場選手|9/7|9/8|9/9|9/10|9/11|9/12|9/13|9/14|

いきなり?編集後記:久々に充実の大会レポート、いかがでしたか? お楽しみいただけましたでしょうか? 国体後、身近な関係者の方々から「HPの更新、待ってますよ!」と異口同音に催促される毎日でした(笑)。レポートそのものは、大会期間中にベースになる部分を書き溜めてはいたのですが、そのまま公開するには中途半端な状態でしたので、後日、写真とレース記録を追加するなど体裁を整えるのに少々お時間をいただくこととなりました。…と、ここまでは遅れた言い訳(笑)

 内容は一コーチとしてこの大会に同行して、見聞きしたり感じたことを中心にまとめています。このため、実際の事実と異なる内容や、物の見方、推測の域を出ないことなどが含まれている可能性もありますので、その点ご了承下さい。もし内容につきまして、ご意見等ございましたら遠慮なく管理人アドレスまでメールして下さい。

 もちろん単なる感想だけでも大歓迎です。あるいは「あのレース、実はウチはこういう作戦だったんですよ」とか「長野選抜ってレース前は○○だと思っていた」とかそういうウラ話的な情報もお寄せ下されば、場合によってはレポートの改訂版・増補版リリースもある?、かもしれません。(なんてねー)

 最近イロイロと多忙でして、リアルタイムな更新はおろか、こうして内容盛りだくさんのレポートを書くのが非常にツラーイ状況です。それに負けず頑張れるかどうかは、皆様のリアクション次第?の部分もありますので、今後ともヨロシクオネガイシマス!ということで編集後記とさせていただきます。[2005/09/27追記]


9月7日(水)
 台風14号の影響で国体開催地の岡山市・百間川コースでは会場設備を撤去したとの情報が入ったのは4日。7日から予定されていた公式練習をすべて取りやめるという異例の対応。このため、長野県選手団は遠征スケジュールを一から見直すことになってしまった。とりあえず7日の出発は取りやめ。台風の影響具合によっては大会前日(9日)の現地入りもあり得るとの覚悟だったが、幸い大会会場・交通機関とも大きな支障なく、明日8日の出発と決まった。

9月8日(木)
 現地で乗艇練習がまったくできないということで、各クルーとも今日の朝まで諏訪湖で乗艇を行った。配艇形式の経験がない清陵高の2年生は不安もあるだろうが、まあサポート部隊がしっかりしている(はず?)ので、大丈夫ってことにしておいて、ね。
 少年勢(M4x+,M1x)はJR。成年(M4+,M1x)は車3台に分乗してオールとその他の荷物満載で移動。朝9時前に出発して岡山ICを降りたのが16時頃。

 車部隊は岡山ICから直接レース会場に向かうが、その途中(というか会場まであと数分というところ)で、先に宿舎に到着した橋本先生からTEL。曰く「オール、荷物の会場(河川敷)への搬入は明日(9日)の8時以降でないとムリ」。案の定、コース周辺ではまだ会場設営の作業中であった。しかたがないのでそのまま宿舎へ移動(というより尻尾を巻いて退散、といった風情)。それにしても荷物搬入日程の連絡、ついさっきFAXで各宿舎に配信されたとか? うーん、そういうことはもっと早く周知してほしいよなぁ。(せっかく早い決断で好感度アップの大会事務局だったのに・・・ちょっとマイナスポイント↓)

宿舎ロビーにてスーパーかっこいい国体ジャージ配布  宿舎は少年が「ピュアリティまきび」。公立学校共済組合の施設で、建物は古いけどリフォームされてかなり快適。
 成年勢は駅近くのビジネスホテル(ベネフィットホテルほんまち)。こちらは少年とは対照的だとか・・・。(リンクの写真では実体はワカリマセン) 少年宿舎との決定的違いは食事。冷たい仕出し弁当で夕食\1700はどうみても○ったくりでしょ?? これでは宿の食事ぜーんぶキャンセルという藤森カントクの対応にも今回ばかりは納得・・・。配宿施設のレベル差はやむを得ないことであるけれど、こういう格差を目の当たりにすると・・・うーむむむむ。
まあ、そういうことに神経をすり減らして文句言うよりも、前向き志向で臨むことが大事デス、きっと。

こうして遠征初日が無事終了。なお執筆者が少年男子クオド担当でもっぱら彼らと行動を共にしているため、今後のレポートの内容、ボリュームには必然的に格差が生じることが予想されます点、あらかじめご了承下さひ。



9月9日(金)
 まずは昨日できなかった荷物の積み卸しが現地入り後の初仕事。成年チームの車は8時過ぎに宿舎を出発して会場へ。アシ(=車)のない少年チームは、シャトルバスにて移動。しかし一足早く会場に到着した成年の皆さんが荷物をぜーんぶ所定の場所まで運んでくれていました。どうもアリガトウゴザイマシタ。

乗艇できないのでコース沿いを徒歩で下見 乗艇できないのでコース案内表示で確認
 会場は、台風のために撤去されていた施設が急ピッチで再設置中。一見、何事もなかったかのように準備は進められていて、今日の状態だけを見れば、「練習できそうじゃん。なんでやらせてくれないの〜?」と思ってしまうのだが、河川敷の道や草むらをよーく見ると、どうやら台風接近時に浸水したような形跡あり。これでは公式練習ができなくてもやむを得まい。改めて会場設営に携わる地元関係者の方々の苦労が偲ばれる。本当にオツカレサマでございます。

 荷物の積み卸し後はコースの確認。といっても岸辺をコース沿いに歩いただけ(笑)。それでも明後日の本番に向けて雰囲気は高まってくる。川幅は適度で、ブイはキレイに張られて(相変わらずやたらに数が多いけど)明日の開幕を待つばかり。見たところ流れはほとんどなく(河口の堰を閉めているせいか?)、漕ぎやすそうなコースとの印象。
 それにしても蒸し暑いなぁ・・・。あまり長居しても体力を消耗するだけなので、さっさと退散じゃー。

 代表者会議が15時から行われた。全選手が入れるスペースがないとのことで、コックスと東城選手、サポートスタッフのみの参加。まあ比較的シンプルでよかったんじゃないでしょか。つまらない質疑応答もなかったし(笑)。

全国審判長会議:今回、長野県ボの審判長が仕事の都合でどうしても出席できない、とのことで全国審判部長の会議とやらに代理出席。
「こんな若造(?)がこんな格好でいいんかな?」と心配していたら、お隣の富山県が顔見知りのH野くんだったので(お互いに?)一安心(笑)。

 さて、本日の議題は、この先予定されている競漕規則の改定が主題。実は「アタマの固い日ボのお偉方が考える規則改正なんてどうせ・・・」とタカをくくっていたら、意外と(失礼!)そうでもないんですね(笑)。現場サイドや選手の立場から見てリーズナブルな内容がほとんどだったので、正直「意外とやるじゃん、日ボも」と思ってしまったですよ。
改正の骨子は、

の主に3点。その他にも競漕規則の「(競漕委員や審判の指示に)服従する」といった選手蔑視の表現を改めるなど、審判の意識も変わりつつあるのかな?と思わせる部分もあり、些細なことながら今回の内容は意外と好感持ちましたデス。

 まあ、審判業務について自分自身は最近まったく貢献できていないので、あまり大きなコトはいえないんだけど、とにかく大事なことは、「選手が納得できる判断と対応」だと常々思っています。特に以前から気になっているのは、「毅然とした態度・判断」と「審判の権威・権限」を取り違えている審判が(ほんの一部だとは思いますが)存在していること。  もちろん「公平さ」や「規則を守る」ことはスポーツの大前提で、それを守る(守らせる、ではない。そこのカン違いが危険なのですよ!)ために審判は存在しているというのも間違いではないと思うんですが、ともするとそれを力ずくで「守らせ」ようとする審判がいるから嫌われるのではないか?と思うんですよ。審判として尊敬する人はたくさんいますが、その一方でこういう権力を振りかざす人のせいで審判全体のイメージが悪くなっているとも感じます。とても残念なことです。

 審判が嫌われるもう一つ理由、それは納得いく説明ができないこと(しようとしないこと)、規則や曖昧な基準を盾に決定を選手に押しつけるからではないでしょうか? どんな規則にも理由があります。それをきちんと説明できれば、ほとんどの場合納得がえられるし、逆に理由に矛盾があれば、その規則にはムリがあるということ。そういう視点に立って規則は常に見直されるべきだし、それが選手にとっては公平にボートを楽しむこと、主催者にとっては円滑にレースが運営できることにつながると思うのですがいかが? それができれば審判(あるいは競漕委員会)vs選手・監督・コーチといったツマラナイ対立は今よりずーーーーっと減らせると思うんですけどね。

あ、すみません。話が逸れましたね…

青木悟下諏訪町長から暖かい激励 こうして予想どおり?伸びた会議のおかげで、青木会長(下諏訪町長)を交えた激励会にちょっと遅刻してしまいました。でも会長がちょっと遅くなったおかげで滑り込みセーフ。
 青木会長、青木理事長らの県ボ役員の方々を囲んで、レース前ながら和やかな雰囲気で開会。会長から各クルーへのメッセージと激励金を頂き、明日からのレースに向けてクルー代表から頼もしい言葉も。
 それにしても一体どれだけ出てくるんだろう?と思うくらい膨大な料理がテーブルから溢れて所狭しと並ぶ様には閉口・・・。いくら育ち盛りの高校生が胃袋大きいったってあんなには食べられへんでー(と思わず関西弁でグチってみたくなってます)。激励の気持ちはとってもとってもウレシイんですけどね(^^;;
気持ちはありがたく頂いて、明日に備えてしっかり休みましょう!それでわオヤスミナサヒ。


9月10日(土)
いよいよレース開幕。現地練習ナシのぶっつけ本番だけどがんばるぞう!

少年男子シングルスカル(東城):予選は、いずれも気の抜けない相手。インターハイでは直接対決はなかったものの、決勝進出の米澤(岩手)、準決勝進出の竹内(大阪)との勝負が、入賞に向けての第1ステップになる。あがりは3位までなのでキツくはないが、なんとか上位通過を狙いたい。スタートはいつも通りだったが、どの選手も前半から積極的に飛ばしてくる。500m通過は4位。後半にペースダウンした北海道を抜き去って予選通過ラインには浮上したものの、トップの米澤選手との差は詰められず、竹内選手との2位争いでゴール。結果は僅差(0.25秒)の3位で、とりあえず予選は突破。手応えは悪くないものの、入賞に向けてもう一ランク上の集中力が必要になりそうだ。


Race No.4 予選B組
県名  クルー名  順位 500m   1000m
大阪    竹内 章人   2   1’48”60 3’40”12 ⇒準決勝
岩手    米澤 豪範   1   1’47”85 3’38”10 ⇒準決勝
長野    東城 正芳   3   1’49”47 3’40”37 ⇒準決勝
埼玉    佐藤 壮     5   1’51”87 3’47”40
北海道  小森 潤     4   1’47”35 3’43”83

予選通過クルー タイム順

1  福井県   倉谷 郁也  1’45”06  3’32”43
2  岡山県   戸田 祐輝  1’45”63  3’34”83
3  三重県   清水 大輔  1’45”71  3’35”19
4  神奈川県 寺島 直矢  1’45”91  3’37”42
5  岩手県   米澤 豪範  1’47”85  3’38”10
6  青森県   池田 慶太  1’47”11  3’38”64
7  大阪府   竹内 章人  1’48”60  3’40”12
8  滋賀県   田山 勝久  1’48”91  3’40”15
9  長野県   東城 正芳  1’49”47  3’40”37
10 福島県   鈴木 隆広  1’48”24  3’40”71
11 茨城県   根本 直明  1’48”01  3’41”15
12 石川県   荏畑 裕紀  1’52”40  3’43”23

敗復まわりクルー タイム順

1  愛媛県   有馬 広樹  1’46”44  3’39”36
2  福岡県   富岡 慶太  1’48”91  3’43”55
3  鳥取県   西村 真智  1’52”16  3’43”62
4  北海道   小森 潤    1’47”35  3’43”83
5  埼玉県   佐藤 壮    1’51”87  3’47”40
6  兵庫県   土山 尚人  1’50”87  3’47”56
7  長崎県   晦日 博之  1’48”32  3’49”92
8  佐賀県   金井田 幸寛1’53”62  3’55”39
準決勝暫定組み合わせ

 準決勝A組
・倉谷
・田山
・東城
・(敗復4)

 準決勝B組
・戸田
・竹内
・鈴木
・(敗復3)

 準決勝C組
・清水
・池田
・根本
・(敗復2)

 準決勝D組
・寺島
・米澤
・荏畑
・(敗復1)

今年もサポート体制ばっちりです  レース後はトレーナの藤森先生に念入りに身体をケアして頂いた。今年も長野県選手団のためにボランティアでサポートして下さるトレーナが派遣されているのだ。こうしたサポートを受けられるようになってほぼ10年になるが、本当にありがたいといつも感じている。予算の削減される県財政は何とかしてほしいけど、それが難しいとしてもこういう人の好意で成り立ってるサポート体制を県は、もっともっと積極的に支援して欲しいものだ。>Dear康夫ちゃん@兼県体協会長様

 余談はさておき、シーズン最後の1000mということもあるせいか、とにかくスピードのあるレースが多かった。東城の予選タイムは、総合9位・・・ということは準決では予選トップタイムとの対戦となる。相手は・・・・おーっっと?、またまた倉谷くんですかぁ・・・(^^;;; スピード、安定感共に抜群の2年生。東城は今季まだ一度も勝ったことのない相手(0勝5敗)である。でもこれに勝たなきゃ目標の決勝には届かない。しかも東城はタイム的にこの組の3番手。入賞を狙うにも気の抜けないレースになるだろう。


少年男子舵手付きクオドルプル:コーチの予想はズバリ「予選からチョットはいれべるな組み合わせカナ?」。マークはやはり静岡県選抜ですね! ここ数年、選抜クルーをうまく仕上げてくる実績に加えて、今年も力のある選手で固めてきた。インハイ2Xチャンピオンの浜松湖南と天竜林業クオドからの混成クルー。インターハイではお目にかかれないこの手の選抜クルーが国体独自の勢力図を形成するのが最近の傾向でもあり、その艇速は注目される。痛恨のミスでインハイ準決落ちした天竜林業などは単独でも十分手強い存在なのに・・・今回の静岡は確実にそれを上回る優勝候補の一角になるヨ!と予想しておきませう(あくまでも独断。それに僕のイチ押しはやっぱり地元・関西高だしー^^;;)。
 長野としては、このトップレベルのクルーにどこまで勝負できるかが最初の注目どころ。まだスタートダッシュで「力任せ」に艇を動かせないので、最初からリードを奪えるとは思っていない。反面、力に頼らない分、効率的にフネを動かすセンスはかなりイイというのがコーチ評。コンスタントでの艇の動きは大会直前になってかなり良い感じがでてきていて、これならインハイ決勝レベルとは互角以上だろう…という感触もある。だからこそココで(静岡との勝ち負けは別にして)自分達がトップレベルにいるんだという「手応え」が欲しい。何としても。

 最大のマークは静岡だが、この組には他にもインハイ4位の富士河口湖やインハイ決勝を僅差で逃した鹿児島選抜(鹿屋工主体)がいる。冷静に考えれば「勝ち上がる」=インターハイ決勝レベルの艇速をいきなり発揮しなきゃいけないってコトなんだよなぁ(笑)。前向きに捉えるなら、勝てれば非常に大きな自信になるし、(万一)負けてもそれは次につながる経験だ。それにこのクルーはすでに北信越予選でインハイ5位の阿賀黎明を破って気持ちでもノっている。この勢いに乗って次の標的は○○ですよ〜(?!) さて○○はいずこのクルーぞ?

 予選の作戦はシンプル。スタートダッシュ3本を、いつもよりチョット「力強く動かすこと」(あくまでもイメージとして)。その後は、ひたすら自分達の持ち味である「艇の動きを妨げない動き」に集中。 展開としては静岡に対して勝負をかける中で他のライバルを引き離し予選突破、という狙いだ。

 監視、リギングはスムーズとは行かないものの無難(?)に完了。インターハイを経験している3番の赤津以外は、今日初めて配艇方式のリギングを経験するのだからしょうがない…。レース50分前に岸を蹴る。水面のコンディションは穏やかでレーンの有利不利はなさそうだ。暑いことは暑いが昼過ぎのレースに比べればマシな条件だろう。これなら思い切りレースに集中できるだろう。

 定刻通り発艇。スタートは出遅れもなく、ほぼ横一線で先頭争いの中にいるようだ。中間点手前で静岡と長野がほぼ並び、これを鹿児島が追う展開。長野のリズムは、気負いもなく非常に良い感じ。中盤からさらに艇速を伸ばすべくコンスタントの強さ重視。トップの静岡と抜きつ抜かれつの併漕。ラスト300mから富士河口湖が鹿児島を抜いて追い上げてくるが、静岡とのハイレベルな競い合いのお陰で上位2クルーの予選通過は確定的な状況となる。

750m過ぎで静岡とトップ争い競り合い

 しかしまだ勝負は終わっていない。できることならラストの勝負をモノにしてほしい・・・、しかし最後は地力のある静岡にゴール直前で交わされ僅差の2位。レース後は「ラストもう少し上げられたのに」と悔しそうな選手達であったが、0.17秒差は入賞に向けて手応え十分の内容。まずは初戦突破おめでとう!


Race No.10 予選B組
県名  クルー名  順位 500m   1000m
福島    喜多方高校   5   1’37”65 3’23”08
長野    長野選抜     2   1’34”81 3’11”16 ⇒準決勝
静岡    静岡県選抜   1   1’34”51 3’10”99 ⇒準決勝
鹿児島  鹿児島選抜   4   1’35”65 3’15”23
山梨    富士河口湖高 3   1’35”97 3’13”12

予選通過クルー タイム順

1  福井県 福井選抜       1’32”54  3’09”39
2  岡山県 岡山選抜       1’33”89  3’10”00
3  静岡県 静岡県選抜     1’34”51  3’10”99
4  長野県 長野選抜       1’34”81  3’11”16
5  宮城県 宮城選抜       1’35”65  3’11”52
6  京都府 京都選抜       1’35”25  3’11”83
7  茨城県 潮来高         1’34”16  3’12”52
8  鳥取県 鳥取県選抜     1’38”37  3’12”91
9  富山県 富山選抜       1’35”39  3’13”74
10 愛媛県 愛媛選抜       1’37”48  3’15”97

敗復まわりクルー タイム順

1  山梨県   富士河口湖高 1’35”97  3’13”12
2  神奈川県 慶応義塾高   1’36”76  3’14”61
3  岐阜県   美濃加茂高   1’37”14  3’14”86
4  広島県   広島選抜     1’35”41  3’14”87
5  鹿児島県 鹿児島選抜   1’35”65  3’15”23
6  大分県   大分県選抜   1’37”79  3’16”59
7  北海道   北海道選抜   1’37”65  3’16”77
8  佐賀県   佐賀選抜     1’39”29  3’18”06
9  千葉県   千葉選抜     1’38”21  3’19”80
10 大阪府   大阪選抜     1’37”04  3’20”38
11 福岡県   八幡工高     1’39”28  3’21”46
12 群馬県   館林高校     1’38”73  3’22”21
13 福島県   喜多方高校   1’37”65  3’23”08
14 青森県   田名部高     1’39”08  3’24”81
15 高知県   高知選抜     1’46”15  3’35”39
準決勝暫定組み合わせ

 準決勝A組
・福井選抜
・鳥取県選抜
・富山選抜
・(敗復6位)

 準決勝B組
・岡山選抜
・潮来高
・愛媛選抜
・(敗復5位)

 準決勝C組
・静岡県選抜
・京都選抜
・(敗復1位)
・(敗復4位)

 準決勝D組
・長野選抜
・宮城選抜
・(敗復2位)
・(敗復3位)

サインじゃあー  レース後は憧れの武田選手や、諏訪湖出身の日本代表・今井選手にちゃっかりとサインをねだる無邪気な高校生達なのでありました。快く応じて下さった両選手に感謝デス。

 予選総合タイムで長野は4位。ややコンディションに恵まれたC,D組、逆風のE組などバラツキはあるが、全体としては、ほぼ順当に各クルーの艇速が出揃ったようだ。長野の順位は…実は当初の予想以上でしょ?といわれるんだけど、まあ想定の範囲内ってことで(笑)。組み合わせ的には決勝も十分狙える位置に着けた。(パワーのある潮来、富山あたりとの直接対決は避けたかったので、その意味では思惑通り。欲を言えば宮城よりも京都の方が、やりやすいんだけど・・・って、あまり贅沢を言ってはイケマセンね) 雰囲気がイイと全体の流れまでがプラスに働いているように感じられる。(なんか今年のインハイと似ている気もするぞう)
…とはいうもののラクして勝ち上がれると思ったら負ける・・・この今までの苦い経験を繰り返さないこと。そのためにも集中を途切らせないようにしないと、ね!


成年男子舵手付きフォア:昨年と違って同じ組に「圧倒的な強豪」がいないのが救いか。予選の相手の中で、TBCは(個人的には)よく知っている顔ぶれで、信毎レガッタでも対戦しているので実力は予想できる。長野と争うとすればココだろう。一方でよく分からないのが秋田。名前は全日本などでよく目にする選手達なので手強そう。「ふるさと出場」で編成か? が、ライバルTBCの整調曰く、「東日本(選手権)に出てましたけど、そんなに速くなかったっすよ」(一部表現を変えて掲載しています。あしからず)
その言葉を信じるなら・・・今年はもしかしてチャンス?かも??・・・かな???
レースを終えて帰還。やりました!
 レースは(直前)情報どおり、秋田が飛び出すことはなく、長野は安定したレース運びで2位のTBCを抑えて予選通過。しかし予選トップタイムの東レとは12秒以上の差。直前にレースした少年クオドの長野選抜と比べても8秒差。


Race No.12 予選B組
県名  クルー名  順位 500m   1000m
秋田    秋田選抜     3   1’41”38 3’23”87
和歌山  和歌山RC     4   1’45”38 3’32”30
神奈川  TBC       2   1’41”13 3’21”79
長野    長野選抜     1   1’37”89 3’19”41 ⇒準決勝
大分    大分県選抜   5   1’46”51 3’39”91

予選通過クルー タイム順

1  滋賀  東レ滋賀         1’32”63  3’07”61
2  東京  NTT東日本東京 1’34”43  3’10”80
3  愛知  愛知選抜         1’33”41  3’11”40
4  岐阜  中部電力・岐経大 1’36”19  3’13”23
5  福井  福井選抜         1’35”48  3’14”54
6  埼玉  戸田中央総合病院 1’36”34  3’15”34
7  長野  長野選抜         1’37”89  3’19”41
8  大阪  浜寺RC・瀬田RC   1’40”35  3’23”81
9  鹿児島碧漕会           1’44”41  3’28”43
10 山梨  山梨選抜         1’42”69  3’31”12


敗復まわりクルー タイム順

1  富山  富山選抜        1’36”78  3’14”11
2  岡山  岡山選抜        1’37”63  3’16”86
3  神奈川TBC          1’41”13  3’21”79
4  愛媛  愛媛選抜        1’40”89  3’22”51
5  福島  會津磴漕会      1’40”80  3’22”56
6  山口  山口選抜        1’40”50  3’22”87
7  秋田  秋田選抜        1’41”38  3’23”87
8  京都  京都選抜        1’42”04  3’26”71
9  宮城  宮城選抜        1’44”45  3’26”76
10 兵庫  兵庫選抜        1’41”17  3’27”42
11 茨城  茨城選抜        1’42”82  3’27”59
12 島根  島根選抜        1’42”10  3’31”45
13 群馬  群馬選抜        1’43”59  3’31”52
14 宮崎  新田原          1’44”95  3’31”76
15 北海道網走選抜        1’45”81  3’31”99
16 香川  香川RC        1’43”63  3’32”28
17 和歌山和歌山RC      1’45”38  3’32”30
18 佐賀  佐賀選抜        1’42”97  3’32”36
19 奈良  奈良選抜        1’44”16  3’32”80
20 静岡  静岡県選抜      1’46”55  3’33”55
21 福岡  福岡選抜        1’46”35  3’33”68
22 長崎  長崎選抜        1’45”72  3’35”58
23 千葉  小見川R.C    1’47”66  3’36”52
24 熊本  熊本大学        1’45”25  3’38”21
25 石川  石川選抜        1’47”12  3’39”14
26 大分  大分県選抜      1’46”51  3’39”91
27 栃木  栃木選抜        1’48”25  3’41”06
28 高知  高知選抜        1’47”25  3’41”88
29 広島  福山大学福山RC  1’50”25  3’43”34
31 岩手  山田RC        1’49”69  3’45”30
32 鳥取  鳥取県選抜      1’50”34  3’46”29
33 山形  山形選抜        1’56”00  3’56”12
34 徳島  徳島選抜        1’54”51  3’57”28
35 沖縄  沖縄選抜        1’58”06  4’01”53
36 青森  むつRC        1’59”40  4’02”14
37 三重  三重選抜        2’00”16  4’03”68
** 新潟  新潟大学緑悠会(リガー配置変えちゃダメっすよ…)
準決勝暫定組み合わせ

 準決勝A組
・東レ滋賀
・浜寺・瀬田RC
・碧漕会
・(敗復6位)
・(敗復7位)

 準決勝B組
・NTT
・長野選抜
・山梨選抜
・(敗復5位)
・(敗復8位)
・(敗復位)

 準決勝C組
・愛知選抜
・戸田中央
・(敗復1位)
・(敗復4位)
・(敗復9位)

 準決勝D組
・中電・岐経大
・福井選抜
・(敗復2位)
・(敗復3位)
・(敗復10位)

 これは今年も入賞はキビシイなぁーと思いつつタイムを集計してみると、ちょっと面白いことがわかってきた。例年だと強豪の実業団に対抗できる学生主体の選抜クルーがいくつかいて、それらが順位決定レベルで争うのだが、今年はそのクラスがほとんどいないのだ。もちろんこの原因が、世界選手権のおかげで変更になったインカレ日程にあることは明らか。各県とも大学生の確保には相当苦労したのだろう。この件については、もちろん長野も例外ではない。今回の成年のクルー編成には、かなり紆余曲折があったのも事実。しかし、いざそういう状況になると、結局は「地元に根ざした選手でどれだけ頑張れるか? みんなでまとまって目標を目指せるか?」が勝負を左右しそうな予感がする。その点では地元選手主体で、安定したまとまりを発揮できる長野の成年男子は有利な状況のはずだ(得意の独断コメントby全諏訪カントク)。今回、長野唯一の学生・林選手は気心も知れた仲間で、早い時期からクルーに参加してくれたこともあってチームとしてのまとまりに不安はない。組み合わせ次第では、本当に入賞が見えてくるのでは?と期待してしまう。さてどうなることやら。明日の敗復結果を楽しみに待つことにいたしませう。

 それにしてもこの種目、相変わらず出場クルーのレベル差が大きい、というかヒドすぎません? 県によって事情が異なるとはいえ、都道府県予選で勝つことが本国体で決勝に進むより難しいトコロがあるかと思えば、女子シングルにも(タイムで)勝てないようなクルーが出てくるところもある・・・。コンディションが違うとかそういう言い訳できないんじゃない?って思いますよ。「勝つことがすべてでない」とは言いつつも、やっぱりそのあたり、疑問を感じるなぁ・・・。いっそのこと高校生の出場枠、増やして下さいよ!その方がずっと白熱したレースが増えますから!って真剣に訴えようかしらん?ま・ぢ・で☆ (いずれ成年ダブルがフルエントリー種目になるようですが・・・どうせなら高校種目をフルエントリーにした方がいいんじゃないかと思うのはσ(^^)だけ?…デスカ??)


牛山選手の出艇 成年男子シングルスカル(牛山):東城の師匠・牛山が本日の長野勢では最後の登場となった。昼過ぎの暑いコンディション下でのリギング、ウォームアップはやはりキツそうだ。
 レースはスタートからリードを奪われて、苦しい展開…はいつも通りなのだが、思った以上に差をつけられている。後半に入ってもいつものような追い上げが見られず、なかなか差が縮まらない。先行した今泉さんが700mでギャグ咬ましてくれなければ、本当に厳しい結果だったに違いない。そんなこんなでなんとか3位に滑り込んで準決勝進出。協会のお偉方は「さすが牛山だ」と喜んでいるけど、内容的にはキビシイ結果だ。



Race No.28 予選A組
県名  クルー名  順位 500m   1000m
北海道  小山 剛志   1   1’45”83 3’37”61 ⇒準決勝
岡山    赤木 陸宏   4   1’51”25 3’41”50
長野    牛山 英俊   3   1’50”93 3’39”88 ⇒準決勝
福岡    今泉 喜樹   5   1’48”42 3’56”13
山梨    渡辺 藤人   2   1’46”11 3’37”85 ⇒準決勝

予選通過クルー タイム順

1  愛媛県   武田 大作  1’39”14  3’23”45
2  宮城県   大元 英照  1’43”22  3’30”93
3  滋賀県   高橋 和宏  1’43”54  3’32”54
4  東京都   今井 裕介  1’47”19  3’36”98
5  北海道   小山 剛志  1’45”83  3’37”61
6  山梨県   渡辺 藤人  1’46”11  3’37”85
7  山形県   栗田 恵久  1’45”89  3’38”46
8  鳥取県   杉谷 晃直  1’49”25  3’39”32
9  長野県   牛山 英俊  1’50”93  3’39”88
10 島根県   矢地 洋二  1’46”46  3’40”40
11 京都府   小谷 健太  1’45”86  3’42”32
12 愛知県   出口 亨    1’48”38  3’44”71


敗復まわりクルー タイム順

1  岡山県   赤木 陸宏  1’51”25  3’41”50
2  埼玉県   須田 祐樹  1’49”63  3’42”52
3  福井県   鹿谷 敬祐  1’48”88  3’42”98
4  大分県   林 大輔    1’48”22  3’44”48
5  鹿児島県 西木場順次  1’49”45  3’47”15
6  神奈川県 伊藤 大輔  1’50”45  3’49”96
7  佐賀県   森脇 晃央  1’51”97  3’54”48
8  福岡県   今泉 喜樹  1’48”42  3’56”13
準決勝暫定組み合わせ

 準決勝A組
・武田 大作
・杉谷 晃直
・牛山 英俊
・(敗復4)

 準決勝B組
・大元 英照
・栗田 恵久
・矢地 洋二
・(敗復3)

 準決勝C組
・高橋 和宏
・渡辺 藤人
・小谷 健太
・(敗復2)

 準決勝D組
・今井 裕介
・小山 剛志
・出口 亨
・(敗復1)

 それにしても、典型的な後半型とはいえ、今日のレースはちょっとキレがなかったなぁ・・・なにしろ500mの通過タイムは下から3番目という遅さである。これでよく上がれたねぇ…と思いながらいろいろ調べてみると、なんと後半だけなら全体の3位!!ちなみに総合順位は…ん?9位? こりゃぁ弟子と同じ順位だねぇ(^^)と感心していたら、もしかして?、モシカシテ?そーすると準決の相手って…48会仲間でWoerldCup第3戦チャンピオン、この世界の超有名人だぁ!!(^^;;;と気付いてアレレレレ・・・。早速、牛山にメールを・・・[ピコピコ…送信中]

すぐに返信アリ

「お疲れです。
大作とになっちゃったかー。俺は9番目ってことですか?
まー頑張りますか。
メールありがとございました。」(無断引用ゴメンナサヒ)

そうですね。がんばりましょ。今日・明日はよーく休んでクダサヒ。


初日を終えて感想をいくつか。
まあ、とりあえずそんなとこでしょか。


9月11日(日)
 昨日の予選では、ななんと長野県勢4クルーがすべて予選をクリア! ちょっと思い返してみても国体で長野勢が全クルー予選通過というのは、このワタクシも記憶にないのであります。ということわ、実にスッッッッゴイ快挙?だったりするんじゃないだろうか・・・と思いつつ、本日は次のレースに向けてリフレッシュ&集中力を高めるための(ホントか?)イベントを企画。

燃料補給中  リフレッシュ!といえば観光、そしてグルメ☆ でも「岡山」といわれても「きびだんご」と「もも」しか連想できないナガノの高校生が選んだのは・・・やはりというか当然というか「讃岐うどん」☆
 JR瀬戸大橋線の起点となる岡山からは、讃岐うどんの本場まで電車で1時間足らず。午前中にトレーナのマッサージ&テーピング指導を受けた後、少年チームはランチを兼ねて、いざ「うどん王国」へ出陣!

 今回は公共交通機関しか使えない身分なので、うどん店は必然的に駅周辺に限られてしまったが、それでも坂出駅近くで2軒をハシゴして大々々満喫のうどんツアーとなった。前出TBCのU氏(高松出身)のイチ押し『山越』はロケーション的にキビシかったので泣く泣く断念。(日曜定休という噂も) それにしてもやっぱり本場モノは違いますね!しばらくフツーのうどんは食べられまへん。それにしても、ほかのチームも考えることは同じようで・・・やっぱりオアズマンにとって「うどん」は格好の燃料(エネルギー源)なのでありませう。高校生もランチだけではもの足りず、お土産用の半生うどんを買い込んでいたのに釣られてσ(^^)も12人前買ってしまいマシタ。


 帰路のマリンライナーは、運転席の真後ろに陣取って瀬戸内海の絶景を満喫した高校生達なのでありました。


マリンライナーにて


9月12日(月)
 1日の休養を挟んで、いよいよ「勝負の関門」である。県勢4クルーはそれぞれの思いを胸にレースに臨んだのでありました。
少年男子シングルスカル(東城):県勢トップバッターの東城。福井・倉谷選手と今シーズン6度目の対戦だ。早い時間帯のレースだが、早朝からしっかりコンディショニングして準備万端、気合い十分。もちろん苦手のスタートからガンガンいくつもり。最初の刻みからダッシュ! 気合いの入ったローイングで相手に食らいつく、前半で射程内なら後半は自信がある!との思いで懸命なドライブ。が、必死の相手も簡単には譲らない。中間点をこれまでの対戦で最小の艇差で通過。その差0.7秒。いつもの東城ならコレは「射程距離内」だ。しかし後半に入って地力で勝る倉谷選手が徐々にリード。東城は2番手で踏ん張るが、じわりじわりと差が開く。前半の踏ん張りが得意の後半に響いているかもしれない、しかしこの作戦で挑まなければ勝ち目はない、とすれば今はこれにすべてを懸けろ、東城!
 ラストまで必死に粘ったものの、ペースダウンを抑えきれずに2位でゴール。トップとは3秒差。敗れたとはいえ果敢に決勝にチャレンジし、前半からすべてをぶつけた姿勢は素晴らしかった。目標には届かなかったけれど、最終日のレース、順位決定戦の切符を見事手に入れた。高校最後の全国舞台で執念の入賞獲得。明日は楽もう!


Race No.83 準決勝A組
県名  クルー名  順位 500m   1000m
兵庫    土山 尚人   4   1’54”38 3’51”67
滋賀    田山 勝久   3   1’52”42 3’45”97
福井    倉谷 郁也   1   1’49”16 3’39”38 ⇒決勝
長野    東城 正芳   2   1’49”85 3’42”32 ⇒順位決定


成年男子舵手付きフォア:準決勝の組み合わせは、全体としてみれば日本代表選手を擁する強豪・実業団が各組にうまく分かれた形だ。しかし全体のレベル差が大きすぎるため、どうしても準決の組み合わせにもレベルのばらつきが出てしまう。言い換えるなら「キツイ組」と、比較的「楽な組」があるというコト。
 さらに各組の実業団は他のチームから見ればやはり「別格」なので、気持ち的にどうしても「ウチは入賞できればいいか…」という消極的な雰囲気になってしまう。それではイケナイと思っていても、そうならざるを得ないところに国体の課題が見え隠れする気もするけど、ここで議論してもしょうがないのでやめときますね…。

 それはさておき、消極的な見方ではあるが、今年の成年フォアの長野は組み合わせ的には恵まれたと言えるのかも。このチャンスをしっかり結果に結びつけて地元社会人に現役選手としての意地を見せて欲しいところだ。

 レースはスタートからNTTが飛び出し、その後は入賞を目指す2位争い。しかしそれも前半までの競い合いで、中盤以降抜け出した長野が最後まで安定したペースで漕ぎ切って2位確保。念願の入賞を決めた。東城に続いて2つ目の入賞は、何はともあれ価値ある結果だ。おつかれさま。


成年フォア:入賞を決めて


Race No.92 準決勝B組
県名  クルー名  順位 500m   1000m
福島    會津磴漕会   3   1’42”39 3’27”67
長野    長野選抜     2   1’39”93 3’24”22 ⇒順位決定
東京    NTT東日本東京1   1’35”09 3’14”66 ⇒決勝
山梨    山梨選抜     5   1’41”08 3’33”88
宮城    宮城選抜     4   1’43”55 3’28”50

いざゆかむ 少年男子舵手付きクオドルプル:県勢の中で、もっとも決勝に近いところにいるという自信はある。しかし実力の拮抗する相手とのレースに「絶対」はない。おそらく決勝進出を争うであろう宮城は、見た目の印象的に長野と似た雰囲気がある。要は似たタイプかなぁと…。ということは自分達の強みが相手のそれと真っ向からぶつかり合うことになるかもしれない。

 レースイメージは相手に出られてもコンスタントで追い上げて逆転するという展開を想定。昼過ぎの蒸し暑い時間帯。少し前からはっきりとした逆風になってきている。逆風にはそれほど苦手意識はないので、その辺は問題ないはずだ。

 スタートはリズム良く決まって、ダッシュでリードを奪う。ここまでは上出来。しかしコンスタントに入ってからも相手はそのままハイペースのままだ。早い段階で優位な展開に持ち込もうという意図だろう。若い長野クルーは、ここで相手にリードを許してしまう。実はこの駆け引きが最後に明暗を分けることになるのだが…。
 中間点で宮城が2位と半艇身差のトップ。2位は大分。これを僅差で長野と鹿児島が追う。長野は必死に艇速を伸ばそうとするが、リードを奪われている展開でやや焦り気味か。宮城は完全に相手が見えているので、それが自信になって良いリズムだ。後半に入って疲れの出た大分は後退するが、ラスト200mを過ぎてもトップ宮城との差はなかなか詰まらない。ラスト100m、逆風を突いてウェイトのある鹿児島もぐんぐん追い上げてくる。長野はトップを奪うことが次第に難しくなり、気持ち的に非常にツライ状況だ。最後の勝負所、どこまで踏ん張れるか・・・・。

 見た目には2位を確保したように見えたゴール。決勝を逃した悔しさばかりが大きくてすぐに気付かなかったのだが、結果アナウンスを聞いて冷や汗が出た。3位の鹿児島との差は僅か0.19秒。非常にきわどい勝負。改めて勝負の熾烈さを痛感した。しかしその接戦を勝ち抜いての入賞確保は本当に大したものだ。


Race No.92 準決勝B組
県名  クルー名  順位 500m   1000m
鹿児島  鹿児島選抜   3   1’41”99 3’24”80
宮城    宮城選抜     1   1’39”84 3’21”92 ⇒決勝
長野    長野選抜     2   1’41”03 3’24”61 ⇒順位決定
大分    大分県選抜   4   1’40”68 3’27”17 

 レース後、バウの酒井の様子がおかしいので救護所へ直行。以前から抱えている脇腹痛が出たようだ。163センチの小さな体でいつも負担がかかっているのは承知しているが、高校最後のレースに懸ける思いもある。明日もなんとか出場できるように最善のケアをしよう。

 改めてレースを振り返ってみたい。とにかく宮城の集中力が素晴らしかった! 決勝進出に懸ける意気込みがひしひしと伝わってくる見事な作戦とレース展開には脱帽。
 対する長野は、やっぱり気持ちのどこかに勝負に対する甘さがあった気がする。もちろん選手達は真剣かつ集中していたし、「勝つぞ」という気持ちもあった。しかしこのレースに対する必死さ、言い換えれば勝負への執念・気迫で、相手に及ばない部分があったということ。タイム的にみればほとんど差のないクルーの勝負の行方を最後に決めるのは、やはりメンタル面だと実感。特に高校生の場合、その部分が非常に大きい。

 さっきも書いたように、このレースの勝負所はスタートダッシュからコンスタントに移行する部分。ここで「絶対に相手の先手を取るぞ!」という気構えで攻めたかどうかが勝負の分かれ目になった。正直、コーチとして、この部分の読みが完全に甘かったし、選手達もレース中「ここでそんなにムリしなくても」という気持ちが少なからずあったようだ。これに対して後半の失速を恐れずに攻めた宮城はリードを奪ったことで気持ち的に余裕が生まれ、自信溢れる漕ぎで逃げ切りに成功した。(もちろん後半にも自信があったのかもしれないけど)
 こちらとしても、事前にしっかりと「攻めるスタンス」、「相手の気迫に負けない積極性」を確認・強調すべきだったかもしれない…と。いまさら後悔しても始まらないケド。 とにかく気持ちを切り替える部分と、心に留めるべき教訓とを整理して次につなげよう。

 熾烈な入賞争いは、この長野の組だけではなかったようだ。インハイ優勝メンバーをベースにした富山は、A組でまさかの準決落ち。これにはちょっとショック。確かに(予選は)重い感じでインハイのようなキレはなかったけど…。ライバルの予想外の不振はかなり残念。

いろいろな思いはさておき、明日もう一本漕げるシアワセを噛みしめつつ、思いっきりやりませうね!


準決勝前のウォームアップ 成年男子シングルスカル(牛山):日本ボート界の第1人者であり同期(48会)の仲間でもある武田選手とは今季初対戦(だよね?)。他の2人はいずれも昨年までジュニアで活躍していた成長株。ベテラン対ヤングの構図である。別格の武田選手はともかくとして、なんとか若手2人を後半で逆転してベテランの「したたかさ」を見せつけたいところだが、予選の調子が正直よろしくないのは本人が一番自覚しているだろうから、あとは本人にすべてを任せるしかない(…って無責任なカントクでスミマセヌヌヌ)。
 その一方で、県の関係者の方々からは、「これで全種目入賞だね」などと言う励ましを受けるが、正直言ってツライ。期待してくれる気持ちは本当に嬉しいし、ありがたい。今の長野ボートを背負って立つ牛山に対しては当然の期待なんだろうけど…「そんなに簡単に言わないで下さいよ!」というのが個人的な思いであった。(でも一番つらいのは牛山自身なんだよね、きっと)
今できるのは、少しでも漕ぎやすいリギングになるように手伝うことくらい。

 レースは、武田選手の一人舞台。牛山も後半踏ん張ったが、前半での差が大きく、若手との差を保つのが精一杯。無念の最下位であった。



Race No.103 準決勝A組
県名  クルー名  順位 500m   1000m
福井    鹿谷 敬祐   3  1’54”24  3’56”88
鳥取    杉谷 晃直   2  1’51”36  3’52”26 ⇒順位決定
愛媛    武田 大作   1  1’45”05  3’37”79 ⇒決勝
長野    牛山 英俊   4  1’56”43  3’58”16

 厳しい結果に終わったが、今回大活躍している高校生が彼の分まで頑張ってくれるはずだ。
 今大会前、牛山は自分の練習時間を割いて、東城や少年クオドのメンバーと一緒に漕いでくれた。彼の伝えようとする「艇を動かす感覚」そして「ローイングの面白さ」を、高校生達は実に素直な感性で受け入れようとしていた。これが今回の少年勢の好成績に貢献していることは間違いない。自身の結果は納得いかなかっただろうけど、その存在の大きさは長野県の関係者だけでなく誰もが認めている。
また新たな一歩に備えてゆっくり休んで下さひ。本当にオツカレサマでした。


夏季国体:ボート3艇入賞
5−8位決定戦へ
写真

成年男子県選抜 「まだ頑張らねば」

○…各組の1位が決勝、2位が5−8位決定戦に進むボート準決勝で、県勢は出場4艇のうち3艇が5−8決定戦に進出して入賞を決めた。

 少年男子シングルスカルの東城は、準決勝で敗退したインターハイの雪辱を狙ったレース。A組でインターハイ3位の倉谷(福井)に挑み、序盤でリードを奪った。だが、400メートルすぎから徐々に引き離され2位。

 「何度も戦っているので、相手はよく知っている。前半から勝負をかけたが、自信のあった後半に落ちてしまった」。決勝進出を逃した悔しさは隠せない。それでも初の全国入賞を確保し、「順位決定戦では必ず1位を取る」と誓った。

 成年男子かじ付きフォアの県選抜が出場したB組は、NTT東日本東京が別格のため2位狙い。思惑通りになり、36歳のベテラン北沢(下諏訪町役場)は「大学生が地元に戻ってボートを続けたいと思えるよう、僕らがまだ頑張らなければ」と元気だ。

 諏訪清陵高の2年生が中心になる少年男子かじ付き四人スカルも、伸び盛りの勢いで突破した。

【写真】ボート成年男子かじ付きフォアで5−8位決定戦に進んだ県選抜(左から両角、北沢、林、伊藤)

(信濃毎日新聞:2003年9月13日掲載)

[うっちー、写真に載ってないね・・・可哀想に^^;;;]

成年男子かじ付きフォア/少年男子かじ付きクオド/男子シングル東城(岡谷南高)
県勢入賞

組2位で5−8位戦へ
写真
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 第60回国民体育大会「晴れの国おかやま国体」夏季大会第4日は12日、岡山県各地で10競技を行った。ボートは準決勝があり、成年男子かじ付きフォアの長野選抜(内田、両角、北沢、林、伊藤)、少年の男子かじ付きクオドルプルの長野選抜(青木、小松、赤津、藤原、酒井)と男子シングルスカルの東城正芳(岡谷南高)がそれぞれ組2位で、13日の5−8位決定戦へ回った。
 上位入賞が期待された成年男子シングルスカルの牛山英俊(細川商店)は、アテネ五輪代表で第一人者の武田大作(愛媛)ら強豪に敗れ組4位に終わり、最終日には残れなかった。<以下略>


かじ付きフォア:狙い通りのレース

 成年男子かじ付きフォアの長野は、実業団の強豪NTT東日本東京(東京)と同組で準決勝を争った。決勝へ進めるのは各組1艇。「相手は格上。それでも何としても入賞は確保したかった」とクルーキャプテンの北沢。狙い通りに組2位に食い込み、最終日へつなげた。

 レースは予想通り、スタートから飛び出したNTT東日本東京を追い掛ける展開。中間点まで山梨選抜(山梨)と並んでいたが、ミドルスパートでかわすと、後半も全力で攻めた。決勝進出こそ逃したが、全員が納得の結果だった。

 ここ数年、かじ付きフォアは学生と地元社会人の混合クルーを結成しており、それぞれの都合から全員そろっての練習は毎回1週間ほど。それでも2002年には3位に入り、03年にも4位と健闘。強豪の実業団と互角に渡り合ってきた。

 今年は過去の入賞クルーを引っ張ってきたベテラン牛山がシングルスカルに回ったため、03年メンバー2人に若手の伊藤と唯一学生の林を新たに加え、フォアをつくった。最年長の北沢は「正直、漕(こ)ぎ始めた時はどのくらい勝負できるか分からなかった」という。

 だが、林が大学の休みを利用して早めにチームに合流し、例年以上の練習を積んだ。飛び抜けて強い選手はいないが、よくまとまり、成年では2年ぶりの入賞を確実にした。

 大学時代に富山で国体に2度出場、長野では初出場となる伊藤は「順位がついて良かった」とホッとした表情。富山国際大の4年生で、卒業後は長野に戻って競技を続けたいという林は「少しでもクルーに貢献できるよう、明日もいい漕ぎをしたい」と力強く話した。 (宮坂麻里)


期待の牛山(成年男子シングルスカル)決勝届かず

○…県ボート界をけん引する成年男子の牛山は、世界選手権代表ら強豪がエントリーしたシングルスカルに初挑戦。厳しい戦いを勝ち抜いての上位入賞が期待されたが、予選を3位ぎりぎりで通過、準決勝でも本来の切れを欠いて組4位に終わった。

 大会の3日前から体調を崩し、微熱が続いていたという。「つらかったが、何とか勝ち上がるつもりだった」。だれにも明かさずに平常心を装ったが、真夏のような暑さも加わって体は思うように動かなかった。

 今季はシングルスカルで全日本選手権7位、全日本社会人選手権4位。これまでのダブルスカルやかじ付きフォアと違うボートの面白さを発見した。今季を締めくくる国体は悔しい結果に終わったが、32歳のベテランは「また体調を整えて一からやり直す」と誓った。 (宮坂麻里)

(長野日報:2003年9月13日掲載)


9月13日(火)
レースを終えて:東城 少年男子シングルスカル(東城):東城にとっておそらく高校最後のレース。ここまで勝ち残る選手は、やはりスピードがある。昨年も順位決定にいた寺島選手(この時、決勝進出を阻んだのは某W大のT君ですね)。今年も上位を逃した悔しさをこのレースにすべてぶつけてきた。順風順流(?)のコンディションでダブルスカル並のスピードレースの中、圧倒的な力を見せつけてきた。東城は他の2選手にも前半で水を空けられてしまい、後半でやや差を詰めたものの完敗。有終の美とはいかなかったが、全力を出し切ってのラストレースで価値ある入賞を果たし、充実の表情だった。



Race No.123 5-8位決定戦
県名  クルー名  順位 500m   1000m
長野    東城 正芳   4   1’44”04 3’31”02
青森    池田 慶太   2   1’41”72 3’28”86
神奈川  寺島 直矢   1   1’38”76 3’24”61
岡山    戸田 祐輝   3   1’41”41 3’29”52


少年男子舵手付きクオドルプル:昨日の悔しい結果をどういう形で生かすかが今日の焦点。言い換えるならこのクルーの真価が問われるレース。相手も同じく決勝を逃したクルーとはいえツワモノ揃い。特にパワーあふれる潮来高は、準決勝の相手が岡山(関西高)でなければ、決勝候補の一角だと踏んでいただけに、気を引き締めて直接対決に臨みたい。
 昨日の教訓から得た今日のキーフレーズは「もう一度チャレンジャーとして」。これを自信と緊張のほどよいバランス状態を作るためのきっかけにしたい。他の細かい作戦は一切ナシ。

 発艇90分前リギング開始。と、ここで「もしや?」と思って調べたら、ちょっとした幸運を発見。なんと使用艇が昨日とまったく同じなのである。しかも昨日のレースに使ったそのままの状態で!…ということはストレッチャーまわりの調整はすでに終わっているってコト? で、案の定、ばっちりそのままということが判明(^^)v
 こういうラッキーに巡り会うためには、成年と少年で艇を兼用しない種目(男子のクオドかフォア)で、「準決勝の最終組で2位」&「順位決定で同じレーンを引き当てる」という条件が重ならないといけないので、なんかすっごく得した気分でゴザイマス。きっと日頃の行いが良いからということにしておきませう。おかげで、今日のリギングは他のクルーに先んじて早々と終了。

 昨日とはうってかわって穏やかなコンディション。ここまでのレース結果を見ると好タイムなので、「3分一桁で争うつもりで。積極的にいこう!」と声をかけて出艇を見送る。

 スタートは順調・・・かと思いきや、ちょっとミスオールしたヤツ約1名(笑)。それでもほとんど出遅れず、良いリズムで刻んでいる。昨日の悔しさも今日はそれがエネルギー源だ。クルーの気迫は予想以上で、「ここでキメるぞー!」「おっしゃぁー!」…なんだかやたらと威勢がいい。

 中間点直前まで潮来とほぼ並んでいたが、「500から勝負だぁ!いくぞー」と漕手自らがイベントを入れると艇速はぐんぐんアップ。一気にトップに躍り出た。残り200mで完全に優位に立っても妥協せず、「ラストあげよう」とバウの一喝。これに全員が応えて最後まで相手を寄せ付けずゴールに飛び込んだ。

 気持ちの持ち方次第で、こんなにも素晴らしいパフォーマンスを発揮できるんだ・・・見ている側としては、ただただ驚くばかりの完璧なレース。タイムは3分一桁こそ届かなかったが、フタを開けてみればこの日のトップタイムを叩き出していた。(えぇ、決勝がド逆風になったせいですとも。そりゃあ否定はしませんけどね(笑) でも、成年フォアも含めてトップタイムというのは、「順位決定で戦う一つのモチベーションになるね」と前の日にクルーで話していた目標でもあったので、かなーり満足なオマケなのでありました)


ノリノリで全員が入賞を果たした長野県少年チーム


Race No.129 5-8位決定戦
県名  クルー名  順位 500m   1000m
茨城    潮来高       2  1’35”65 3’13”94
鳥取    鳥取県選抜   4  1’36”49 3’15”63
長野    長野選抜     1  1’34”94 3’12”47
京都    京都選抜     3  1’35”27 3’14”94

 こうして貴重な経験と共に、今夏季国体の県勢全競技の中での最高成績を勝ち取ったクルー。特にインターハイ出場を逃しながら、最後まで漕ぎ続けることにこだわった清陵高主将の酒井と、ブロック予選後に国体クルーに抜擢されて、期待通りの安定感を発揮した赤津という2人の3年生の存在が大きかった。彼らのリーダーシップで、最後の最後にクルーが一つにまとまって納得の結果につながった。3年間本当におつかれさま&ありがとう。それに加えて2年生の活躍も見逃せない。堂々とストロークを務めた頼りになる小松、艇速センサーとして類い希な感覚を持ち、効率よい漕ぎができる藤原、絶妙のウェイトコントロールを見せた青木、そして激戦のブロック予選を勝ち抜いた立役者ながら補欠にまわり、今回は申し分ないサポートをしてくれた中嶋…それぞれの持ち味がうまくかみ合ったからこその結果であった。


成年男子舵手付きフォア:長野県勢のトリを飾るレース。少年勢の健闘に負けてはいられない。一つでも上を目指すのみ。昨年のファイナリスト・戸田中央総合病院と地元国体で強化する岡山が先行。長野は同じクラブチーム主体の大阪と並んで500mを通過。ここから踏ん張って大阪を引き離すが、上位とは水が空いてしまい3位のままゴール。総合7位となった。

 それでもこの種目では昨年敗復落ちした屈辱を晴らす大健闘。地元社会人中心のクルーで久々に入賞を果たした意味は大きい。その一方で、長野より艇速のあるクルーがキツイ組み合わせで敗れ去っていったことを考えると、決して入賞が確実なレベルだったわけでないことも肝に銘じなければならない。この経験を今後につなげていってくださひ! オツカレサマデシタ☆オイシイお酒を楽しんで下さい。

Race No.130 5-8位決定戦
県名  クルー名         順位  500m   1000m
岡山    岡山選抜            2   1’37”84 3’18”12
長野    長野選抜            3   1’39”47 3’25”65
大阪    浜寺RC・瀬田RC  4   1’39”81 3’27”43
埼玉    戸田中央総合病院RC1   1’35”69 3’17”03


表彰式にて


おまけ(今井裕介@ココロは長野人)


 帰路についた少年チーム。名古屋からの特急「しなの」で憧れの岩本選手と遭遇! ミーハー野郎共はまたまたここでサインをおねだり?? 最後までお騒がせで元気な奴らだった・・・ようです。


夏季国体:ボート少年男子5位
写真

「思い通りのレース」

○…5−8位決定戦でトップになったボート少年男子かじ付き四人スカルの県選抜は、全身で喜びを表した。3番の赤津(岡谷東高)は「思い通りのレースができ、楽しかった」と充実感があった。

 前日の準決勝でバウの酒井(諏訪清陵高)が脇腹痛を再発。不安を抱えてのレースだったが、全員の気持ちでカバーした。序盤で先頭に出て差を徐々に広げ、今国体の県勢で最高となる5位を確保した。

 今年のインターハイには岡谷東高が出場したが、国体県予選では諏訪清陵高が勝ち、激戦の北信越予選を突破。今大会は諏訪清陵高クルーに岡谷東高のエース赤津を補強して臨んだ。体は小さいが、艇を進めるセンスが良かった。

 初の全国大会で入賞した酒井は「悔いはない」ときっぱり。コックスの青木、整調の小松、2番の藤原はともに2年生で「来年は一つでも多くの大会に出場し、経験を積みたい」と話した。


「トータル勝負」 成年男子は7位

○…ボート成年男子かじ付きフォアの県選抜は、2年ぶりの入賞となる7位。地元の社会人と大学生1人で編成したクルーで、3番の北沢は「飛び抜けた選手がおらず、トータルで勝負するチーム」。例年よりも合同練習の期間を長くしてまとまった。

 国体で初めて乗艇したバウの伊藤は「気持ち良かった」と笑顔。整調の両角は「全力は出せたが、個人的にはまだ体力不足」と課題もつけ加えた。

 また、少年男子シングルスカルで8位の東城は「スタートの反応が鈍く、順位は残念だったが、力は出し切った」と、今の実力を受け止めた。

(信濃毎日新聞:2003年9月14日掲載)

ボート県勢 今大会最高 5位入賞
少年男子かじ付きクオド長野選抜
写真

 第60回国民体育大会「晴れの国おかやま国体」夏季大会最終日は13日、岡山県各地で8競技を行った。ボートは決勝と順位決定戦があり、少年男子かじ付きクオドルプルの長野選抜(青木、小松、赤津、藤原、酒井)が5位入賞。成年男子かじ付きフォアの長野選抜(内田、両角、北沢、林、伊藤)は7位、男子シングルスカルの東城正芳(岡谷南高)は8位で、1998年以来7年ぶりに3種目での入賞を果たした。
 このほか諏訪市出身で宮城代表として出場した岩本亜希子(アイリスオーヤマ)が成年女子シングルスカルで3位、同市出身で東京代表の今井裕介(NTT東日本東京)が4位入賞した。<以下略>


笑顔はじけるクルー

写真  思い描いていた通りの結果に、5人の笑顔がはじけた。今大会のボート県勢では最高成績の5位入賞。「やったぞー」「最高にうれしい」。レース後、メンバー達はガッツポーズで喜びを爆発させた。

 苦手意識があるとは思えないスタートダッシュだった。前半からほかの3艇と激しい競り合い。300メートル付近で前を行く艇に並ぶと「いけると思った」とコックス青木。一気にトップに立ち、優位な展開に持ち込んだ。順位をキープして迎えた残り200メートルではクルーキャプテンのバウ・酒井から「最後あげよう」と大きな掛け声。これを合図に、猛烈なラストスパートでゴールに滑り込んだ。

 クルーは7月の国体県予選でインターハイ出場の岡谷東高を破った諏訪清陵高メンバーを中心に編成した。清陵は主将の酒井と2年生3人が乗り、そこに岡谷東エースの赤津が加入。全員そろっての練習は8月下旬から短期間だったが、2年生の若さと3年生の経験がうまくかみ合い、急成長した。橋本監督は「本当によくやってくれた」と力を出し切った選手たちをたたえた。

 夏にインターハイ出場を逃した3年生の酒井にとって、今国体は高校で最初で最後の全国舞台だった。ろっ骨の痛みを押して出場し、「無我夢中だった。最後に満足のいく漕(こ)ぎができて本当に良かった」。もう1人の3年赤津も「ボートをやって良かったと思えるいいレースだった」と表情は充実感でいっぱいだった。 (宮坂麻里)


東城8位も「悔いなし」 少年男子シングルスカル

○…少年男子シングルスカルの東城は8位。4艇で争う順位決定戦では前半からの遅れを最後まで取り戻せず、4着でゴールした。

 今期最大の目標にしていたインターハイで無念の準決勝敗退に終わり、国体に向けてすぐには気持ちを切り替えられなかったという。それでも成年や少年のほかの選手と一緒に諏訪湖で練習しながら、「決勝を目指してもう一度頑張ろう」と気持ちを高めて臨んだ。

 今回も勝負の厳しさを味わったが、最後のレース内容には「全力を出せたから悔いはない」と納得した。高校卒業後も大学でボートを漕ぎたいといい、「どこまで通用するか分からないけど、上を目指して漕(こ)ぎ続けたい」と新たな目標を口にした。 (宮坂麻里)

(長野日報:2003年9月14日掲載)


9月14日(水)
総評:夏季大会 女子は獲得点ゼロ
ジュニア層強化を
 第60回国体夏季大会の県勢は、男女総合(天皇杯)得点で前回の40位から44位に後退、女子総合(皇后杯)得点は、8位までに与えられる獲得点がゼロで全国最下位の47位に終わった。県勢の競技力低迷はますます深刻さを増している。

 今年は秋に実施されていたフェンシングとバドミントンが加わったが、入賞数は前回の7から6に減少。ボートの少年男子かじ付き四人スカルの5位が最高で、3位以上の入賞がゼロだったのは5年ぶり。目立つ成績がなく、乏しい内容だった。

 水泳の入賞は2。成年男子30歳以上五十b自由形の徳永啓(第一公害)が3年連続入賞の7位と健闘。少年男子A四百b個人メドレー7位の伊藤義輝(岡谷工高)は自己ベストより4秒余り遅く、実力は出し切れなかったが、県記録保持者として来年以降の活躍に期待したい。
 少年の入賞は5年ぶりで、県勢の長引く低迷を象徴していた。また、ここ数年の得点源だった成年女子が入賞なしに終わった。ジュニア層から再度の立て直しが必要だ。

 ボートは久しぶりの3種目入賞。今大会で県勢が獲得した37点(参加点は除く)のうち31点を獲得した。少年男子に活気が戻りつつある。反面、少年女子で北信越予選を突破できなかったことは誤算だった。[注] 成年男子は地元選手が地道に練習しながら奮闘している。大学を卒業してUターンする選手が増えることが願いだ。

 サッカーは少年男子、成年女子とも初戦で大敗。ともに強敵と当たり、全国トップレベルとの差をあらためて見せつけられた。なかなか対戦できない強敵と試合ができ、いい経験にはなったが、それで終わるのではなく、今後へどう生かすかが重要だ。

 カヌーは成年男子レーシングの吉沢雄一(同大)が7位入賞したが、実力を出し切るには至らなかった。期待のかかったフェンシングは入賞を逃し、ここ数年は安定していたボウリングも5年ぶりの入賞なしだった。

 県勢は昨年の秋季大会終了時の男女総合得点で、20年ぶりに20位台まで落ちる26位の不振だった。今年は冬季のスケート、スキーで意地を見せ、ともに男女総合1位になったのだが…。

 県は財政難を理由に国体の強化費を、4年前と比べて63%にまで削減。県体協役員は「そのツケがじわじわと表れている」と指摘する。さらに「一度落ちた成績を再び引き上げるには、もっと時間がかかる」とも言われる。

 今年の北信越国体で、県勢の本国体出場権獲得数は、5県の中で最下位だった。秋季大会も覚悟して臨まなければならず、一層の気持ちの引き締めが必要だ。

(小平 匡容)

夏季国体入賞者
【水 泳】
▽成年男子30歳以上五十メートル自由形
 (7)徳永 啓(第一公害)
▽少年男子A四百メートル個人メドレー
 (7)伊藤 義輝(岡谷工高)

【ポート】
▽成年男子かじ付きフォア
 (7)県道抜
▽少年男子かじ付き四人スカル
 (5)県選抜
▽少年男子シングルスカル
 (8)東城 正芳(岡谷南高)

【カヌー】
▽成年男子レーシング
 カナ ̄デイアンシングル200メートル
 (7)吉沢 雄一(同大)

(信濃毎日新聞:2003年9月14日掲載)

[注:「どこが誤算なんじゃ?」と思わず呟いてしまいました。少年女子に関しては「インターハイ入賞クルーを以てしても出場権獲得は非常に厳しい」というのが関係者の認識でしたから・・・。もし出場権を取っていれば、それこそ「ウレシイ誤算」だったのですが・・・それもこれもコーチの力不足です。スミマセンm(_ _)m]


…以上レポートをお届けしたワタクシは、そのまま特急「スーパーいなば」(2両編成のディーゼル車だぜ!スゴイっしょ?)に乗って某所に出張となったのでありました。もういい加減、諏訪に帰りたいっすーーーーー。トホホ(TT###…と弱音を吐きつつ、今年の国体ルポはそろそろオシマイにしようと思いまする。それでわ皆様ごきげんやう〜☆

(この特集はおわり)

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