2003年長崎インターハイ・ボート競技の全レース記録です。公式記録サイトにはラップタイム等の情報が掲載されず、日本ボート協会もインターハイサイトへのリンクだけで済ませてしまっている(それってハッキリ言って手○きぢゃないすかね?)状況ですので、あえてこの場で公開します。[8/9追記]OCRによる電子データ化を完了しました。Excel2000形式で整理しましたのでご活用いただければ幸いです。なおファイルはZIP形式で圧縮してあります。
将来的にはこうした記録速報の配布も電子媒体(メールやメモリーデバイスetc.)にすればこーんな面倒なコトなんてしなくていいんでしょうけどね・・・・まぁ、しゃあないですナ。
P.S.たぶん多くの常連さんが期待しているであろう大会レポートは、現地で更新がままならず、そのまま有耶無耶になっております。近日中に掲載される予定ですが、いろいろ忙しいので・・・ちょっとずつ更新&掲載していくつもりですので、気長にお待ち下さいませ。
P.P.S.待望の大会レポートを諏訪清陵端艇部WEBに掲載しました。(内容が諏訪清陵以外のクルーにほとんど言及してないので、この場へは掲載しません。ご了承下さい)
W1X:諏訪清陵高校・S渡辺香織(3年)
Race No.38女子1x予選8組(3/5あがり) 順位 県名 クルー名 500m 1000m レーン 1 長崎県 大村城南高等学校 中野 02'19"20 04'37"61 4 2 長野県 諏訪清陵高等学校 渡辺 02'22"52 04'45"14 5 3 和歌山県 和歌山北高等学校 坂口 02'21"37 04'50"73 3 4 島根県 松江北高等学校 中井 02'25"94 04'51"03 6 5 埼玉県 浦和第一女子高等学校 田中 02'27"83 04'53"51 2
Race No.98女子1x準々決勝6組(2/6あがり) 順位 県名 クルー名 500m 1000m レーン 1 宮城県 女川高等学校 石森 01'58"99 04'01"70 4 2 新潟県 新潟南高等学校 青木 01'58"57 04'02"56 3 3 長野県 諏訪清陵高等学校 渡辺 02'00"01 04'07"10 2 4 岡山県 岡山操山高等学校 兒山 02'02"86 04'08"44 6 5 山口県 西市高等学校 松井 02'00"30 04'09"69 5 6 沖縄県 普天間高等学校 吉武 02'01"17 04'09"93 1
Race No.16男子1x予選4組(3/6あがり) 順位 県名 クルー名 500m 1000m レーン 1 長野県 諏訪実業高等学校 朝倉 02'02"23 04'02"59 3 2 埼玉県 南稜高等学校 平井 02'03"49 04'07"78 5 3 兵庫県 香住高等学校 竹野 02'08"50 04'09"73 6 4 福島県 西会津高等学校 杉本 02'08"15 04'09"93 2 5 福岡県 八幡工業高等学校 和田 02'13"36 04'31"45 4 6 徳島県 徳島市立高等学校 岩野 02'46"07 05'23"07 1
Race No.75男子1x準々決勝1組(2/6あがり) 順位 県名 クルー名 500m 1000m レーン 1 長野県 諏訪実業高等学校 朝倉 01'50"05 03'49"37 4 2 岡山県 関西高等学校 宗政 01'51"96 03'49"61 3 3 福島県 西会津高等学校 杉本 01'53"20 03'53"77 1 4 神奈川県 法政大学第二高等学校 相良 01'56"27 03'57"05 2 5 富山県 大沢野工業高等学校 冨士原 01'54"80 03'57"65 5 6 秋田県 御所野学院高等学校 佐々木 02'02"69 04'08"26 6
Race No.111男子1x準決勝1組(3/6あがり) 順位 県名 クルー名 500m 1000m レーン 1 書森県 むつ工業高等学校 石田 01'50"84 03'43"63 2 2 熊本県 熊本学園大学付属高等学校 谷本 01'48"28 03'45"12 3 3 群馬県 館林高等学校 今泉 01'49"04 03'45"41 5 4 広島県 盈進高等学校 高橋 01'50"30 03'45"93 4 5 長野県 諏訪実業高等学校 朝倉 01'52"08 03'46"84 1 6 鹿児島県 鹿屋農業高等学校 前野 01'54"05 03'51"42 6
Race No.30女子2x予選6組(3/5あがり) 順位 県名 クルー名 500m 1000m レーン 1 三重県 津商業高等学校 02'11"20 04'27"25 2 2 長野県 岡谷東高等学校 02'09"00 04'31"13 5 3 香川県 坂出高等学校 02'12"38 04'42"31 6 4 群馬県 館林女子高等学校 02'20"45 04'53"60 4 5 福岡県 東筑高等学校 02'31"56 05'12"18 3
Race No.90女子2x準々決勝4組(2/5あがり) 順位 県名 クルー名 500m 1000m レーン 1 岐阜県 八百津高等学校 01'49"06 03'45"64 4 2 長野県 岡谷東高等学校 01'53"28 03'49"29 6 3 静岡県 ニ俣高等学校 01'55"00 03'52"72 5 4 石川県 七尾高等学校 01'57"78 04'02"94 2 5 山形県 酒田西高等学校 01'59"59 04'05"16 3
Race No.113女子2x準決勝1組(3/6あがり) 順位 県名 クルー名 500m 1000m レーン 1 熊本県 熊本学薗大学付属高等学校 01'50"92 03'46"90 1 2 大分県 日田三隈高等学校 01'51"63 03'47"04 3 3 愛知県 旭丘高等学校 01'50"25 03'47"09 6 4 岐阜県 八百津高等学校 01'53"55 03'52"47 2 5 長野県 岡谷東高等学校 01'56"10 03'54"86 5 6 山梨県 富士河口湖高等学校 01'54"47 03'56"78 4
Race No.8男子2x予選2組(3/6あがり) 順位 県名 クルー名 500m 1000m レーン 1 長崎県 大村高等学校 01'40"39 03'27"25 5 2 兵庫県 洲本実業高等学校 01'43"96 03'33"28 6 3 長野県 岡谷東高等学校 01'43"42 03'33"56 3 4 香川県 坂出商業高等学校 01'45"67 03'34"35 1 5 山口県 西市高等学校 01'46"37 03'39"07 4 6 栃木県 佐野高等学校 01'47"82 03'45"16 2
Race No.103男子2x準々決勝5組(2/6あがり) 順位 県名 クルー名 500m 1000m レーン 1 福井県 小浜水産高等学校 01'35"21 03'14"81 2 2 石川県 津幡高等学校 01'39"20 03'19"59 5 3 愛媛県 今治南高等学校 01'37"74 03'20"92 1 4 長野県 岡谷東高等学校 01'38"13 03'23"31 3 5 佐賀県 唐津西高等学校 01'40"39 03'24"18 4 6 栃木県 佐野高等学校 01'45"94 03'32"76 6
Race No.34女子4x+予選6組(2/4あがり) 順位 県名 クルー名 500m 1000m レーン 1 滋賀県 八幡商業高等学校 01'50"94 03'43"69 6 2 千葉県 小見川高等学校 01'56"65 03'50"71 5 3 大分県 日田高等学校 02'04"97 03'52"60 4 4 長野県 諏訪清陵高等学校 01'58"53 03'57"32 3
Race No.70女子4x+敗者復活4組(2/4あがり) 順位 県名 クルー名 500m 1000m レーン 1 長野県 諏訪清陵高等学校 02'09"90 04'17"14 4 2 群馬県 館林女子高等学校 02'10"10 04'19"19 5 3 岡山県 岡山操山高等学校 02'14"33 04'27"37 3 4 山口県 安下庄高等学校 02'19"38 04'35"99 6
Race No.81女子4x+準々決勝1組(2/5あがり) 順位 県名 クルー名 500m 1000m レーン 1 富山県 八尾高等学校 01'45"81 03'35"84 4 2 大分県 日田高等学校 01'47"23 03'36"13 6 3 愛知県 猿投農林高等学校 01'48"21 03'38"58 3 4 千葉県 小見川高等学校 01'53"87 03'48"44 5 5 長野県 諏訪清陵高等学校 01'55"56 03'56"11 2
Race No.35男子4x+予選5組(3/5あがり) 順位 県名 クルー名 500m 1000m レーン 1 愛知県 猿投農林高等学校 01'40"12 03'18"12 6 2 大分県 日田高等学校 01'42"74 03'19"12 4 3 宮城県 塩釜高等学校 01'40"97 03'19"94 5 4 長野県 諏訪清陵高等学校 01'43"74 03'22"19 3 5 埼玉県 越ヶ谷高等学校 01'43"78 03'24"54 2
Race No.60男子4x+敗者復活2組(3/5あがり) 順位 県名 クルー名 500m 1000m レーン 1 長野県 諏訪清陵高等学校 01'49"53 03'36"02 4 2 兵庫県 洲本実業高等学校 01'51"61 03'37"08 5 3 岩手県 盛岡大学付属高等学校 01'55"97 03'42"53 6 4 福岡県 八幡工業高等学校 01'58"78 03'43"31 3 5 佐賀県 唐津西高等学校 02'00"35 03'58"99 2
Race No.84男子4x+準々決勝2組(2/6あがり) 順位 県名 クルー名 500m 1000m レーン 1 茨城県 潮来高等学校 01'35"32 03'15"59 3 2 長野県 諏訪清陵高等学校 01'35"70 03'18"27 1 3 熊本県 熊本学園大学付属高等学校 01'39"03 03'21"74 2 4 静岡県 天竜林業高等学校 01'40"89 03'22"10 6 5 沖縄県 美里工業高等学校 01'40"32 03'22"63 5 6 石川県 小松高等学校 01'38"37 03'23"09 4
Race No.119男子4x+準決勝1組(3/6あがり) 順位 県名 クルー名 500m 1000m レーン 1 富山県 八尾高等学校 01'35"44 03'12"18 3 2 福井痕 美方高等学校 01'34"14 03'12"81 2 3 岐阜県 恵那高等学校 01'36"08 03'13"94 6 4 大阪府 清風高等学校 01'35"12 03'14"84 4 5 長野県 諏訪清陵高等学校 01'35"71 03'15"69 5 6 福島県 川口高等学校 01'36"82 03'19"57 1
◆見えた光明?急成長の清陵男子◆
長野県クルーをサポートして昨年と同じ書き出しで・・・(笑)。長野県クルーの「決勝進出ゼロ」は98年以降6年連続となってしまった。今シーズンは全国選抜で好調なスタートを切ったにもかかわらず、最大の目標であるはずのこの大会で、結局入賞に届かなかったのは正直残念だ。 シーズンを通して成長・レベルアップすることの難しさとともに、実力的にほとんど差のないクルーがひしめく中から抜け出すための「何か」が足りなかったことを思い知らされた。しかし今年のレースでは、その「何か」が見えてきた大会でもあったように思う。
まずここ数年辛うじて1クルーが最終日(準決勝)に残るレベルだったのが、今回は3種目が残った。これは前向きに評価して良いだろう。昨年書いた「大きすぎる準決勝のかべ」は確実に乗り越えつつある。個々のクルーの所感については後述するとして、全国選抜で決勝進出した諏訪実・朝倉と岡谷東女子ダブルは、特に安定した力を発揮した。予選や準々決勝では、決勝に進出したクルーに勝ったレースもあり、彼らが入賞圏内にいたことは間違いない。しかし長野県勢が決勝から遠ざかっている間に周囲のレベルはますます高くなり、準決勝は想像以上にタフな競い合いの場となっている。そこではちょっとした集中力の乱れ・意気込みの不足(?)が勝負に直結する。その厳しさは春の選抜大会とは比べものにならないことも改めて痛感させられた。
朝倉や岡谷東W2xらの安定感ある3年生に対し、今後の成長を多いに期待させるクルーが現れたのも大きな収穫だった。諏訪清陵の男子クオドルプルである。前述の岡谷東W2xは2年生だった昨年も準決勝を経験しているが、中学時代の経験を含めれば当時で実質5年目のキャリア。周囲から見れば「強くて当然」の存在とも言えた。一方、今年の清陵男子クオドは、高校からボートを始めた2年生中心のクルーという点が大きな違いだ。
レースは予選のミスが響いて敗復まわりとなったが、準々決勝で持ち味を十二分に発揮してこの種目の県勢で2年ぶり、清陵男子としては97年(この時のメンバーはすべて3年生)以来の準決勝進出を果たした。敗復まわりのハンデも経験を積む場として前向きに捉え、レースごとに調子を上げていく逞しさを持ったクルーであった。過去のデータを見ても敗復まわりで準決勝に進出した長野県のクルーは、過去12年間でシングルスカルがたった2クルーのみ。団体種目(フォア・クオド・ダブル)の敗復経由で最終日に残ったのは今回が初めて、という事実は「逞しさ」の裏付けと言って良い。そう・・・タフな競い合いの中で長野県勢に足りなかった「何か」とは「最後の最後まで成長し続ける、あるいは成長しようと言う意志そのもの」ではなかったか?
長野県勢が遠ざかっていたインターハイ最終日のレース。この「タフな勝負の場」を前途有望な2年生達が経験したことは大きな財産となるはずだ。しかも清陵には、今回の出場メンバーに引けを取らない(というよりもっと力のある?)選手が揃っている。来年への光明は見えた。それをしっかりと見据えつつ新たなスタートを切りたいものだ。
以下、クルーごとの所感。(部外者が勝手なコト言っているなーと思ったら軽ーく読み流してくださいませ:-p)>清陵以外の関係者のミナサマ
男子クオドの諏訪清陵は、実力を十二分に発揮して堂々の準決勝進出。3人の2年生漕手を擁し、荒削り(というか全然削ってないと言う説も?)ながら、全国の強豪に全く見劣りしないスピードを出すことができた。
春先は苦しんだ。当時(4月の時点で)実力的にはベストとはいえないメンバーでスタート。中日本、信毎諏訪湖などの地方レースでも全然ぱっとせず、北信越総体に至っては美方・八尾との雲泥のレベル差を見せつけられた。若いメンバーゆえ上級生だけのクルーのように「最後のシーズンにかける意気込み」も薄く、苦しい時期は長かった。しかし直前のトライアルで好タイムを出して、ここで一気に勢いに乗った。「先頭(美方)を追う団子集団が見えてきた」そんな手応えを感じて2年生の顔つきが変わったのがハッキリ分かった。春先にはひ弱に見えた選手も逞しくクルーのリズムを作り出すポジションをこなすまでに成長した。(って書くと誰のコトだか分かりますね:-P)
現地入りしてからも、レースごとに課題を修正。準決勝では美方と3.5秒。決勝進出まであと1.75秒という大健闘であった。本当に最後の最後までクルーは成長し続けた。才能を秘めた2年生を根気よくまとめ上げてきたコックスの宮坂と3番小松。彼らの努力で、2年生の選手層は飛躍的に厚くなったといえる。その取り組みに大きな敬意を表したい。今回つかんだ大きな手応えを是非とも来シーズン実らせてほしい。
男子シングルの朝倉は、類い希なローイングセンスを高校最後のシーズンで見事に開花させ、全国レベルで競い合った。きっかけは2000mというローイング本来の醍醐味を経験できるレース。まずは春の全国選抜で「非凡な追い上げ」という武器で自信をつけ、6月のジュニア選手権では日本代表まであとほんの一歩と迫った。長野県勢が近年もっとも縁の遠かった男子の個人種目でのこの大会過去最高の成績。そのニュースは朝倉自身のみならず長野県の高校生全体に自信と活気を与えるキッカケとなった。
今回のインターハイは「ジュニア代表選手がエントリーしていない」がゆえに、「当然優勝争い」といった展望やコメントが一部の報道でもあった。しかし現実はそんなに甘くない。1000mは2000mと別の競技といっても良く、1000mまでなら高いパフォーマンスを発揮できる選手も同じ土俵に上がってくる。だから冷静に考えれば、「チャンスは充分だが激戦は必至」くらいの認識でちょうど良かったと個人的には思ったのだが・・・
フタを開けてみればそんな心配を吹き飛ばすかのような快進撃。準々決勝では、決勝進出の関西・宗政選手を抑えてトップ通過するなど、不得意と言われた最初の500mスプリントを確実にレベルアップさせていた。「最初にリードすれば絶対抜かれない」という自信。しかしそれを持ってしても決勝に届かないとは・・・。
準決勝は不安定なスタートで出遅れた「焦り」が敗因。「1000mは出遅れたらアトがない」という微妙な気持ちの揺らぎが確実と思われた決勝への道を阻んだ。しかし前半出遅れながらも決勝まで1.3秒まで追い込んだ実力は、(昨年の総評で挙げた)「平凡」から脱して余りある強さだったと言えよう。この魅力を今後もぜひ伸ばしていってほしい。国体での活躍も期待!!
女子シングルの渡辺は、目標の準決勝に届かなかった。高校最後のシーズンを自覚したのは昨年のインターハイに出場した1つ先輩の関や、同学年の岡谷東女子ダブルが全国の強豪と競う姿を潮来インターハイで見てからだ。「頑張れば全国で競えるんだ。競い合いたい!」という意識の目覚めが、それまでの彼女の半ば甘えた(?)練習に対する姿勢を一変させた。冬場に怪我をして苦しい時期もあった。県内の他校ライバルに急追されて気合いを入れ直したレースもあった。コーチが海外に逃亡したこともあった(ん?関係ない??)・・・そうした積み重ねの末に、見事に全国切符を獲得。北信越総体では、借艇のハンデを乗り越えての3位入賞。
しかし、昨年も書いたようにジュニア代表が抜けてもこの種目の全国レベルは(異常に)高い。大会直前の諏訪湖での艇速はおそらく4分10秒前後。しかしこれでもまだインターハイ最終日には残れない、というのが現実なのだ。その種目にあえてチャレンジし、最後まで力を出し切って戦えたことに胸を張ってほしい。そして何よりも、その中で得たボートの魅力と仲間達は、やはり一番の財産のはず。それを忘れずに今後につなげてほしい。
女子クオドルプルの長野県勢は、部員数の減少に伴って厳しい成績が続いている。そんな状況下、今回出場した諏訪清陵クルーは、同一学年だけでクオドを編成できる人数が揃い、同校としては久々(1999年以来)に団体種目でのインターハイ出場を果たした。クルーは全員が2年生。しかしチームとして全国舞台に臨んだ過去の基盤は失われ、今シーズンは、まさにゼロからのクルーづくりであった。 客観的に見ても、基礎的な体力はまだまだ全国で競い合えるレベルではなかった。そのため、コーチ陣からは「とにかく体力つけろよ☆」と言われ続けたクルー。しかし、最後まで艇速が伸び悩んだ原因は別にある。それは勝負に対する厳しさと、ボートを進めるという楽しさに対する個々のベクトルがバラバラだったこと。「目指すゴールは同じなのに、あえて個々に別の道を選ぼうとしている」ようで、見ていても歯痒く感じることの多いクルーだった。「今はそれも大事な経験だから」と見守るだけだったのだが、それはやっぱり遠回りだったのかなぁと思うのは、勢いに乗った男子クオドと対比して見てしまうからだろうか・・・。レース後のあるメンバーの言葉。「準々決勝のあのレース…スタート前、一番ワクワク興奮しました」 普段からそんな気持ちでトレーニングができていれば、今回の結果はもっと違ったものになったような気がしてならない。 そうした雰囲気作りの大切さを今回の全国大会で感じてくれたなら、それはきっと次に活かせるはず。・・というか活かさないでどうする?? メンバーは全員がまだまだチャンスのある2年生。力を付けてきている1年生も交えて来年は一回り成長したクルーになってくれることを期待しよう。それは清陵チーム全体にとっても、大きなプラスになることだから。
女子ダブルの岡谷東。M1Xの朝倉とともに入賞の期待を集めたが、結果は昨年と同じ準決勝敗退。しかも内容的にも精彩を欠いた。
実は準決勝前に選手のある言葉を耳にして、僕は「これ以上勝ち上がるのは厳しいかもなー」と感じたのだが、その予感は残念ながら当たってしまった。口に出すコトバというのは微妙なモノで、単純に言葉面だけを捉えて勝手な憶測はすべきでないが・・・。敗因はやはり最後の一伸び=「成長しようとするキモチ」だったのではないか、と思わせるキーワードがその中にあったのだ。体力も技術もトップレベルと互角。それでいて「精一杯やった」つもりでも結果が出ないコトがあるとすれば、それは「勝ちたいというキモチ」が相手に及ばなかったということ。それはもしかしたら「ほんのちょっとの差」なのかもしれない。・・・・しかしその差で勝負は決まるのだ。男子ダブルスカルの岡谷東も春先は好成績を連発。個人的には非常に期待していただけに「伸び悩み」の印象が強くなってしまった。
春の選抜で順位のつくレベルというのは、夏のトップシーズンに向けての成長も期待できるので、個人的には「上位を狙う絶好のポジション」だと考えている。まして冬場に乗艇のままならない長野県勢にとって、水上シーズンの艇速は夏に向けて大きく伸びる傾向が強かった(水温の上昇云々を差し引いても、の話ですよ>某社の社長様:笑)。しかし今年の岡谷東2Xは、どうもその伸びが少なかったように思われる。結果的に大きく艇速を伸ばした他県勢に追いつかれ、追い抜かれてしまったようにも見えた。(もちろんこれは今回の岡谷東に限った話ではなく・・・最近は特に多くなったような気も?!)
春先からの水上トレーニングの質と量、上級生が少なくクルーのメンバーが固定せざるを得ないチーム状況など顧問の先生も苦労された部分は多いと思う。それだけに目先の結果にとらわれない育成について、もっと考える必要があるのではないか、と強く感じさせられた。何ができるのか正直言ってまだわからないことも多いけれど・・・。とはいうものの、両ダブルスカルはともに全国のライバル達に引けを取らない練習を積んできたし、ポテンシャルは決勝進出クルーにも引けを取らない素晴らしい選手達だということは実証済み。残るレースは県選抜としてクオドで臨む国体だ。昨年を上回る可能性を秘めたクルーだと思うので、思い切り楽しんで勝ち上がってほしい。目標とするイメージは99年の少年男子・県選抜付フォアだろう。