
長野県ローイング協会と下諏訪町漕艇協会は12月12日、2028年信州やまなみ国民スポーツ大会(国スポ)でローイング会場になる下諏訪ローイングパーク(漕艇場)の環境整備に関する要望書を宮坂徹下諏訪町長に提出しました。
木下芳樹県ローイング協会理事長と小口正志町漕会長が町役場を訪れて会談しました。要望は老朽により解体が決まっている錬成の家とプレハブ艇庫の施設存続と水草対策の2点で、特に競技に影響するほど広範囲に繁茂する水草対策については諏訪湖を管理する県に強く求めるよう要望しました。
会談の中で小口会長は、水草対策の一環として、来年の第45回下諏訪レガッタを例年の9月開催より1カ月余早めて8月2日にすると明らかにしました。「どこかで手を打たなければと、思い切ってずらしたが、今後もとても心配」と話しました。御柱祭の年には各地域である秋の小宮祭を考慮して8月下旬に実施してきた下諏訪レガッタですが、水草対策による8月上旬での実施は初めてのことです。
漕艇場では水草、中でもクロモやマツモなどの藻類が10年ほど前から繁茂が顕著になり、年々範囲が拡大してコースを覆うようになりました。今年は8月初旬から9月下旬にかけて競技会に支障をきたすほど大繁茂し、除去に毎朝汗を流した協会役員は「昨年の10倍ほどの密生で水草のじゅうたんが湖面を覆っている」と嘆いたほどです。盆過ぎの大会はコースを縮小したり一部のレースを中止、県高校新人大会は諏訪湖を断念して石川県での開催でした。
要望書では「協会は総力を挙げて除去に取り組んできたが、マンパワーにも限界があり安全に競技を実施できる環境を確保することが困難な状況」としています。木下芳樹理事長は「今年は予想できないほど増えた。このままでは国民スポーツ大会ローイング競技の実施にも大きな影響が出ることを危惧している」と訴えました。県ローイング協会長でもある宮坂町長は自身もローイング愛好者の一人として水草繁茂を十分認識しており「私も心配している。漁協関係者からもみんなで一緒になって環境整備したいとの話をいただいており、関係団体に声掛けしていく。国スポができないかもしれないくらいの気持ちで県に要望したい」との力強い返答をいただきました。
一方、町の進める湖畔地区のグランドデザインで将来的に一帯を多目的広場として整備する構想がある中での錬成の家とプレハブ艇庫について「現在でも大会運営などに欠かせない施設で有効活用している。国スポ大会の競技運営と競技力向上のため当面の間存続を」と要望。宮坂町長は「検討させていただければ」と話すにとどめていました。

