1997 第20回信毎諏訪湖レガッタ

レース総評 [[レース結果はこっちでーす]]

20回目を迎える信毎諏訪湖レガッタは、今年も好天に恵まれ2日間の熱戦が繰り広げられました。以下、レース結果と先日掲載したレース展望の比較を含め辛口評価してみたいと思います。


少年男子舵手付きフォア
[予想・展望]
昨年インターハイに出場し、この春も全国選抜大会で5位入賞の下諏訪向陽に勢いがある。ずば抜けた選手はいないが、まとまりと集中力があり接戦に強い。またシーズン開幕の諏訪湖ロングレースで向陽に競り勝った諏訪清陵、パワー的には向陽を上回る岡谷南など好クルーが多い。全国選抜6位の美濃加茂(岐阜)などの他県勢とハイレベルな接戦が予想される。
[レースを振り返って]
下諏訪向陽の勝負強さが遺憾なく発揮され、初のタイトルを手にした。ずば抜けた体格もパワーもないクルーがなぜ速いのか? その答えはいまだナゾである。ただ彼らは「競り合いなら負けない」「ラストスパートは任せろ」という妙な自信だけで昨秋以来おいしいところをすべてモノにしてしいる。今回の予選、準決、決勝もすべてラスト50mでトップクルーを逆転しての1位通過であり、その実力が「まぐれ」でないことはよくわかった。(このクルーを見ていると今までの自分の理論がことごとく否定されていくようで自己嫌悪に陥りそう...;;)
そんな彼らが一番おそれているのが諏訪清陵の仕上がり具合だというのが我々にとってはせめてもの救い?か。今まではラストで競り負けていたが、「最後まで逃げ切る」ための仕上げはこれからの段階だ。その意味で今回の信毎レガッタは4年ぶりのインターハイ出場権奪回に向けて確かな手応えを掴んだレースであったといえよう。 ライバルと見られていた岐阜県勢(美濃加茂、八百津)は、地元勢の熾烈な争いの陰に隠れる存在となってしまっていたが、その実力を考えると中日本やインターハイでは決して油断のできない存在であることにはかわりがない。

少年男子ダブルスカル
[予想・展望]
少年男子および成年女子のダブルスカルには、この春の全国選抜大会優勝クルーがエントリーしている。対する県勢はパワーのある選手が揃っており活躍が期待される。
男子は選抜大会優勝の小浜水産(福井)に対し、県勢は3クルー?が挑戦する。注目はローイングエルゴメータで県内高校トップの柿沢を擁する岡谷東。整調牛尼のリズムと柿沢のパワーが噛み合えば優勝は射程圏内だ。
#でも実は小浜水産は選抜優勝メンバーじゃなかったりして...
[レースを振り返って]
やはり、というか当然というか...朝日レガッタの優勝クルーが翌週の地方レースにそのまま出て来るって言う方がおかしいですよね。信毎Rに出場した小浜水産は2年生クルーであった。そうはいっても選抜6位の東郷(愛知)に次いで2位に入りレベルの高さを見せつけた。他の上位は岐阜県勢で、タイム的にも3'30"前後という諏訪湖としてはかなりの好タイムであった。期待の県勢、岡谷東はまだレース運びに甘さがあり、安定したストロークがレースで表現できておらず5位に低迷した。練習でも安定感にムラがあり、レースで自分たちの漕ぎができるレベルに少しでも近づいて欲しい。(力はあるんだから!)

少年男子シングルスカル
[予想・展望]
この大会最多の40クルーがエントリー。全国選抜6位の安(沼津学園)、昨秋の全日本新人で入賞した東山(大沢野工業高)などが優勝候補。県勢は全般に力不足で決勝進出は難しいかな??
[レースを振り返って]
優勝は予想通り大沢野工の東山。ストロークのスムースさは他の選手に比べ1ランク上であったと思う。地元勢では岡谷南の笠原が予想以上?のデキで準優勝を果たした。課題は安定感と滑らかな動きだと思う。決勝は安(沼津学園)が波で崩れた隙をついて逆転したが、笠原自身も実は結構バタバタしていた(本人談)。コンスタントに3分台を出せることは評価できるが、全国大会をターゲットとするのであれば、諏訪湖で3’45”位は出せないと相手にしてもらえない。(近年はトップレベルの選手はスカル種目に力を入れる傾向にある)

少年女子舵手付きフォア
[予想・展望]
少年女子フォアの県勢はややパワー不足。力のある加茂、東濃実業などの東海勢や、全国選抜に出場した富士河口湖などの全国レベルに一つでも近づけるよう努力したい。県勢としてはこの春から研究会として発足した諏訪実業の踏ん張りに期待したい。先月の諏訪湖ロングレースでは、昨年のインターハイ経験者を擁する岡谷南に善戦し、先日の合同練習でも好タイムをマークし自信をつけている。女子ダブルスカルとともに発足1年目でのインターハイ出場権を目指して選手達の雰囲気も盛り上がっており、日頃の成果を発揮して決勝進出を目指したい。
[レースを振り返って]
優勝した加茂の好タイムが光る。他の種目のタイムと比較してもこの時期の諏訪湖で3’45”は素晴らしい。本大会で最優秀と認められたクルーに贈られる小口太郎賞だが、個人的にはこの加茂高の女子フォアが相応しいと感じた(そうはいっても向陽に決まってしまったのだが...)。2位の若狭も健闘した。福井県勢は先週の朝日Rで美方と小浜水産が1,2位を独占するなど「超」ハイレベルな争いとなっている。どのクルーが出てきてもインターハイでは上位入賞できる力があるだけに、福井県予選の結果が楽しみだ。
県勢は新鋭諏訪実業が混戦を制し県勢最高の5位に入ったが、全国のレベルとはまだまだ差が大きい。諏訪清陵クルーは敗者復活で諏訪実との接戦に敗れ涙をのんだ。県内3校の実力はほとんど差がない状態で、現状では後半の安定感でやや優位に立つ諏訪実が1歩リードといった感じである。県大会までの1ヶ月で各校がどんな仕上がりを見せるかが注目である。ちなみに県大会で3’55”は切らないと全国では相手にならない。今後の健闘を期待したい。

女子ダブルスカル
[予想・展望]
全国選抜で1,2位を占めた愛知県勢(猿投農林、東郷)に、岡谷東と新鋭の諏訪実業が挑む展開となりそう。いずれも県内トップクラスの力を持つ選手を中心に編成したクルーで、上位に食らいついてメダルを目指したい。
[レースを振り返って]
優勝候補の一角猿投農林が棄権したため、東郷と成年のCA商友クラブのトップ争いとなった。結果は東郷がキャンバス差でCA商友クラブを下し初優勝。ちなみに成年女子ダブルは種目創設以来すべて「高校生クルー」が優勝している。北信越・東海地区の高校女子ダブルはレベルが高く、昨年もインターハイでは上位3位を占めた。期待の県勢岡谷東はパワー的には十分メダル圏内だと予想したがスタートの加速がいまいちで、漕ぎにもまだ無駄が多いせいかタイム、順位ともに伸び悩んだ。県大会では最低でも3’55”を切ることを期待したい(そのくらいの力はあるはず)。

少年女子シングルスカル
[予想・展望]
全国選抜出場の額谷(富士河口湖高)やパワーのある阿部(東郷)、日比野(加茂高)などを中心とした争いか。県勢は昨年もインターハイに出場した篠原(岡谷東)が体調を崩しており苦しい展開。2年生の堀内(諏訪清陵高)は小柄だがバランス感覚がよく、経験を積んで今後につなげたい。
[レースを振り返って]
県勢は1クルーも決勝に進めず苦戦したが、優勝した佐合(東濃実)以外はタイム的にも平凡で、それほど他県勢のレベルが高かったわけではない。篠原は昨年のインターハイでは予選を1発でクリアしている経験があるだけに、早く調子を取り戻して欲しい。


成年の部

成年男子シングルスカル
[予想・展望]
昨秋の相模湖レガッタ以来負けなしの杉村(全諏訪)に期待したい。昨年大学を卒業し、地元に就職。県選抜フォアの一員として国体で7位に入賞した。今シーズンは自身のレベルアップを目指して「ボートの基本」であるシングルスカルで国体出場を目指す。大ベテラン津田(ザ・トールキングC)との対決が注目だ。
[レースを振り返って]
優勝はKRCの今井。実は昨年も優勝しているのだが、私はすっかり見逃していた。失礼。全諏訪の杉村は3位入賞。国体にも出場している佐々野に勝って自信にしたかったところだが、まだまだレース運びの未熟さを本人が自覚しているので、やむを得ないところか。「自分の漕ぎ」の見えるシングルスカルで自分を磨いて国体出場にチャレンジして欲しい。

成年男子ダブルスカル
[予想・展望]
ダブルスカルは若手のホープ牛山(細川商店)と長野の「大黒柱」岩波(下諏訪町役場)で組む駒草RCを脅かす相手はいないだろう。
[レースを振り返って]
近年まれにみる大差のレースであった。トップと2位が100m、ビリとは400mも差がつくというとんでもない決勝レースであった。なんだこりゃ?? コメントのしようもない...

成年男子舵手付きフォア
[予想・展望]
成年男子はすでに国体に向けたクルーを編成し、万全の体制でレースに臨む。フォアは昨年国体7位メンバーを中心に全員が国体入賞経験者。冬期も乗艇練習をこなすなど積極的な取り組みを結果に結びつけたい。ライバルは同じ国体入賞経験のあるシチズン河口湖・北陵RCあたりだが、優勝は確実だろう。ガンバレ
[レースを振り返って]
ライバルと目した北陵・シチズン河口湖が意外に伸びず、全諏訪の圧勝。ただし優勝タイムが高校生に及ばなかった点はご愛敬。国体の入賞レベルは3’15”程度と思われる。これを目指して頑張ってほしいものだ。

成年男子ナックルフォア
[予想・展望]
ページ担当者の独断と偏見により応援させていただきます。

「ガンバレ、Z(善福寺川)・R(ローイング)・C(クラブ)!」

[レースを振り返って]
前日の深夜に諏訪入りという強行軍、準決勝はアルコールの抜けない身体にムチ打つレースであったが、ちゃっかり決勝進出し、2年連続(これもスゴイ)の銅メダルを獲得した善福寺川RC(ZRC)の健闘に拍手。成年のナックルフォアは「昔取った杵柄」クルーがいっぱいいて結構おもしろい。「練習は2ヶ月ぶり」という話がちらほらしているし、「諏訪湖レガッタのお目当ては温泉と蕎麦」というクルーも実は多い。こういう楽しみ方もいいですねぇ。憧れちゃいます。


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