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漕ぐや「天竜」「富士」「守屋」
よみがえれフィックス木艇
清陵OB漕陵会 修理に乗り出す

 諏訪清陵高校のOB有志でつくるボートの「漕陵会」が十二日、同校所有で現在は使われていないフィックス艇を生き返らせようと、修理を始めた。県内では唯一同校が所有する貴重な木艇。メンバーの高校時代には多くの生徒が漕(こ)いだが、ナックル艇やシェル、スカル艇などの軽量艇が主流となり、ここ数年は艇庫に眠っていた。1カ月ほどかけて修理し、湖上に浮かべる。

(宮坂麻里)

 同会は一九五八、五九年度卒業生の六十二、六十三回生有志十八人で構成。四年ほど前から「漕陵会62」「漕陵会63」のクルーを組み、各地のレガッタに出場している。練習やレースを重ねる中で、旧制諏訪中学(現諏訪清陵高)卒業生の小口太郎が諏訪湖を思って作詞したとされる「琵琶湖周航の歌」をたどろうと、琵琶湖遠征を計画。当時と同様に六人漕ぎのフィックス艇に乗るため、同校の了承を得て修理し、練習することにした。  県内で初めてボートを部活動に取り入れた同校は端艇部発足二年目の一九六一年からフィックス艇を所有。同部のほか、毎年校内で開く端艇大会で使ってきた。  各種大会のフィックス種目が一九六九年から四人漕ぎのナックルフォア種目に代わってからも、端艇部で管理。八年ほど前まで端艇大会や、新入生にボートを体験してもらう「歓迎乗艇」で活用していた。だが、重さ約二百五十キロもある艇は移動が大変な上、使う機会が減り痛みも出たため、諏訪市のヨットハーバーにある艇庫に保管していた。  現在あるのは、校歌にも歌われる「天竜」「富士」「守屋」と命名された三艇。メンバーが十二日に確認すると、表面がはがれたり水が漏る状態だった。県ボート協会役員の協力も得て少しずつ修理する。  代表の石城祐吉さん(65)=同市湖岸通り=は「貴重な艇をこのまま朽ちさせてはもったいない。高校時代の思い出やボートの歴史を感じながら漕ぎたい」と話している。

【写真】諏訪清陵高所有のフィックス艇を修理し始めた漕陵会メンバー


<2006/04/13付 長野日報より>

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